『朝日新聞』2013年12月3日朝刊(記者有論)について

『朝日新聞』(記者有論)安定ヨウ素剤 服用判断、現場に委ねて 水戸総局 麻田真衣記者 2013年12月3日 http://digital.asahi.com/articles/TKY201312020567.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201312020567 は、『プロメテウスの罠』第38部「医師、前線へ」を取材執筆した記者による、まとめと提言の記事です。 紹介し、補足、感想、考察等を付し、まとめました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 標高が高い川俣町は、津波の不安はなかったが、山の各所で地すべりがあった。屋根瓦の損傷もあった。道路の損壊等もあった。まずは、自らの地震からの復興が必要なはずだった。さらに、浜通りからの避難者の支援も急務だった。

2013-12-03 20:40:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

24 そこに、原発の爆発と、放射性物質拡散の報が重なってくる。事前に知識があるもの以外は、安定ヨウ素剤の服用の話など思いも付かない。川俣町から原発に行く労働者は、皆無とはいえないが非常に少ない。住民の放射性物質に関する予備知識は、無いに等しい。直線距離で40キロ、車で1時間なのに

2013-12-03 20:45:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

25 そんな川俣町に、原発事故発生後、双葉町が役場ごと避難してきた。 一方、福島県薬剤師会は、原発事故が発生した想定での訓練で、安定ヨウ素剤を配布することを想定の中に入れていた。国の計画では、最大で半径10キロの住民が服用対象だったが、医薬関係者としてはもう少し広がる想定もあった

2013-12-03 20:47:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

26 県薬剤師会長が、自らの傍にやってきた原発事故避難民を目の前にして、安定ヨウ素剤の配布・服用の準備をするのは、むしろ手順に従った当然の措置だ。1号機爆発で、汚染が広範囲に広がる危惧を抱くのも、当然だ。それこそ「専門家の知見」だ。

2013-12-03 20:50:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

27 薬剤師の桜井氏たちが、浜通りから川俣町内の避難所に避難してきた住民に安定ヨウ素剤を配布するのは、当然だった。しかし、避難所のサポートをしている川俣町の住民には、不安を感じる人も多数いただろう。しかし、私が知る範囲では川俣町一般住民には安定ヨウ素剤は配布されていない。

2013-12-03 20:53:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

28 2011年3月12日の1号機爆発直後から、地元ローカルメディアでは、「避難指示区域外では、何の対策も要らない。必要な対策があれば、国や県、自治体が指示する。それ以上の行為は『不安を煽る』愚かなものだ。落ち着いて行動しよう」という広報が繰り返し行われる。

2013-12-03 20:55:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

29 今回の「医師、前線へ」で明らかにされた、福島県医師会と薬剤師会の安定ヨウ素剤配布計画は、国・県・自治体の方針に反していた。それを権威付けたのは、最終的には長崎大学から来た日本甲状腺学期理事長 山下俊一氏だった。山下氏を上回る「専門的権威」はいなかった。

2013-12-03 20:59:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

30 権威に従うこと、国や地方公共団体の指示に従うことが医師や薬剤師の存在理由なのだとしたら、安定ヨウ素剤を一般住民に配布・服用させることは、明白な間違いだった。しかし、医師や薬剤師の存在理由は、人の健康や安全を守り、健康を増進することだとしたら、異なる判断が正しい可能性もある。

2013-12-03 21:05:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

31 2013年12月の現在から考えると、国・県・自治体の判断は間違っていた。それを権威付けた山下俊一氏は、SPEEDIのデータを見て「どっひゃー」と思った、つまり自らの判断ミスを認めている。 しかし、地元で生活し続ける医師や薬剤師は「ミスでした」は済まないのだ。

2013-12-03 21:09:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

32 その経験を踏まえて、福島県薬剤師会長は、安定ヨウ素剤配布と服用の判断を、「現場」つまり「医師や薬剤師に任せてほしい」と提言しているのだ。そして、依然として事故収束のめどが立たない東電原発事故の更なる悪化という可能性に備えて、地元住民への安定ヨウ素剤の備蓄を行っている、と。

2013-12-03 21:12:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

33 記事ではぼかして ”そうした専門家の言葉が流れ、配布を非難する「空気」が出来上がった。桜井さんは「ずっと犯罪者になったような気持ちで過ごしていました」と明かした” と記述されている部分について、もう少し丁寧に書いてみよう。

2013-12-03 21:17:06
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

34 原発事故発生後、特に1号機爆発後、避難指示が拡大され、同心円状に20キロが避難、30キロが屋内退避になった。 しかし、これらの指示はあくまでも「念のために、安全側に広く取った措置」という解説が、福島県内では様々な人によって、繰り返し流された。

2013-12-03 21:22:06
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

35 記事にあるように、安定ヨウ素剤服用の副作用に関する懸念は、1日に何度も、全国放送でも地方放送でもテレビで繰り返しアナウンスされた。3月末まで、安定ヨウ素剤副作用警戒のアナウンスを見なかった日は無かったと思う。

2013-12-03 21:38:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

36 安定ヨウ素剤の服用に関しては、事故発生直後からしばらくは、一般住民には服用の必要がないことと、副作用の危惧があることが繰り返しアナウンスされた。 その後「ヨウ素は日本では十分に体内にあるので、安定ヨウ素剤の服用や、ヨウ素を豊富に含む食料の摂取を考えるのは不安を煽る」とされた

2013-12-03 21:46:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

37 薬剤師桜井氏が感じた「犯罪者になったような気持ち」とは、そういうことだ。 自らよりも知名度や権威が高い人たちが、拡散力が高い方法を使って「安定ヨウ素剤の服用など、過去も現在も未来も必要ない。むしろ有害だ」と繰り返してきたのだ。

2013-12-03 21:48:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

38 しかも、福島県は「復興しなければならない」ことになっている。「後を向いたり下を向いたりしてはいけない」ことになっている。 「中通りは心配ない」ことになっているのだ・ 「起きるかもしれない健康被害の予防措置」が適切だったかどうかなど、語れるような環境ではなかった。

2013-12-03 21:53:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

39 しかし、原発事故発生から2年9ヶ月が経過しようとしている現在。 どうだったろうか? 原発事故で、放射性ヨウ素は大量に拡散していた。ただし、ネットなどで探していた人は2011年5月頃までに把握できた情報だけど。 その当時まともに計測したデータが存在せず、詳細は不明だけど。

2013-12-03 21:58:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

40 「安定ヨウ素剤は必要ない、心配するな」とテレビで「専門家」や「権威」が発言していた頃、必要だったのは、2つ。 予防的にヨウ素を摂取すること。 放射性ヨウ素の拡散と被ばくの実態を詳細に把握しておくこと。 このどちらも、「専門家」と「権威」が積極的に妨害した。

2013-12-03 22:01:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

41 万が一の話として、だけど。 「今回の原発事故の続き」や「次の原子力事故」が起きた場合に備えて、安定ヨウ素剤の備蓄は、必要だろうと私は考えている。原子力施設からの距離50キロ掛ける1時間の間に、服用できる状況に準備してほしい。 50キロ以内は即時。100キロなら、2時間。

2013-12-03 22:05:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

42 終りに、どうしても触れておきたいことがある。 今回の記事執筆と、それに伴う取材を行ってくれた、朝日新聞社水戸総局麻田真衣記者に感謝と敬意を捧げたい。この記事を掲載した『朝日新聞』にも、感謝したい。 そして。 この内容を、福島県地元メディアでは取材できない事。 悔しい。 以上

2013-12-03 22:09:18