大罪戦闘企画

第三十公演《Die Kinder in einer Kiste》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

少年が、屋敷の廊下を歩いている。 其の手に一つ、ぬいぐるみ。 少年は歩いている。 其の屋敷のとある部屋だけ、ドアが違う。 綺麗な綺麗な鋼鉄の、綺麗な綺麗なドアである。 七つ動物描かれた、綺麗な綺麗なドアである。 ドアは開く。手をかけずとも、独りでに。 其の部屋に在るものは——

2013-12-25 19:07:53
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

ふふふふふふふふっ! ——捨てる 楽しいなあ!楽しいなあ! 何もかもが楽しくって仕方がないなあ! ——消える あははははっ! ——其処に 次はどんな演目かなあ! 演者はもう居るんだし、早く始まらないかなあ! ——遺る あははははははははははははっ!

2013-12-25 19:08:11
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第三十公演》 【嫉妬】レゾン (@hakujo_) vs 【怠惰】Ваня&Тася (@battle_atom)

2013-12-25 20:51:30
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……12月25日21:00より……第二九公演、第三十公演、第三一公演、第三二公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-12-25 20:52:01
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

あっははははははははははははっ! さあ時間だよ! もうそろそろ何も言わなくたって理解出来るよね? 屑みたいな頭でもさ! それじゃあ楽しみにしているからね! 頑張って演じてよ馬鹿な駒! あははははははははははははっ!

2013-12-25 21:01:16
紺青ものえ @almiyy

踏み入れた先、まずブランコや滑り台、その奥にはジャングルジムにシーソーが目に付いた。遊具があるだけなのに、やけに広い其処は誰も居らず、余計に広さを感じ、踏み入れた幼子、オリア・レゾンは、ゆらりとその歩を進めた。 少し荒い砂を黒い靴で踏み、髪先が砂に僅かに跡をつける。

2013-12-25 21:31:34
紺青ものえ @almiyy

此処が、『扉』の先。 溢れんばかりの水を湛え潤んだ深海のような眸はぐるりとその場所を見渡し、ブランコへ向かう。座面を軽く払って、腰掛ける。黒い服の裾を軽く払って、吐息。 (誰が、来るのだろう) 悲しみを瞼の下へ伏せて、来るであろう『罪』を持つ誰かを待った。

2013-12-25 21:31:41
華夏の勇者 @battle_atom

――探さなきゃ。探さなきゃ。 少女を抱え、少年は扉の先を、その暗闇の中を、ひたすら走る。 探し人達は、きっとこの扉の先に居るだろうと、少年は【きぼう】していた。 走って走って。 不安そうに少年を見上げる少女に、少年は「大丈夫、見つかるよ」と、甘い甘い、まるで蜂蜜の様な声をかけた。

2013-12-25 22:12:18
華夏の勇者 @battle_atom

辺りはどんどんと明るくなり、やがて視界が開けてくる。 少女を強く抱きしめたまま臨んだその【舞台】は、様々な遊具が散らばる、奇妙な空間だった。 ブランコに、滑り台。それ以外にも様々な形の遊具らしきものが点々としていたが、少年たちにはその名前まではわからない。

2013-12-25 22:12:35
華夏の勇者 @battle_atom

ただ、ブランコに誰か、腰掛けている様だった。 自分達よりも少し小さい、人影。 何となく感じるその気配は、自分たちと同じ【大罪】だろうか。 少年は少女を守るように警戒をしながら、少しずつその人影へと近づいていった。

2013-12-25 22:12:55
紺青ものえ @almiyy

気配はゆっくりと『此処』へ入ってきた。 一瞬、埋没した思考をゆっくりと浮上させて、瞼を開け、ゆっくりと顔を上げた。映ったの二つの影。ここに来るものは『罪』のあるものだ。 待ち遠しかったわけではなかったから、ああ、来てしまったと悲観して、その表情のままブランコをキィ…と揺らした。

2013-12-25 22:26:45
紺青ものえ @almiyy

「はじめまして」 泣きそうな声はゆらりと波紋を残すように。 二つの姿を認めた眸は涙を流す一歩手前のように。

2013-12-25 22:26:49
華夏の勇者 @battle_atom

「「はじめまして」」 小さな人影の挨拶に、少年も同じそれを返す。彼に抱きかかえられた少女も。 少し声色を変えただけの二人の声は、こうして重ねてしまえば殆ど同じ声の様に聞こえた。 和音の様な挨拶を終えた二人は、しげしげとその小さな人影を目に映す。

