竹の子⇔かぐや姫 天と地の物語について

オマケ:~各界の映画への反応(もしこのキャラがこの映画見たら)~ 朱色の月姫「…切なくて感動的なお話ね。私は月にそんな良い思いなんて少しもないのだけれど。でも、かぐや姫の気持ちなら、私は凄く分かるな―――だって、私の今の望みは、この星で楽しく暮らすことだから、そうでしょ?”――――”」 蓬莱山のなにがし「こんなんだったっけ?全然覚えてないんだけど。」 続きを読む
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語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

宮崎&高畑流「世界内存在」は、その最大の道具存在…いや、他者を「土」に、地球に求めるんだよね。生きるために踏みしめる最大の存在は、土である。 万物の根源は土であると言わんばかりのこの哲学。

2013-12-02 01:40:13
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

その通底する思想のなかで、かぐや姫は天人で、土なくても生きられる人。 最初から、かぐや姫はそのような穢れがなく、その穢れを客観視する、ハレの立場の存在として描かれる。

2013-12-02 01:41:10
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

つまり田舎の子供達、捨丸たちと遊んでいる時からすでに、聖である。 だが、彼女はそれゆえに、自然を愛し、子供達を愛し、ケと付き合っている。 ハレとケ、ケの付き合いを知る第一の瞬間がここ。

2013-12-02 01:42:08
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

で、彼女は成長するにつれ、翁の意向で貴族の世界に編入する。そこではハレのナリを学ばされるが、その中で彼女は自らの純粋な性格としての部分と、姫として(あるいは天人として?)の部分で葛藤する。

2013-12-02 01:43:19
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

ここに、さっきと逆の混じりが起きる。貴族たちは地位、権力、および婚礼の欲望に振り回されて、ハレの場があたかも無礼講のようになる。ケのなかにハレを見出していたかぐや姫だが、今度はハレの舞台にケを見出してしまう。

2013-12-02 01:44:19
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

ケにハレを見出していた自分を忘れられなくて、それを小さな庭に刻印するも、ハレがケガレてゆくなかで、彼女はそれが偽物であったと知る。「にせもの、にせもの!」

2013-12-02 01:45:04
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

だが、それは彼女の所為では決してない。 「すべては翁が悪い」と言いたいところだが…(てか僕はホントはそっち勢の考えだったりする…それは風立ちぬの方で言った考えでもう解ると思う)そこで終わっては、この作品の読みとして甘い。

2013-12-02 01:46:18
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

てかまあそこに翁を通しての人間の怖さ、を見出せるのではあるが(だって彼女が作法を学んで姫らしくなってくなかで、まるで真反対のように地位向上にうかれて無礼になってるわけですから)、それでも彼女のなかではお父さん、育ての親。しかも、そもそもは彼女のためを思ってこうしたのは、父の方。

2013-12-02 01:48:26
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

ナンパにくる5人の貴族(モデルは全部実在した貴族だそうで…ほら、もこたんのパパとかw)を通して、自分が偽物化されてしまう(≒イメージにほだされて自分が観たかった自分が消え去ってしまう)経験を経て、彼女は月に帰りを乞う自分を遂に見出す。そこで、封じられてた罪の記憶も蘇る。

2013-12-02 01:54:51
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

そこで、重厚化された彼女の葛藤が浮き彫りになる。 捨丸らと享有した自然的欲望⇔父母が与えてくれた世界の受容 自由に生きたいと言う自然な自我⇔周囲にどんどん付加される勝手なイメージ この世界に生きていたいという欲望⇔この世界から去りたいという欲望

2013-12-02 01:58:05
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

本質的な自らの罪を、彼女はそこで悟る。 私は天上人でありながら、穢れ多きこの地球に、その美しい自然故に憧れてしまった。それゆえ、そこで暮すという罰を受けて此処にいる。だからまだここに居たいが、人の欲望も知った今、もはやこの世界から逃げたくもなる。

