第０回「アメコミとクトゥルー神話」

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

先のページで既に、ウルヴァリンに腹を殴られて平然としているアルハザード。続く攻撃を軽くいなし、ウルヴァリンを建物の外に放り捨てるというパワフルっぷりを見せつけます。すごいよアルハザード、強いよアルハザード！ http://t.co/sy4CJBD6KG

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とはいえ、ターザンの時とは異なり、今回のアルハザードはちゃんと魔術を使います。彼が呼び出した魔物たちは残念ながらクトゥルー系ではありませんでしたが、右上のあいつのみ微妙にエイリアンっぽいのがご愛嬌です。 http://t.co/BHWXaDNNoq

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残念なことに－－このアブドゥル・アルハザード、『THE MARVEL ENCYCLOPEDIA マーベル・キャラクター大事典』には載っていないようです。とはいえ、なかったことにされたというわけではなく－－。

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大事典の別巻である"MYSTIC ARCANA"の最初のページにどどーんと載っています。この解説によると、ターザン、ウルヴァリンを苦しめたアルハザードは一応同一人物のようです。身長約2m、体重約100kgという情報もこちら。 http://t.co/X6NeEti4an

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同書によれば、ペルシダーで死んだか、イスの偉大なる種族により地底に転移したアブドゥル・アルハザードのは、爬虫類種族マハールによってペルシダーの水晶の中に封じ込まれたのだそうです。『ネクロノミコン』を使うことでパワーが増すともありますが、作中にはカケラも出てきませんでした。残念。

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アルハザードの登場エピソードを実際に読んだのは、昨年秋の終わり頃でした。とんでもない衝撃を受けました。「ラヴクラフト最大の誤算は日本人？ バカじゃないの？ うぬぼれにもホドがある。まず、アメリカ人に生まれちゃったことが彼の最大の誤算だよ！」－－これが、ルビコン川を渡った瞬間です。

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そんなこんなで、「アメコミにおけるクトゥルー神話」の影響を探るという、道なき茨の道を好き好んで歩き始めてしまったというわけであります。（-,,,-;　）

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何分、現在進行形で調査中のテーマです。『ナイトランド』誌の5～7号に中間報告記事を載せていただいておりますが、書いている最中にも次々と面白い話が見つかってしまい－－。

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ここで、誤解の無いように書いておきますが、90年代以降になると、アメコミにおけるクトゥルー神話ネタは、さほど珍しいものでもなくなっています。このあたりは、日本の現況とも重なりますね。

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映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』での「俺はディープ・ワンだ」というギャグ台詞から、アメリカでのクトゥルー神話のカジュアル化を感じました。

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なので、今のところは1950年代から80年代にかけての作品にターゲットを絞っています。とりわけ、リン・カーターが仕掛け人となった70年代クトゥルー・ブームの前後で、「どのような紹介のされ方をしているか」が最大の関心事です。そのあたりは明日改めて。

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今日のところは、刊行年代を問わず特にユニークなものを幾つかピックアップして紹介するにとどめます。

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まずは、IDW社の"INFESTATION2"。単行本の刊行は2012年と、ごく最近の作品です。 http://t.co/WyiszDquWM

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"INFESTATION"というのは、IDW社のクロスオーバーシリーズです。2011年の第1弾は、『ゴーストバスターズ』『G.I.ジョー』『スタートレック』『トランスフォーマー』がクロスするゾンビ物でした。

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

で、その第2弾がクトゥルー神話です。こちらのクロスオーバー作品は『30 DAYS OF NIGHT』『ダンジョンズ＆ドラゴンズ』『G.I.ジョー』『ティーンエイジ・ミュータント・タートルズ』『トランスフォーマー』。

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『トランスフォーマー』編の挿絵と、海底都市がこちら。ややこしいことに、『トランスフォーマー』のスチームパンク・エルスワールドである"Transformers: Evolutions-Hearts of Steel"の続編になってます。 http://t.co/WyiszDquWM

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でもって、『トランスフォーマー』編クライマックスで、カルティストたちの祈りの詠唱が響き渡る中、海の底からズズズズズズという感じで出現する邪神様の姿をどうぞ。かなーりカッコイイ！ http://t.co/Lkn06fRv7v

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こちらはティーンエイジ・ミュータント・タートルズ編のワンシーン。元々、NYの下水道を拠点としている彼らです。地下探索の描写はなかなか雰囲気たっぷりで、意外にも（失礼！）どシリアスかつ本格的なクトゥルー・ストーリーです。 http://t.co/2BEaoMp86x

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"INFESTATION2"はこのへんで。もうひとつ、マーベルの"X-TREME X-MEN"を異色作として紹介します。ざっくり概要を説明しますと、崩壊の危機に瀕する世界のプロフェッサーXが、100人の並行世界の自分と脳を接続、住民のいない地球に避難しようとするのですが－－

闇に囁く方の森瀬 @TalkingMolice

結果、10人の邪悪なプロフェッサーXが発生してしまったので、平行世界のX-MENのメンバー（一部世界にはX-MENは存在しない）が結集、一人一人倒して回るというステキシリーズです。で、このエグゼビア×10がヒドくて－－。（右上） http://t.co/tOX0S3TIqQ

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クトゥルー・スクイッド（烏賊）・エグゼビア、スチームパンク・エグゼビア、神の址のエグゼビア、カウボーイ・エグゼビア、恐竜エグゼビア、アカンサス飛行鯨エグゼビア、リンカーン・エグゼビア以下略。（本当）

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ちなみに、一人目（？）のクトゥルー・スクイッド・エグゼビアは出てくるなりローガン（滅びゆく世界の出身で、ウルヴァリンではない）に瞬殺されました。（T,,,T　） http://t.co/xJfTWIiYNV

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