大罪戦闘企画

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

少年が、屋敷の廊下を歩いている。 其の手に一つ、ぬいぐるみ。 少年は歩いている。 其の屋敷のとある部屋だけ、ドアが違う。 綺麗な綺麗な鋼鉄の、綺麗な綺麗なドアである。 七つ動物描かれた、綺麗な綺麗なドアである。 ドアは開く。手をかけずとも、独りでに。 其の部屋に在るものは——

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

ふふふふふふふふっ！ ——捨てる 楽しいなあ！楽しいなあ！ 何もかもが楽しくって仕方がないなあ！ ——消える あははははっ！ ——其処に 次はどんな演目かなあ！ 演者はもう居るんだし、早く始まらないかなあ！ ——遺る あははははははははははははっ！

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介：第三二公演》 【色欲】ラフスー (@Yukimi_7ds) vs 【色欲】ルフリア (@krwz_7ds)

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……12月25日21:00より……第二九公演、第三十公演、第三一公演、第三二公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

あっははははははははははははっ！ さあ時間だよ！ もうそろそろ何も言わなくたって理解出来るよね？ 屑みたいな頭でもさ！ それじゃあ楽しみにしているからね！ 頑張って演じてよ馬鹿な駒！ あははははははははははははっ！

エメロード @actKrwz

抜けた先、目に入ったのは薄桃の紗幕が垂れ下がる、白い空間。――というより、広間だろうか。どこからか甘い香りの漂うそこで、こつりこつりと足音を鳴らしながら、辺りを見回す。 「誰か、いないのかな？」 紗幕を捲り、きょろきょろりと辺りを見回す仕草は、あどけない。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

淡く煙る視界に目を瞬く。風もないのに緩やかに揺れるのは、一つひとつはごくごく薄い紗幕。 「……どこかしら」 暖かみがないわけでも、冷たさがないわけでもない。覚えはないけれど嫌な心地でもないと、紗幕の切れ目を指で手繰り、捲って進む。最中に幕の向こうに小さな影を見つけて、首を傾けた。

エメロード @actKrwz

「！」 紗幕の向こう、動いた影にぱたぱたと足音を立てながら、にこにこと満面の笑みを浮かべて近寄る。 「えっと……こんにちは、うん、こんにちは！」 見目のまま、年相応な表情で、紗幕の向こう、その陰に近寄り、声を掛けた。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

声が聞こえて、あら、と零す。小さい影が濃くなって、そして少年の声。 「ええ、こんにちは。初めましてかしら？」 膜に指を滑らせる。横幅が長いのか、切れ目を探すのに難儀する。そうしながらも声を向け。

エメロード @actKrwz

「うん、初めまして、だね！」 くすりと笑い、紗幕の切れ目を探すような動作を眺めながら、こつりと靴音を鳴らして。 「ぼくは、ルフリア。おねえさんは、何てお名前？」 立ち止まり、紗幕の隙間をそっと摘まんで、そちら側を覗きこむ。 「わあ、きれいだね！　おねえさんっ」 無邪気な、笑顔。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

あら、と二度。顔をのぞかせたそれを認めて、ふわりと笑んだ。 「ありがとう、ルフリア。ラフスーよ」 賛美が嬉しくない女はいないだろう。無邪気か、あるいはよくよく心得ているのか。どちらにせよ、その言葉は受け取っておく。そうしてからくるりと、周囲を見渡し。他には誰もいないようだと。

エメロード @actKrwz

「ラフスー……ラフスーおねえさんだね！」 えっと、と呟いてから、きょろりと辺りを見回す。 「ここ、どこだかわかるかな、ラフスーおねえさん」 ぱちりとまばたきをし、真っ青な目に困惑の色を宿す。

エメロード @actKrwz

――少し、わざとらしいかな。 相手に警戒されてしまうのは意図するところではないのだけれど、そう取られてしまったらどうしようもない。……まあ、でも、その時はその時だろう。内心の思いを表に出すことなく、ただ、目の前の人を見上げて。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

「さあ、私には、分からないけれど」 くるりともう一度、あたりを見やって。 まるで迷路だわと呟いて、紗の垂れる隙間を道に見立てて脚を向ける。ついてくるかどうかは、気にしない。ずっと立ってばかりだと疲れるから、どこか座れる場所でもあれば良いと思いながら。

