夕立、見たいテレビがあるのはわかるけど、お風呂から上がったらまず髪を乾かさないと……あっ、こら! 逃げないでよ!
2013-12-22 22:28:10夕立、どこへいったのかと思ったら、まさか扶桑と山城の部屋に来てたなんて。髪も乾いてる? ……そう、扶桑に乾かしてもらったんだ。ごめん、ありがとう、扶桑
2013-12-22 23:14:42扶桑と山城の部屋の布団はいつもピッタリくっついていて、部屋の中央に敷かれてる。まるで2人だけの世界を形作った聖域みたいだ。誰かが入り込める余地なんか、ない……よね
2013-12-22 23:25:17山城「時雨、おいで」 何かと思って側に寄ってみたら、膝に乗せられ、髪を弄くられた。 山城「お風呂あがりはあの犬耳みたいなのも大人しくなるのね」 そんなことを言いながら、僕の頭を撫で回す。そんなにしないでおくれよ。何だか、本当に犬になったみたいな気分になるじゃないか
2013-12-22 23:37:57これは、シャンプーの香りだろうか。山城から、いい香りがする。何かの花の香りみたいな……とっても優しい、甘い香り。ああ、何でだろう。顔が熱い……
2013-12-22 23:50:34夕立「時雨、顔が赤いっぽい? 大丈夫?」 わっ、ビックリした……夕立が僕の顔を覗き込むように見ている。 「だ、大丈夫だよ。ほら、もうこんな時間だし、早く部屋に戻ろう」 そう、早く部屋に戻ろう。山城に、今の顔は見られたくないから……
2013-12-22 23:57:32深夜…
鈴谷「あれ、時雨じゃん。ちぃーっす」 鈴谷が食堂でひとり、お茶を飲んでいた。 「こんな時間にどうしたの?」 鈴谷「それは時雨も同じっしょ。ちょっとまだ眠たくなくてさ」 机の上に空になったお菓子の袋が置かれている。どうやら、少し前からここに居たみたいだ。
2013-12-23 01:19:04「ここ、寒くない?」 暖房も入れられてないし、鈴谷も上着を羽織っている。わざわざここに居ないで、部屋でゆっくりすればいいのに。 鈴谷「部屋は……ちょっと、ね」 鈴谷は熊野と相部屋だったっけ。熊野はもう寝てしまったんだろうか。だから気を使ってここに居るのかな。
2013-12-23 01:21:10「鈴谷は優しいね」 鈴谷にそう言うと、ほんのり顔が紅くなった。 鈴谷「別に、そんなんじゃないし……」 ふふ、何だかいいものを見れた気がするよ。こんな時間にも、たまには起きてみるものだね
2013-12-23 01:22:41鈴谷「時雨は?」 「僕も何だか寝付けなくて。あ、お茶、貰ってもいいかな?」 鈴谷からお茶を貰い、一口飲む。温かいお茶は僕を身体の芯から温めてくれるような気がした。これでゆっくり眠れそう。 鈴谷「ねぇ……」 「なんだい?」
2013-12-23 01:32:15鈴谷「あー……ごめん、やっぱり何でもない」 鈴谷が視線を外し、殆ど空になったお茶を啜る。 「そう? 僕で良かったら、何でも言ってよ」 鈴谷「うん、今は大丈夫。ありがと。おやすみ」 そう言うと鈴谷は湯のみを片付けて、部屋に戻っていった。何か悩みでもあるのかな……?
2013-12-23 01:38:45「あら?」 また誰か食堂に来た。夜の食堂は意外と賑やかな場所なのかも。 熊野「時雨じゃない。あんまり遅くまで起きてるとお肌によくありませんわ」 「うん、ちょっと喉が乾いちゃって。僕はそろそろ部屋に戻るよ」 熊野「そう……ねぇ、時雨。鈴谷見なかったかしら?」
2013-12-23 01:50:11「鈴谷なら、さっき部屋に戻っていったよ……?」 熊野「そうなの? 全く、気づいたらベッドにいないんですもの、びっくりしますわ……」 うーん、よくわからないけど、鈴谷がここに暫く居たことは言わない方がいい感じかな? 熊野「わたくしも部屋に戻りますわ。時雨も早く寝なさいね」
2013-12-23 01:56:39「うん、おやすみ」 そういえば、熊野の着てる羽織もの、鈴谷のとお揃いだったな。いいな、お揃い。僕も髪飾りがお揃いだけど、もっと……ああ、いけない。これ以上欲張っちゃ罰が当たるよね、うん。さぁ、もうこんな時間だ。早く戻って寝なきゃ
2013-12-23 02:04:28次の日の昼…
「ここ、いいかな?」 食堂で向かい合わせに座る鈴谷と熊野の隣に移動する。やっぱり夜中のことが気になっちゃって。2人は既に昼食を済ませて談笑していた。 「ねぇ、あの後大丈夫だった?」 ……聞いた途端、鈴谷の顔が真っ赤になり、机に突っ伏した。あれ、聞いちゃ不味かったかな……?
2013-12-23 12:38:01「……」 「ど、どうしたの? 鈴谷……」 困惑する僕に、熊野がそっと耳打ちした。 「……ヘタレ、というやつですわ」 ほ、本当に何があったんだろう……?
2013-12-23 12:39:13「わたくしだって、恥ずかしいんですのよ……?」 そう言うと熊野は視線を逸らした。顔もほんのり赤くなってる。あれ、何だろう、この雰囲気。 「……いや、ね、熊野の、そういうところ、反則だって……」 僕はまだ、ここにいても大丈夫なのかな?
2013-12-23 12:47:40「ちょっとお手洗いに失礼しますわ」 熊野が席を立った。そうだ、この間に鈴谷に聞いてみよう。 「ねぇ、鈴谷は熊野に恥ずかしいことをさせたの?」 鈴谷が盛大に吹き出した。それを見て僕もハッとなる。これじゃあまるで2人が変なことをしてるように聞こえるじゃないか……失敗した。
2013-12-23 13:29:52何でもないって言ってるし、聞かなかったことにしよう。 「時雨……もし自分の好きな人が、突然ベッドの中に潜り込んできたらさ、そのまま寝れる?」 「え?」 山城がもし僕の布団に潜り込んできたら……うわ、そんなのとても平静じゃいられないよ……って、何で僕は山城で想像してるんだ!?
2013-12-23 13:33:03