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とりとめもなくつぶやいておく。先日、吉祥寺でOさん(わかる人にはわかってしまうな…)と打ち合わせをした。彼からは、もっと紙から離れろ、という発破をかけられた。
2010-10-16 02:00:43思えば『ファウスト』結成前夜、僕たちの年齢は、太田28、舞城26、佐藤20、西尾19、竹17。乙一さんや滝本竜彦さん、北山猛邦さんも皆二十代前半の若い才能だった。
2010-10-16 02:08:43Oさんと僕の意見が一致したところでは、デジタル上での新しいエンタテインメント・・・小説2.0、漫画2.0(仮にこう呼称する)へのブレイクスルーは、二十歳前後の若い才能を蛮勇を振るって編集者が起用し続けていくところにポイントがある、という読み。
2010-10-16 02:11:35若い才能と付き合うのは勇気がいる。果たして彼らから芽が出るか。そして、芽が出たら出たで、たった今大事にしている既存の才能との摩擦は確実に起こる。
2010-10-16 02:13:58若い才能と付き合っていくためには時間も、お金も、根気もかかる。正直、僕はいち編集者としては今すぐにリタイアしたとしても、既にたいていの編集者の十生ぶん以上の実績を出している。そういう意味では、新人とつきあうということは、リスクしか意味しない。
2010-10-16 02:18:09というわけで、僕は若い才能と積極的に付き合うことにした。だからこの一週間で、23歳、23歳、24歳のイラストレーター&漫画家さんと新しく会って担当することになった。一人を除いては、まったくの新人。彼ら彼女らには、これから『最前線』や星海社FICTIONSで存分に活躍していただく。
2010-10-16 02:24:59あらゆる革命は持ち出しから始まる。バスチーユ牢獄を襲撃したパリの市民の武器は、彼らが手弁当で持ち出してきた猟銃や鋤、鍬だった。つまり、彼らの真の武器は意思と熱だったのだ。革命には未来に対する意思と熱が必要なのだ。
2010-10-16 02:29:01Oさんが主張するには、400字あたり○円。原稿用紙一枚○円。そういった原稿料の感覚が染みついているキャリアを既に持ってしまった人たちからは革命は発生しない、ということだった。そして僕は彼のその主張に対する十全な反論が不可能だった。
2010-10-16 02:30:55Oさんはずっと以前に、今や伝説となった雑誌をほとんど手弁当のギャランティーで編集していた編集者でもある。その雑誌の草創期のお金関連の話をうかがうと、大手である講談社の水を長く呑んでいた僕からするとめちゃくちゃである。しかしOさんは確かにその雑誌で若い作家と共に革命を起こしている。
2010-10-16 02:33:59しまどりる(@simadoriru)さんという若い(23歳)才能と今週から付き合うことになったとき「『最前線』を舞台にやりたいことを何でもやってくれ。僕が全力で担当する。ただし原稿料、ゼロでもいい?」とジャブを飛ばしたら、「原稿料なんかもちろんゼロでいいです」と答えが帰ってきた。
2010-10-16 02:45:03「原稿料なんかもちろんゼロでいいです」しまどりるさんの答えが『花の慶次』なみに躊躇がなく清々しかったので、これはもう俺も鋤や鎌を携えてバスチーユに行くしかないな、と(笑)。あ、もちろん最低限の原稿料は払いますよ!
2010-10-16 02:47:43とにかくそういった一週間だった。それにしても、「20歳前後の才能と新しく付き合うぞ!」と決めたとたんに、一週間で三人と巡り合えるのだから僕は本当に運が良いんだなあ。
2010-10-16 02:50:32若い才能が開花することで、心あるベテランの人たちの才能もまた触発されて新たな花を咲かせる。そこで嫉妬しかできないようなただの年寄りはそのまま消えていけばいい。そういうことだ。
2010-10-16 02:57:37