SecretLover4【R-18】

secretloverシリーズその4(・ε・) 【1】⇒http://togetter.com/li/605940 【2】⇒http://togetter.com/li/605940 【3】⇒http://togetter.com/li/607648 続きを読む
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橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

1)荒くなった呼吸はすぐに整えられず、ベッドに身体を沈めたまま必死で深呼吸を繰り返した。 ぐったりとうつ伏せになった人の髪の毛を満足げに撫でている男の表情が実に憎たらしい。 いつでもこうして乱れさせられるのは自分の方だ。 それが彼の仕事だと分かっていても悔しくて仕方ない。

2013-12-30 22:49:33
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

2)漸く整った息に、きっと睨みつけると彼はまた楽しげに笑って、私の身体を妖しい手つきで撫でた。 「…ほら、莉奈さん、まだこれじゃあ全然足りないだろ?」 「ぁ…っや、馬鹿…っ」 時計はまだ残り時間を多く残した時間を示している。 この甘い責め苦に、私は後何度屈服させられるんだろう。

2013-12-30 22:54:22
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

3)達した余韻かそれとも再び胸を優しく弄り始めた彼のせいか、すっかり期待に潤んだその場所が今か今かとその刺激を待ちわびている。 再び荒くなった息に、あがる甘い声に、彼が満足気な笑みを浮かべていた。 「…ぁ、あ、ああっ…!」 「莉奈さん…っ」 腰に、彼の昂ぶった熱が押し当てられた。

2013-12-30 22:58:09
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

4)耳に届く掠れた声が聴覚を刺激する。 二度目のそれはあっという間に私の意識をさらっていった。 「……莉奈さん、平気?」 「…平気じゃない…」 何度も人を追い詰めておいて、なんでこの男は平然としていられるんだろう。 涼しげな表情が憎たらしいのにやり返しを狙えば倍返しが待っている。

2013-12-30 23:02:05
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

5)身体はもう満足した。時間はまだたっぷり残っているがもういいだろう。 気だるい身体を持ち上げて起き上がると彼が背中を支えてくれた。 「お風呂?」 「…そう、すっきりしたし」 「ならよかった。連れて行こうか?」 「…もう満足したって言ったでしょう」 思わず眉間に皺が寄った。

2013-12-31 00:04:09
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

6)基本的にこちらの嫌がることはしないが鉄則の彼らだけど、この男については別だ。人の身体を知り尽くしているせいで隙あらば仕掛けてくる。 大体自分は一切気持ちよくなれないのに何故人ばかりを高みに登らせようとするのか、仕事だと言ってしまえばそれまでだけど、もういいと言ってもしつこい。

2013-12-31 00:06:18
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

7)伸ばされた彼の手を叩いてよろけながら一人で浴室に入る。 身体に落ちる暖かい雫が酷く気持ちよかった。 肌に彼が触れていた痕跡は残っていない。 残っているのは確実な快感を与えてもらったという気だるさとあの熱い視線だけだ。 彼を受け入れた事はないのに、その秘部はいつも満足している。

2013-12-31 00:08:54
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

8)身体を洗い流して、髪に残る雫を拭き取りながら浴室を出ると、彼がベッドの上でくつろぎながらテレビを見ていた。 「あ、おかえり莉奈さん」 「…なんで寛いでるの」 「そりゃあ、莉奈さんが俺の腕の中で眠ってくれる準備の為です」 「意味がわかんない」 思わず笑いを零すと、彼も笑った。

2013-12-31 00:10:34
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

9)まぁ確かに、時間と使ったお金を考えればもったいないか。 もう帰ろうと思ってはいたが、気が変わった。 あと1時間ぐらいなら許されるだろうか。 ベッドに戻って布団をかぶると彼の腕が身体を抱き寄せる。 その温もりに、心がほっとした。 「莉奈さん、寝る?」 「…寝ないわ」

2013-12-31 00:12:18
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

10)ただその温もりに寄りかかるだけだ、寝たりしたら一生ここから出られなくなる。瞼をしっかり開けて、彼を見つめた。 「何?」 「…大樹って、本当にホストに見えない」 「何急に。それひどくない?俺の常連なのに」 笑いながらそう口にする彼は大して傷ついているようには見えなかった。

2013-12-31 00:14:10
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

11)ホスト、一口に言ってしまえばそれまでだが彼は普通のホストと違う。 その固有名詞の前に「出張」とつくそれは店舗型のホストとはシステムもサービスもまるで違った。 私がそれを知ったのは本当に偶然からだったが、今ではすっかり常連になっている。 まさか自分が、最初はそう思っていた。

2013-12-31 00:16:20
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

12)だが初めて利用したその日、訪れたその人はまるで甘く中毒性の高い麻薬のように私をその誘惑に落としたのだ。 笑みは優しく、心も暖かく、私に触れる指先はすごく甘い。 そして決して私のナカに入ろうとはしないその頑なさにほっとした。 「莉奈さん、寝てもいいんだよ?」 「寝ないってば」

2013-12-31 00:19:11
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

13)しつこく私に眠りを勧めてくる彼に苦笑が漏れた。 こんな日に呼び出した事だって迷惑だろうに、今だって早く解放されたいだろうに、なんで彼はここまで私を甘やかそうとするんだろう。 私が欲しい温もりはもう得られてるのだ、名残おしくなるような事、しないでいいのに。