2013-12-25 23:14:49
華夏の勇者 @battle_atom

声をかけてきたその人物は、酷く悲しそうな顔をしているように、少女達には見えた。 「ねぇ、私達は探し物をしに此処を通ったのだけれど、あなたはなんたってそんなに悲しい顔をしているの?」 抱きかかえられたままの体制で、少女はその鈴のような声を上げた。

2013-12-25 23:15:12
紺青ものえ @almiyy

二人分の眸に見つめられて、悲しい表情を僅かに俯かせる。青にも黒にも見える眸が拠り所無く揺れて、 「あんまり見られると……恥ずかしいな」 キィ、とブランコが鳴る。 「僕はオリア。『嫉妬』のオリア・レゾン。宜しくね」 探し物をしていると言う二人に一度だけ頷き、 「悲しいから、かな」

2013-12-26 05:38:28
紺青ものえ @almiyy

「うん、悲しいから。扉をくぐることも、此処に座っていることも、君たちに会ってしまう事も、自分が存在していることも悲しくて」 紡ぐ間にも溢れそうな眸が、ぱちりと瞬く。 「……罪科故の感情だから気にさわったらごめんね」 言葉はやはり悲しげに、ゆらゆらと水面のように揺れた。

2013-12-26 05:50:06
華夏の勇者 @battle_atom

「【嫉妬】、【罪科】…やっぱり、君は【大罪】なんだね」 少しだけ、少女を抱きしめる力を強めて、諦めたような声色で少年が呟く。 別の【大罪】に会ってしまったなら、これ以上「探し物」をするのは難しいだろうという考えからだった。

2013-12-26 14:16:12
華夏の勇者 @battle_atom

「こんにちは、オリア。僕の名前はイワン。この子は、妹のアナスタシア。…【怠惰】する者さ。」 少女を抱えたまま、恭しく一礼をする。 昔居た屋敷で散々仕込まれてきたせいか、少年の動きは少女を抱きかかえたままであってもやけに様になっていた。

2013-12-26 14:16:44
華夏の勇者 @battle_atom

「ジロジロ見てしまったのは謝るよ。…さっきアナスタシアが言った様に、僕達はちょっと探し物をしててね、君は、此処で僕達の他に誰か見かけなかったかい?」

2013-12-26 14:17:09
紺青ものえ @almiyy

「『扉』をくぐった先で遭うのはいつだって大罪さ、悲しいことだけど、そうなってる今は仕方ないのだろうね……本当、悲しいこと」 黒い服の胸元にある灰色のリボンを指でさわりながら、一礼を悲しげに見つめ、足を組んだ。 「探し物……残念だけど、此処には君たちと僕以外は訪れていないようだ」

2013-12-26 16:15:17
紺青ものえ @almiyy

視線はゆっくりと公園を見回して、戻る。 「『扉』の中へ探しに来たのなら、その『誰か』も扉の中なのだろうね。扉は閉まって開いて、入った人は帰ってくるのか来ないのかも解らないから、僕にはさっぱりだ」 肩を竦めて、力にはなれないと示して。

2013-12-26 16:15:21
紺青ものえ @almiyy

(――特別な『扉』は『特別な存在』を食べてしまうのかもしれない。だから、帰ってこないのなら、きっと、きっともう、)(いないのでは?) 『悲観』が言葉にしない無音の心を紡く度に、悲しみは湧いて。 「みつかるといいね」 此処に来た『特別』な彼らに言葉をかける。

2013-12-26 16:15:31
華夏の勇者 @battle_atom

「…そう、か。ごめんね、ありがとう。」 どうやら、この舞台をどれだけ探しても探し人は見つからないようだ。 少年は小さく溜息をつく。 まさか、此処への扉をくぐる前、あの【正義】だとかいう奴が言ってた事は本当なのか。 そんな可能性が小さく頭をよぎったが、出来るだけ考えたくない。

2013-12-26 16:38:43
華夏の勇者 @battle_atom

それは、少女を悲しませてしまうだろう可能性で、少年としては一番良しとしない可能性。 そんな可能性を頭の中からもみ消して、少年は目の前の嫉妬に話しかけた。 「君は、どうしてここに?」

2013-12-26 16:39:13
紺青ものえ @almiyy

「来た理由?」 ポツリと零して、零れそうな水を湛える眸を向けた。 僕みたいなのと出遭わせてしまって申し訳ないと思っているんだとでも言いたげな悲しくて悲しくてたまらないそれを向けて、キィ…とブランコを揺らす。 「呼ばれたからさ、この最低で、屈辱的に愉快で悲痛な遊びに」

2013-12-26 17:04:26
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