大罪戦闘企画

第三二公演《紗幕と香》
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エメロード @actKrwz

言葉は無邪気に。軽く両手を打って、笑みを浮かべる。 「ぼく、痛いのは嫌いだからね。だから、これもただ、結び付けるだけのもの。……耳を塞がれてしまえば、どうしようも無いんだけどね」 あと、ぼくのくちびるも、ね。――見目にそぐわない、どこか大人びた表情を浮かべて小さく囁く。

2013-12-28 19:50:10
エメロード @actKrwz

そうしてから、相手の手首に結び付いたリボンをしゅる、と解く。解かれたリボンはまるで、花が散るようにふわりと、消えて。 少年は一度顔を伏せる。――そして、再びそちらを見た時の表情はまるで、悪戯に成功した子供のようなそれで。

2013-12-28 19:50:16
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

手首に絡んで、解かれ、消えて行くそれを、ちらと見やり。 「……特にないわね。私は概念そのものだから、あるだけで罪。それだけ」 『茫漠』と、そう傲慢に呼ばれた力があるにせよ、それ故に罪になったわけでもない。この相手にそれを見せるのも無意味だろうと、何となく思って、素っ気なく返した。

2013-12-28 22:36:09
エメロード @actKrwz

「ふうん。『色欲』という、概念? 面白いねぇ」 じい、と双眸を見つめる。――不意に視線を逸らし、軽い動作でソファから跳ねおりて。 「面白いけど、僕の楽しみはなかったみたい」 あなたは、僕に堕ちてくれなさそうだ。そう付け足して、振り返りながら、微笑む。

2013-12-28 22:45:10
エメロード @actKrwz

「このまま帰る? それとも――『僕の紅を、あなたは見たいかな?』」 たん、たん、たんと三歩進んで。また、振り返る。 先の子供らしい笑みとは違う、深い憂いを帯びた微笑。

2013-12-28 22:45:17
エメロード @actKrwz

言葉につられ、リボンは空を躍る。それは宙で結ばれ、結ぶ意志はないと言いたげに、ぱっと散った。

2013-12-28 22:46:30
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

「色欲が色欲に靡いたところで、何も変わらないでしょう?」 色欲にされたのではない。なろうとしたのでもない。『成ったものではない色欲』にとって、同族はただの一部であって例外だ。罪である事に、何かを求める事もない。 「——『戯(あそ)ぶ』くらいなら良いけれどね」 一つだけ、嘯いて。

2013-12-28 22:51:10
エメロード @actKrwz

「ふふ、そうだね。何も、変わらない。変わることが無いものね」 躍るリボンを片手で弄びながら、『色欲』は『色欲』に微笑みを向ける。 「あなたは僕と、どんな風に『戯んでくれるのかな』」 言葉は紡ぎ織られ、形となって。

2013-12-28 22:56:40
エメロード @actKrwz

「――『僕と、楽しい事をしてくれる?』」 近付き、手を差し出す。少年の笑みは艶やかと、誘いは悪魔のような。

2013-12-28 22:56:49
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

肯定の言葉、リボンが舞う。舞わせているのは色欲の言葉。分かっても、何をするでも無く。 ただ、白いソファの肘掛けに頬杖をついて、背を崩し。 「テーブルを囲んでカード、なんて、真逆そんな事は思わないでしょう? 私達は『色欲(いろのつみ)』なんだから」 手を払う事はせず、目を細めて。

2013-12-28 23:29:18
エメロード @actKrwz

「『どちらに、堕ちるか』」 ああでも、と吐息のような声が零れる。 「『どちらに、堕ちても、同じかな?』」 言葉は織り紡がれ、艶やかと音を成し、その褐色の肌をより引き立たせる白が纏わりつこうとして。 「『ねえ、遊ぼうか。――どこまでも、堕ち往くように』」

2013-12-28 23:59:44
エメロード @actKrwz

ソファに上がりながら、払われないのを良い事に、褐色の肌へ手を滑らす。 吐息、ふうわりと揺れる白金から花の香。囁く声には、色を滲ませ。 ――まるで、光景を覆い隠すように、薄桃の紗幕が垂れ下がり。

2013-12-28 23:59:50
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

するりと、肌を這う感触にくすとわらう。距離を詰めた少年を押しのける事は無く、肌に触れる掌も滑る指先も、拒否する事は無く。 慣れた感覚ではある——だが相手が『色欲』なら、それはどれほどのものか。らしくない期待の心地が背にのぼり。 手を伸ばす。少年の頬に触れる。麝香がくゆる。

2013-12-29 00:23:04
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

首に触れたそこから、僅かに『茫漠』を、熱と浮き立つ心地を齎すそれを。 「どちらに堕ちても、同じ」 唇にはまだ笑みを浮かべたまま、くちづける事は無く。 「——どれだけ堕ちようと、同じ」

2013-12-29 00:23:04
エメロード @actKrwz

「――『どこまでも、どれだけも、』」 そのまま、顔を寄せ、緑の双眸と、見つめ合い――。

2013-12-29 01:08:42
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《以上をもちまして……第三二公演は終演致しました…… どなた様もお忘れ物のございませんよう……いま一度、お手回り品をお確かめ下さいませ…… 本日はご来場頂き……まことに有難うございました…》

2013-12-29 01:10:49
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

あははははっ!あはははははっ! 公演終了お疲れ様! ——笑えや笑え あはははははっ!あはははははっ! まあどんな結末でもいいよ! 今回だけは許してあげる! ——永遠に繰り返す あはははははっ!あはははははははっ! ——哀れな喜劇を あははははははははははははははっ!

2013-12-29 01:11:28