2013-12-31 00:26:44
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

14)多い時には月に2度、少なくて1回。 彼の時間を買うにはそれが限界だった。 30を目前にして、出張ホストにハマっている女など痛いにも程がある。 分かっていても、どうしても抜け出せないのは彼がもたらすこの癒しのせいだ。 その胸に頬をつけてほっと息を吐く。 心臓の音が耳に届いた。

2013-12-31 00:29:12
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

15)「…莉奈さん、今日もここ、泊まりで取ってるの?」 「…そうだけど」 「…大晦日なのに?一人で?」 「いけない?」 大晦日だからなんだ、この年になれば年越しなんて何の意味もない。 彼にあった日、私がそのままホテルに泊まるのはいつもの事だ、今更それを気にする彼がよくわからない。

2013-12-31 00:31:43
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

16)怪訝な表情を浮かべて彼を見ると今度は彼が苦笑した。 「いけなくはないけどじゃあもっと甘えてくれていいのに」 「…意味がわかんない」 ぎゅうっとその腕に強く抱きしめられて胸が勝手に音を立てた。 ダメだ、これ以上深入りしちゃ、そんな風に自分に言い聞かせ始めたのはいつからだろう。

2013-12-31 00:33:37
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

17)鼻腔をくすぐる彼の匂いを気づかれないように小さく吸い込んでその身体から離れた。 「莉奈さん?」 「…もういいわよ、今日は帰って」 「…え?」 「大晦日だし。こんな日に呼んでごめんなさい」 「莉奈さん?だってまだ時間残ってるよ」 「いいのよ、大樹だって早く帰りたいでしょう?」

2013-12-31 00:35:48
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

18)「…早く帰りたいなんて思ったこと、一回もないよ」 彼の言葉に自嘲が溢れる。 彼は、プロだ。どれだけ甘い言葉を、甘い夢を見せてくれようが、それが営業トークだとわかっている。 勘違いするような馬鹿にはならない。 何度も自分の心に言い聞かせたその文言を今一度心に言い聞かせた。

2013-12-31 00:37:39
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

19)「…莉奈さん、なんか俺に隠してない?」 「…そりゃ隠し事の一つや二つくらいあるに決まってるでしょ。何、客のプライベート詮索しない決まりじゃなかったの」 「…そうだけど、そうじゃなくてさ」 彼の眉間には珍しく皺が寄っていた。 そんな表情すらかっこいいと思うのはどうなんだろう。

2013-12-31 01:03:07
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

20)そんな険しい顔を見たことがなかったせいか、不思議で仕方なくてじっとその顔を見つめると彼が私の腕を引いてベッドに押し倒した。 「…ちょ…、何…っ」 「時間。いつもなら目一杯使うじゃん。俺に遠慮なんてしないでよ」 「ち、ちが…っ」 「莉奈さんが素直になれるようにしてあげる」

2013-12-31 01:07:23
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

21)「ちょ…っ大樹っ」 「ほら…莉奈さん、これ好きだよね?」 「んっ…ぁっ…!」 彼の指が、胸の膨らみを揉んで、その頂きを弾いた。 その瞬間身体に甘い痺れが駆け抜けてピクンと震えてしまう。 彼の様子が違うのはもうわかる。 だけど私は私を現実から遠ざけてくれるその掌に逆らえない。

2013-12-31 01:10:05
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

22)せめてもの抗議を瞳に託して睨みつけると唇を塞がれた。 咄嗟の事に引き結ぶ事もできず彼の舌の侵入を容易く許してしまう。 舌が執拗に逃げる私のそれを追いかけて絡められる度頭が痺れて身体から力が抜けていく。 どんなキスが好きか、どうされるのが好きか彼は私を知り尽くしていた。

2013-12-31 01:18:07
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

23)「…ん、ん…っ」 「莉奈…」 「んんっ…」 掠れた、その色っぽい声を耳に直接吹き込まれて、肌が熱を持っていく。 胸は未だ彼の掌に遊ばれていて、快感を煽っていて、私の呼吸が忙しない。 シーツを握り締めて必死で流されないようにと気を張ってもすぐに溶かされて、目尻に涙が浮かんだ。

2013-12-31 01:21:13
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

24)「…今更、逃がしてなんてあげないよ」 微かに聞こえた言葉は何を意味するのか、浮かされた頭で考えようとして刺激を与えてきたその指に何も考えられなくなった。 すっかり蜜で溢れているその場所を指で暴かれて蕾を押しつぶされる。 同時に耳まで口の中で嬲られて思考を保っている方が無理だ

2013-12-31 01:23:57
橘 志摩( ˙▿˙ )<ホンモノだよ! @gara_panda

25)「…っ…はぁっ…ぁ、は…っ」 彼の指の動きに引き出されるように吐き出す息が震えてる。 耳を塞ぎたくなるようなその甘い声を出せるのだと知ったのは、初めて彼の指に触れられた時だ。 ナカを刺激されてもそれほどの快感を得たことはなく、挿入されても痛いと感じる事の方が多かった。

2013-12-31 01:26:33