「リアリズムと防衛を学ぶ」の暁先生(@zyesuta)による経済の相互依存と国家間戦争の古くて新しい話

まとめました。
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@akatuki_a
貿易が世界を平和にする、これほど相互依存が進んだ世界にあって戦争は割にあわない、合理的に考えて大損する戦争になどもはや行われるわけがない、といった議論は古くて新しい話です。
@akatuki_a
ベンサムによれば、諸国民の間では、本来利益は対立していない。世論に基づいて、公開外交を進め、植民地を放棄し、軍隊を縮小し、軍事同盟を排していけば、戦争は回避できる。国際平和にとって大切なのは、自由貿易の推進である(『普遍的永久的平和のための一計画』1789)
Terra生まれの12さん @DaichiNotGaea
この種の「~わけがない」は歴史のテストに落第済みですなw RT @zyesuta 貿易が世界を平和にする、これほど相互依存が進んだ世界にあって戦争は割にあわない、合理的に考えて大損する戦争になどもはや行われるわけがない、といった議論は古くて新しい話です。
Terra生まれの12さん @DaichiNotGaea
合理的に考えて~って常識的に考えて~みたいだなと。
@akatuki_a
カントによれば、国民の代議制(君主制か否かに関係なく)をとり、秘密外交を排し、常備軍を漸次廃止し(民兵制へ)、植民地を放棄することが、永久平和への第一歩である。永久平和が、あたかも可能であるかのように、行動することが大切である(『永久平和のために』1795)
@akatuki_a
日本では東洋のルソーと呼ばれた中江兆民の『三酔人経綸問答』において登場する「洋学紳士」君が、理念と民主制度による平和を説いている。
@akatuki_a
洋学紳士君の曰く「民主平等の制を建立し、人々の身を人々に還へし、城堡をたいらげ兵備を撤して他国に対して殺人犯の意有ること無きを示す」こと、つまり民主的で非武装がいいんだ、という説です。戦後日本の平和主義者の言説に通じるものがあります。では、もし侵略を受けたときはどうするのか。
@akatuki_a
洋学紳士君が言うには、他国が攻めてきたら「僕の願ふ所は、我衆一兵を持せず、一弾を帯びず…因て弾を受けて死せんのみ」で、非武装の理念に殉じて国民みんな死ぬのが良いという。首尾一貫、立派なものです。
@akatuki_a
また洋学紳士君がいうには、民主の制度を広めていけば、侵略を受けたらどうする、という懸念がそもそも不要になるといいます。「民主の制度は、兵をおさめ、和を敦くして、地球上万国を合して一家族と為らしむる」で、素朴な民主的平和論です。
@akatuki_a
@daichi_at_KCL 歴史から学べることは、人類が歴史に学ばないということですね。
@akatuki_a
また第一次世界大戦前にはノーマン・エンジェルという人の「大いなる幻想」が有名です。彼はのちに相互依存論の発展にともなって再発見される、先覚者でした。
@akatuki_a
ノーマン・エンジェルはイギリスに生まれ、渡米して文筆で名を為します。英国に帰ってからは労働党から下院議員にも当選しました。彼はヨーロッパで戦争が起こることはあり得ないと考えていました。
@akatuki_a
産業革命の普及により、経済の相互依存が高まった現在(1909年)、戦争はヨーロッパのどの国にとっても不合理で、許容不可能になった、とします。
@akatuki_a
「経済の相互依存がこれほど高まった状態で、諸国が戦争することなど考えられない」のであって今どき戦争を心配するのは大いなる幻想に過ぎずと喝破しました。実際、台風の目たるドイツ経済は4割が国際貿易に依存し、かつ最大の貿易相手はイギリスでした。
@akatuki_a
しかしその後の経済はご存じの通りです。戦後、大戦によってボロボロになった欧州をみて、エンジェルはそらみたことか経済も社会もメタメタになったではないかと、これまた緻密な分析を展開するのですが、とはいえ大戦は起こったわけです。
@akatuki_a
他には、戦争は企業が市場を求めるために起こるのであって、資本主義を廃止して共産主義にすれば戦争は起きない、とする考えもありました。が、ソビエトも中国も平和的であったとはおよそ聞かない話です。
@akatuki_a
とまれ、経済、理念、民主政治、市民社会ら、さまざまな要因をもってして「もはや戦争は時代遅れになった」あるいはそのようにすることが可能である、したがって戦争に備える必要などないのだ、むしろ戦争に備える姿勢こそが戦争を生み出しているのだ、といった各種批判は古今不滅です。
@akatuki_a
リアリズムの議論は、その類のユートピアニズムからの批判を絶えず浴び続けてきました。それどころかリアリズムの曙光にあたるE.H.カー「危機の二十年」がユートピアニズム批判をしていように、リアリズム発祥の動機からして反・ユートピアニズムなのだということもできようかと思います。
Terra生まれの12さん @DaichiNotGaea
だって階級闘争史観なんだもんw  RT @zyesuta が、ソビエトも中国も平和的であったとはおよそ聞かない話です。
@akatuki_a
リアリズムの側からするとユートピアンの期待は的外れであり、その種の善意や楽観性こそがかえって危険なものだという風に解釈されます。
@akatuki_a
例えば非武装については「地球上の一、二の国民を力への欲求から解放しても、他の国民のそれがそのままならば、それは無益かつ自己破壊的でさえある。力への欲求から逃れた人は他の人の力の犠牲になるだけである」(モーゲンソー)と考えます。狼の檻の中で一人だけ牙を手放せば餌食になるのみです。
@akatuki_a
リアリストは人の善性についても皮肉な見方をします。
@akatuki_a
「ロベスピエールは、その動機から判断すれば、史上最も有徳な人物のひとりであった。しかし、彼が自分自身よりも徳において劣った人びとを殺し、みずから処刑され…革命を滅ぼすに至ったのはほかでもない、まさにあの有徳のユートピア的急進主義のせいであった」というようにです。
Terra生まれの12さん @DaichiNotGaea
第一次大戦のあまりの犠牲に戦争は無益だという感覚が生まれ、軍縮の動きが起きたというのに四半世紀も経たぬうちにもう一つの大戦をやって殺戮と荒廃をもたらすのだから人間はつくづく救えない。
@akatuki_a
善意によって世界を急進的に良くできるという確信はかえって危険であり、「政治家が世界を改革しようという欲求に動機づけられながら、結局は世界をさらに悪くしてしまうことがいかに多くあったことか」という見方をします。
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