公正としての正義・再説を読む

私用。間違いは後で読んでいく内に修正していけばいいみたなノリで一人で読んでいるため、間違い含みの可能性もあるので注意。
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後期ロールズ @Rawlsbot

エゴイズムは単に合理的な基準でなら正当化できる。エゴイズム、正義に反する事、協働しない事、他者を裏切る事、フリーライドする事、全ては合理的でありうる。(無論、合理的でない場合もあろう)だが正義は合理性だけでは説明されない。正義は単なる主観的利己的なエゴに基づいていいものではない。

2010-10-15 08:00:38
後期ロールズ @Rawlsbot

この事は恐らくロールズにおいては直観的に前提されているのだろう。というより、この事をロールズは「常識」に頼って説明していると思われる。「常識は…合理的なものではなく、道理に適ったものを、道徳的感受性を含んだ道徳的観念と見なしている。」

2010-10-15 08:01:24
後期ロールズ @Rawlsbot

軽くコミカルに言えば「道徳的なのは合理的なものではなく道理に適ったものだろ常識的に考えて…」というのがロールズの言い分であり、かかる常識を共有しないような非常識野郎はロールズにとっては申し分なく不道徳なのである。従って排除され責められて然るべきとなる。

2010-10-15 08:02:42
後期ロールズ @Rawlsbot

「正義原理の役割は、社会的協働の公正な条項を明白に示す事」とロールズは言う。正義原理は明白でなければならず、協働のための公正なそれである必要がある。やはり既に正義原理の決定以前に公正性や明白性の善性(望ましさ)が前提されている。これまた恐らくだが、常識に依拠している。

2010-10-15 08:05:36
後期ロールズ @Rawlsbot

「穏当な多元性の事実を所与とすれば…構成員の全てが同一の包括的教説を受け入れるような秩序立った社会は不可能…市民達は、異なった包括的教説を抱いていても、正義の政治的構想には合意できる」とロールズは期待する。これはあまり評判のよくない期待である。

2010-10-15 08:07:33
後期ロールズ @Rawlsbot

これが意味するのは、異なる価値観を持っていても、その価値観を私的領域に留め、公的には公共的に振舞うならば、多様な価値観を持つ多様な人々は、政治的リベラリズムという正義の政治的構想には合意できるという事、と言っていい。

2010-10-15 08:08:28
後期ロールズ @Rawlsbot

反対者は我々は私的な事柄についてだけでなく、公的な事柄についても、そして善だけではなく正義についても多様な対立競合する見解を持っており、多元性の事実は正義の多元性をもたらし、合意の不可能を帰結する、と言う。全く絶望的で夢も希望もない意見である。実際彼らは永遠の闘争や暫定協定を説く

2010-10-15 08:11:22
後期ロールズ @Rawlsbot

だがロールズが言う合意はそのままの生身の万人の合意ではない事に注意を払いたい。ロールズには諸々の前提があり、それは私的な価値観、善を公的には封印する事や、何かを正当化するためには公正や互恵性を満たし、他者も共有できる理由に基づくなどの公共的正当化を要する…といった条件を課している

2010-10-15 08:13:19
後期ロールズ @Rawlsbot

無知のヴェールもまた公正を実現するための装置と見れるが、無知のヴェールをかぶらない人間が実際には合意しないという理由で、こうすれば公正な決定がされるだろうという話を「ンなもんは現実にはエゴイストに合意されない」と言って潰すのは意味が分からない。

2010-10-15 08:14:19
後期ロールズ @Rawlsbot

無論、そのような価値的前提があれば、ある程度の合意が可能だとしても、そのような事を前提する事自体が欺瞞的で、偽善的で、傲慢かつ独善的で排除的で下劣である、という反論が続々と出てくるのだろう。問いたいが、「ではどうするのか?」

2010-10-15 08:16:11
後期ロールズ @Rawlsbot

合理性や公正性の普遍性をも否定する輩が提唱するのは殆ど揃って、永久の闘争や永久の話し合いや、永久の暫定協定や、永久の権力獲得ゲームあるいは単なる諦めと絶望である。あるいは自由と平等の理念の普遍性を否定する者は単に人々を不平等に扱い、その自由を自由に奪う事を欲するだけだ。

2010-10-15 08:17:45
後期ロールズ @Rawlsbot

リベラルな正義は、確かに一定の排除を伴いながら合理性や公正性を普遍的かのように扱う原罪を内在するが、同時に数々の恩恵をもたらす。それは永久の闘争やどうなるかも分からない暫定的な権力獲得ゲーム、あるいは単なる絶望を我々に回避させ、一定の安心と自由、権利、幸福を与えてくれる。

2010-10-15 08:19:14
後期ロールズ @Rawlsbot

それは我々が事実無根の罪で死刑に処されたり、論理破綻した理由で責められたり、街中で突然殴られたり、自由に人生を選択できなかったり、自由にものが言えなかったり…といった諸々の悲劇な事柄、苦痛を防いでくれる。

2010-10-15 08:20:32
後期ロールズ @Rawlsbot

リベラリズムの反対者はそのような恩恵を全て犠牲にしてまで、リベラルな正義の相対性と欺瞞性を説き、それを潰し消し去る事を求める。公正としての正義は合理性や公正性を前提していて、それが排除的なので最悪だとして、その撤回を求め、代わりに闘争を求める。

2010-10-15 08:21:49
後期ロールズ @Rawlsbot

真理でない正義より真理であるカオスを、というわけだ。排除の伴なう合意よりは排除なき闘争状態を、というわけだ。

2010-10-15 08:22:16
後期ロールズ @Rawlsbot

犯罪の恐怖うごめく自然状態から犯罪を取り締まる社会状態に移行するには、犯罪的人間を排除しなければならない。リベラルの反対者はいわば、この犯罪者の排除に向かって「それは排除だ!」と怒る事で、排除なき自然状態を求めているのである。

2010-10-15 08:24:52
後期ロールズ @Rawlsbot

以上はとりあえず25頁までを読んだ後の考察であった。

2010-10-15 08:26:28