エメロード @actKrwz

ぱちりぱちりとまばたきを繰り返し、その背を追い掛ける。 薄いヴェールがひらひらと、隙間を潜る度、靡いて。 「あ！　あれ、なんだろう……？」 せわしなく辺りを見回しながら、視線の先にあったのは、何枚もの紗幕が遮る中心。ひとつだけぽつりとおかれた、白い、横長の何か。

エメロード @actKrwz

ぱあ、と表情を明るくして、少しだけ駆け足でそれへと近寄る。 紗幕を捲りながら、それに近付いて、ぽふりと触れる。 「おねえさん！　ソファがあったよー！」 一体何の為に設えられたのかは知らないが、あるなら使うに越した事はない。ぶんぶんと手を振りながら、楽しげに声を上げた。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

紗幕を翻して声を上げたそれには眼を瞬いた。本当にあるとは。壁が何処にあるのかも分からないが、狭い空間ではないようだ。 手を振るそこには躊躇いも無く脚を運んで、柔らかいそこに腰掛けた。隣の座面を、軽く叩いた。 「座る？」 短く、そう問いかけた。

エメロード @actKrwz

「おねえさんがいいなら！」 ぽふり、と軽い音を立てて隣に腰掛ける。 「ラフスーおねえさんは、ここに、なにかしに来たの？」 こてりと首を傾げ、隣を見上げる。 「僕は、楽しいことがあるって、聞いたからきたんだ」 ぷらぷらと足を揺らす。白金の髪からふうわりと、花の香りが漂う。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

遠慮なく落ち着いたのを見やってから、また周りへと眼を向ける。紗幕は幾重にも折り重なって、視線はそう簡単に遠くまでは通り抜けない。——まるで何かの眼を憚るような、あからさまに隠すような。 「私も、楽しい事があるかもしれないって来たのだけれど。……なんだか閑かね」

エメロード @actKrwz

「おねえさんも？　……そうだねぇ、ここはずいぶんと、しずかだね」 垂れ下がる紗幕に、跳ねた声が吸い込まれるように。 「あ、でも『ここ』にいる、ってことは、おねえさんも大罪（つみ）なのでしょう？」 きらきらと、青い眼が緑の双眸を覗きこみ、弧を描いて。 「ぼくが、あててあげよっか！」

エメロード @actKrwz

待ってね、んとね、と真剣に悩む素振りを見せながら、弾む声は楽しげに。 「怠惰……ううん、ちがうかな。嫉妬、ではなさそうだし……ううん。 　……あ、わかった！　おねえさん、色欲でしょう？」 うん、うん、だってきれいだもんね！　とっても、とっても！ そう付け足し、にこりと笑う。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

「ええ、正解。ルフリアも、かしら？」 あっさりと、罪であることも、その座も肯定する。肯定しながら問いを向け。 ゆるり、指を伸ばす。柔らかそうな髪に、指を絡めようと。ゆったりと笑みが浮かぶのはそのままに。

エメロード @actKrwz

「おねえさん、よくわかったねぇ！」 声は僅か、驚きを含んで。表情はすぐ、笑みへと変わり。 「うん、そう。ぼくも色欲！　ふふ、同じだね？」 伸ばされた指に嫌がる素振りを見せる事もなく、ただにこにこと。 「同じ罪は惹かれあうのかな、面白いね」 くすくすと、小さく笑い声を立てた。

ゆきみかなめ＠準備中 @Kaname_role

するりと。耳元に指を滑らせて、その感触を楽しむ。 「面白い、かしら。私は色欲に会うのは初めてだけれど」 同意も否定も示さないまま、そうとだけ言っておく。

エメロード @actKrwz

擽ったそうに身を捩りながら、青の双眸はただ真っ直ぐに、緑を見つめて。 「うん、とっても。――『おもしろいよ、おねえさん』」 しゅるり、と。どこからともなく現れる、少年の目と同じ色をしたリボンは、まるで縫い付けるかのように、手首へと結び付いて。 「お姉さんは、どんな事が出来るの？」