知里幸恵『アイヌ神謡集』後半

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@paggpagg

アイヌ神謡集第十三話。なぜこの話が最後にあるのか。一つは勧善懲悪パターンであること。もう一つはおそらく、農耕の話だから。神謡集にはこれまで鹿猟、鮭猟、寄りクジラ利用などが登場した。だが、アイヌ民族の女性の重要な伝統的役割に、雑穀畑の管理がある(第十二話では草編み仕事が登場)。

2010-10-19 15:45:36
@paggpagg

アイヌ神謡集第十三話。知里幸恵は「狩猟採集」というアイヌの典型的イメージを強化するような内容の話を並べてきた。だが、それらは動物を「客としてのカムイ」ととらえる、和人にとっては新しい「狩猟」観を教えるものである。そして最後には「農耕文化としてのアイヌ伝統文化」を教える。

2010-10-19 15:50:15
@paggpagg

アイヌ神謡集第十三話。この本の構成は多くのことを示す。半ばは意図的であり、半ばは結果的なものだろう。だが、そこには知里幸恵の生きた当時にアイヌ民族が受けていた(そして今まで続く)視線の問題が見え隠れする。そしてそれ以上に知里幸恵の世界が表れている。

2010-10-19 15:57:25
@paggpagg

アイヌ神謡集第十三話。もちろん、何よりもこの本はアイヌ伝統文化のテキストになる。序文もいいけど本文がオススメです。おしまい。

2010-10-19 16:10:16
@paggpagg

中川裕『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー)増刷かかったのね。これは名著。タイトル通りの本。専門家が専門的なことを分りやすく解説したもので類書なし。13年前の著作ですが現在の人材の状況から見て、一般向けでこれを超える本は今後もしばらくは出ないでしょう。

2010-10-21 03:25:01
@paggpagg

アイヌ語資料はどんどん著作権が切れる。すでにピウスツキ、知里幸恵が自由に使える。まもなく知里真志保が、11年後には金田一京助と久保寺逸彦が自由に使えるようになる。

2010-10-21 09:14:16
@paggpagg

知里幸恵『アイヌ神謡集』の各話解説ツイートやってみたら、結構時間がかかった。あれでもほんの「さわり」。初めてふれる人にはもっとちゃんと解説しないと、まだまだわけが分からないだろう。少し知識がある人の疑問に完全に答えるものでも当然ない。結構危うい部分もある(ごめんなさい)。

2010-10-21 10:03:22
@paggpagg

知里幸恵『アイヌ神謡集』は作品配列の意味が案外みすごされてきた。また神謡ジャンル全体からみた作品集としての「性格」も。

2010-10-21 10:18:21
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