大罪戦闘企画

第二六公演《戴き座して背負うは》
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紺青ものえ @almiyy

巻き上がった砂を見ても、表情は変わらず、風に流される髪を漁ることもしないまま、その場に留まり、喚ばれ出現する刀剣。大きさは、小刀程。 三色からなるそれを捉え、揺れるのは二色。銃を擡げて、三度硝子の音を立てて放たれる透けた弾丸が、高音を立てて向かうそれを逸らすように。

2013-12-21 01:58:41
紺青ものえ @almiyy

空中で跳ねた刃が僅かに首を掠める。伝う血の淡い感触。喜悦は僅かに浮いて、表情でそれを示す。 「君たちを厭うにはまだ愉しすぎるな」 感情の『喜悦』ではなく罪科の『喜悦』に委ねるように。 秩序と許容へ狙いは付けず、銃の引き金を引く。音は九つ。

2013-12-21 01:58:44
紺青ものえ @almiyy

「――私が枯渇するほどの喜悦を示してみせろ」 言葉は傲慢さを含み、よく通る硝子の響きを持って。 「喜悦の罪科に見合う『罰(もの)』を寄越すがいい」

2013-12-21 01:58:52
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

飛来する短剣四つ、内三つを剣で薙ぎ落とす。間に合わなかった一が丁度、硝子の腕、その罅を更に深めて。鈍く高く、半ばから左腕の落ちる音。 落ちた腕に意味はなく、ならば。 背後、九の硝声を聞きながら叫び命じる。 「『飛べ』『向かえ』『奔れ』『貫け』『穿て』『切り裂け』『全て射よ』!」

2013-12-21 12:28:56
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

舞い上がる砂と腕。砂の量は、視界を覆うには到底足りず、しかし疾く奔り傷つけるのならば十分。向かわせるは背後と正面双方に。腕は翠へ差し向ける。砕けた硝子の断面、当たれば確かに其を切り裂く。

2013-12-21 12:29:06
エメロード @actKrwz

「わらわの身を傷付ける事は『許さず』、腕は地に落ち砕ける事を『赦そう』」 恐らく打ち消され、砕くまではいかぬであろうが。言霊の間に合わぬ砂の礫は鉄扇で弾きながらも、手の甲に擦傷が奔るのはどうしようもなく。 狙いの無い弾丸をどうしようか、と一瞬、悩むような素振りを見せ。

2013-12-21 17:11:44
エメロード @actKrwz

つい、と指は爪弾くような仕草をしてみせる。 「宛無き弾丸よ、わらわを貫く事のみは『赦さず』」 強制力の強いものを此処まで連続して使った事は無い。 ――はたして。此方へと向かってきた弾丸三つは、逸れて人形の頭部を貫く。それは見る見るうちに硝子と化していき。

2013-12-21 17:11:51
エメロード @actKrwz

「……ふむ。飾るのも一興か」 硝子と化した傍らの人形にそっと、指を這わせながら息を吐く。 「砂よ、子となり地を走れ。数は十、其処に立つ秩序と喜悦に噛り付く事をわらわが『許す』!」 手の平程の大きさの鼠が一、二、三、と地面から生えるように作られ、五つは秩序へ、もう五つは喜悦へと。

2013-12-21 17:11:59
エメロード @actKrwz

その足先から全身へと噛り付かんと、走る。 弾き切れなかった砂の礫は幾らか着物の繊維を解れさせたようで、許容は僅かながら眉を顰める。――が。 「良い。どうせ帰ればまだごまんとあるのだ。『許してやろう』」 独り言のように、ぽつりと。呟き、砂の鼠らの行方を目で追う。

2013-12-21 17:12:07
紺青ものえ @almiyy

三つの弾丸は逸れ、黒子の人形を飲み込むように硝子へと変質させ、遠くを透かすのを確認し、そばの細い指が表面を撫でているのに気がつき、ゆっくりと笑む。それは僅かな喜悦。 ごお、と許容の手前、秩序の周辺、浮かぶのは砂。 「……ふん」 感情はゆっくりと、波を引いて。

2013-12-21 23:19:11
紺青ものえ @almiyy

銃口を下へ向け足元を穿ち、背後の海と砂浜と同様に足元を変質させる。それと同時に続く侵蝕は加速して。宙を浮く砂粒はこちらへと。当たる砂粒に二色を細め、口元を歪めて。 銃を振って重みを確かめて、再び構え、此方へ駆ける砂の鼠を視界に収める。 「随分愛らしいな」

2013-12-21 23:19:15
紺青ものえ @almiyy

銃口を向け、一つ二つ三つを撃ち、変質させる。 「ん、」 足に痛み。鼠は素足に齧り付き、食い破る。同じ足にもう一匹が加わる。数拍動きを止め、その様を見遣り――自分の足ごと撃ち硝子へ。 足を齧られ撃ち抜いた程度の痛みに笑い、銃口を正面、二つの傲慢へと向け、それぞれに六発を撃ち込み。