2013-12-02 02:01:12
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

自らに決着をつけ、懲役期間間近に心の整理を付けるため、もといた場所へ戻ると、春も帰ってきていた。そこで、恐らく捨丸と夢を見る。…というのは、彼ももう妻子がいるというのと、彼女ももはやともには生きられない、というところで、二人が享有していた「たけの子」の「死」がメタファライズされる

2013-12-02 02:04:25
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

あ、そうか。 ハレ⇔ケ、 子供⇔オトナ 自然的な友情、愛情⇔権力的な欲望との葛藤 それらの多くの二項対立、矛盾の示唆として、 【竹の子⇔なよ竹のかぐや姫】 この対比が、かぐや姫の物語(高畑勲)には織り込まれてる、と読むのか。

2013-12-02 02:06:06
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

そして、その整理を夢を通して付けたあとに、葉月の15日の宵、天上の迎えを受け入れる。ここも、元来原作にあった『帝への蓬莱の薬のプレゼント』や、『翁・媼への歌プレゼント』がなかったりするが(その理由があるなら考察したいかも)

2013-12-02 02:07:40
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

そこで、それまでのケの世界とおさらば、するわけだ。 てか、そこで、彼女はこの物語をサマリー(集約)する。 この世界に生きることそれ自体がケであり、そのケを肯定することが聖なる行為(ハレ)である、と。

2013-12-02 02:09:29
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

この世界が美しいのはなぜか?桜の木々の彩や、野に咲く草花、粋とし生ける獣や虫たちがいるからだ。それとおなじように、人が生き、ともに愛し合い、それゆえに求め合うから。そして、そんな自然に詩情のような物を思うからだ。

2013-12-02 02:11:09
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

でもそれはまたどういうことか?それは同時に、人が求めることによって別れ、求めることによって憎しみ、いがみ合って、権力や義務等を生み、そのあらぬ欲望さえも生み出している。それは、コインの裏表と断言できず、ただ同時にある一つの事なのだと。

2013-12-02 02:12:28
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

「たーけーのこ!たーけーのこ!」と叫んだ子供達と、捨丸。 「ひーめ!ひーめ!」と成長を促した竹取の翁。 その間で育ち、立ちあがった少女は、その二つの名前(竹の子⇔輝夜姫)が、相反するものではなく、私の世界であったのだ、と知ったわけだ。

2013-12-02 02:14:39
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

蓮の花と泥の関係…という感じ。 蓮の花は、汚いと思って泥に咲いていることはない。かぐや姫もそのように想いを決めて、そして丁度その蓮の世界のような天上人に衣を頂くわけだ。 …天上人がナゼか仏教系なエキゾチックさを持って演出された意図は結構あるかも…

2013-12-02 02:16:55
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

蓮と泥(土)という関係でかぐや姫⇔竹の子という対比。仏教と言う宗教的なテーマではないが、このような仏教的メタファーの背景。

2013-12-02 02:18:23
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

そして「水車」=地球を立ち去るかぐや姫。蓮の花の上=月に帰りに行くわけだ。 …ここはちゃんと原作通り「帰り着くところまで」描かれず、かぐや姫が連れ去られたところでお話が終止した。

2013-12-02 02:20:30
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

ラストのラストで後ろ振り返ったけど、アレはどういう意味なんだろう、というところで、「実はかぐや姫の罪ってループしていて、何度も忘れては、地球見て思い出して、罪になって…を繰り返してるループものになるのでは?」とか解釈してますが、完全にウチの脳内設定なので、この辺は没でw。

2013-12-02 02:22:32
語られざるもの、悉若無/オルテガ的消費者の叛逆によせて @L_O_Nihilum

まあ、そういう話なのねん、と。…風立ちぬより、断然分かりやすかったし、より好きな作品でした、ということで。 うん、これくらい綺麗にしてくれないと。ジブリ汗を浴びに来たわけじゃないんだし、ネw。

2013-12-02 02:23:43