2013-12-21 23:19:24
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

靴を食い破らんとする鼠を忌まわしげに蹴り散らす、背後、また響いた音は三、こちらへ迫る気配はない。振り向かず、しかし三度目響く音、数は重なった十二。首筋をちりと焦がす感覚、振り返り切る前に飛来した六つ、うち三つが撃ち抜く衝撃と共に襲う、軽く澄んだ音が右の背、左脇腹と腿を凝らせる。

2013-12-22 01:12:42
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

残る三つは頬と肩と右脚とを掠めるに留まって。 痛みにくふと咳き込む、背を凝らせた硝子の弾は、内臓をも凝らせ。 息が詰まる叫び辛さを押し殺さんとしながら、睨み付けるそれは虚勢交じり、けれど傲慢に、しかし幾らか勢いを無くした声で。 「…『邪魔を、』『するな』!!」

2013-12-22 01:12:59
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

振り向き様砂を蹴り上げ、 「『向かえ』『奔れ』『駆けろ』『刺せ』『穿て』『潰せ』『貫け』『抉れ』『削れ』!!」 重ね重ね、重ねて命じる。

2013-12-22 01:13:08
エメロード @actKrwz

「ふふ、愛らしかろう?」 呟きに応える声は艶やかと。此方へ奔る六つの弾、それをどう阻もうかと一考して。 「砂よ、形は丑。迫る弾をその身を以て護れ。わらわが『許す』」 宙に浮くようにして現れた牛はその身を挺して、四つの弾丸を受け止め、硝子へと変じ地へと落ちる。其れは、割れる事無く。

2013-12-22 01:40:30
エメロード @actKrwz

「砂よ、形は寅。数は弐、秩序と喜悦を噛み千切ろうか。――『許す』」 くつり、喉を鳴らし。言霊を唱える傍ら、硝子へと変じた砂の牛を通り越し抜けた弾丸二つは、その鮮やかな十二単を撃ち抜き、じわり、材質を硝子へと変えて行く。袂を貫通していった弾丸はからりと神輿の上に落ちて。

2013-12-22 01:40:52
エメロード @actKrwz

着物が硝子へと変じた瞬間、ぱちりと目を瞬かせ、――直後、きゃらきゃらと小さく笑い声をあげる。 「ふふ、ふふふふ、ふふふふふふ! ああ、綺麗、綺麗よのう……!」 もう一つは手元の鉄扇へ。鉄扇に当たり、伽羅と鳴り弾けるような音と共に、硝子へと変じて行く。

2013-12-22 01:41:00
エメロード @actKrwz

鉄扇の其れを見て、ゆるりと撫で、うっそりと微笑み。まるで、それが何か大切な宝物であるかのように、腕に抱いた。

2013-12-22 01:41:05
紺青ものえ @almiyy

着弾し侵蝕は背と足と脇腹を透かし、こちらを向く。叫ぶ声に口許のみを緩ませ、向かう砂、目もとのみを片腕で庇い、 「砂ばかりではな」 頬を裂く石の粒と僅かに痛みを覚えた片眼を閉じて、その場から動くことはせず、視線は許容へと。撃った弾丸は浮く砂の牛に防がれ、侵蝕。

2013-12-22 04:05:07
紺青ものえ @almiyy

響く艶やかな言葉とともに現れたのは砂の虎。向かってくる巨体に、銃口を向けて不規則に三発、調整し加速を追加してさらに二発を撃ち込む。 「次に期待したいところだ」 それは囁くような硝子の言葉。 銃を下へ降ってさらに調整し、厚い雲の垂れ込める空へと向けて。

2013-12-22 04:05:16
紺青ものえ @almiyy

「一であるなら示して見せろ、秩序の」 銃声は硝子を砕くように響く。反して腕は不穏に軋んで。 「広闊な許しに感謝しよう、許容の」 透けた弾丸は高く高く、暗い色を帯びた雲へ吸い込まれ。

2013-12-22 04:05:19
紺青ものえ @almiyy

「しかし、もう此処は飽きてしまった」 言葉の続きは言わず、にっこりと笑んだ。 遥か真上、響く甲高い音。 遠く高く軋む音。 柔らかな雲が音を立てて硬質に透け、割れ、砕け、散って、重力のままぽっかりと青い空を覗かせ、大きな破片として、二つの傲慢へ落とした。

2013-12-22 04:05:29
筋トレがんばりたい深海 @_dsea

砂へ命じたのち駆けだそうとして、背後の声に間に合わず。後方迫る砂の虎、そのあぎとに捉われる。痛みに喘ぐ声を殺すも、食らいつかれた胴は罅の入る音を高く肉の裂ける音を鈍く響かせ。 だらと力無く垂れた三肢、覆い尽すよう降りそそぐ、硝子の破片の群れに最早為す術は無く。

2013-12-22 10:52:41
エメロード @actKrwz

ほう、と艶やかな息一つ。降る硝子にそ、と目を細め。 「――なれば、わらわは」 硝子と化した鉄扇を脇に置き唱えるは言霊。 「砂よ、形は龍。」 硝子と化した袂を割らぬように、指先をついと動かし。 「空を覆い尽くす巨なる龍と成りて」 降る硝子は担ぐ人形を、神輿そのものを、硝子へと変え。

2013-12-22 19:04:16
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