ディザ

レコーディング2 ディザ
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F6Ch Audacity 実務ディザ・ガイドを始めます。 ディザそのものについての詳細な解説は、ネット上に多く存在するので、Audacityでの実務操作、仕様検証を少しばかり。

2013-11-10 22:29:18
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F6Dh ディザは聴感覚上の量子化雑音を軽減するために用いられる、、というふうに解説されますが、量子化雑音とはどのようなものでしょう。

2013-11-10 22:31:11
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F6Eh 量子化雑音とは、とくにPCMデジタルオーディオで、波形を細かく見ると、それらは階段状になっていることに起因するのですが、通常のノイズと違うところは、無音のところでは量子化雑音は存在しません。 何らかの信号があり、それが階段状になっているときに始めて生じます。

2013-11-10 22:35:37
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F6Fh 階段そのものは、アンチエリアシング・フィルターにより丸められますが、そのステップがあったところのノイズは、聴覚帯域内に残ります。

2013-11-10 22:38:21
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F70h 具体的には、初期のデジタルによくみられた、高域がちょっと持ち上がったような、シャリシャリした、ざらつき感のある音とでも言いましょうか。滑らかさや、しなやかさに欠ける傾向があります。

2013-11-10 22:40:37
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F71h ディザですが、技術的には簡単で、単に微小レベルのノイズを混入するだけで、とくにディザというスイッチがない場合でも、適切な量のノイズをミックスすれば、目的は達成できます。 つまりシャリシャリでざらつく場合に、-80dB~-90dBのノイズを混入するだけ。

2013-11-10 22:43:14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F72h 混入することで、規則的に表れる階段ステップをランダマイズすることで、不思議なことに聴覚的分解能すら向上します。

2013-11-10 22:45:00
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F73h Audacityでは、編集⇒設定⇒品質、で設定まどが開きます。 ディザには選択肢があり、シェイプド、矩形、三角、、リアルタイムとファイル入出力時のそれぞれの設定がありますが、中身がどのようになっているのか、どのようなときに使用するのか疑問も多いと思います。

2013-11-10 22:49:47
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F74h また、使用目的は様々ですが、とくに24bit以上で作業を行い、それを16bitデータやMP3として出力する際には利用価値が高いと思います。 逆に差分抽出などを行うときには必ずOFFにします。

2013-11-10 23:00:49
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F75h ↓効用は、24bit以上で作業しているときには滑らかでいい感じの音だったのに、16bit出力してみたら、いやにざらついたケチなサウンドになっていた・・のような場合など。

2013-11-10 23:02:54
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F76h 逆に芯のないひ弱な音が、ディザなしで16bit出力したら、しゃんとした、なんていうこともあります。

2013-11-10 23:04:16
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F77h 抽象的な例を羅列するだけなら、戯言なので、実際の検証方法などをしながら解説を進めます。まず仕様を探るため、テスト信号を作成します デジタル無音のトラックに、-144dBから-10dBまで、なめらかに増大する信号を置きます。 http://t.co/BKRrRjIMBl

2013-11-10 23:08:32
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F78h デジタルゼロ部分はAudacityのジェネレータで、無音10秒。 Audacity の設定は、品質:32bitフロート、ディザOFF レベルスィープ信号はWaveGeneを用います。その設定は・・ http://t.co/CLUbHv2qm0

2013-11-10 23:12:56
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F79h WaveGeneのセッティングの意味は、7秒かけて、周波数1000Hzのノコギリ波を、-144dBから始めて-10dBまで、対数的にレベル増大する信号。 セッティングができたら、ファイル出力スイッチを押して、適当なところにファイル出力。⇒Audacityへドロップ

2013-11-10 23:16:32
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F7Ah タイムシフトツールで真ん中あたりに。。これはテスト信号の前後がデジタル無音になっている必要から。 両方のトラックを選択し、トラック⇒ミックスして作成 http://t.co/r96uoOSHQv

2013-11-10 23:18:19
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F7Bh この波形表示は「dB波形」で、表示範囲は-145dBです。リニアでは何が何だか。

2013-11-10 23:19:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F7Ch このテスト信号を、ディザ添加しながら、ファイル出力し、それを読み込み評価します。 想定は24bitデータをディザ添加で16bit出力するというもの。

2013-11-10 23:21:47
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F7Eh 解説: 1トラック:元の信号 2トラック:ディザなし16bitデータ・・・-90.3dB(16bitデジタルの1ビット分)以下は消滅しています。 3トラック:シェイプド・ディザ使用16bit 4トラック:三角・ディザ使用16bit 5トラック:矩形・ディザ使用16bi

2013-11-10 23:27:29
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F7Fh 6トラック:矩形。ディザだが、始点終点がよくわからないので、差分抽出でテスト信号を抜き去り、ディザのみに分離したもの。

2013-11-10 23:29:42
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F80h この結果のように、シェイプと三角は、信号の有無に関わらず、常に一定レベルのノイズが添加。 矩形を指定すると、信号のある部分だけにディザ添加となる。 また、そのレベルを測定すると、振幅で-90.3dB。このレベルは、16bitデジタルの1bitの値で、続く

2013-11-10 23:32:57
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F81h 1bit M系列ノイズであることがわかる。1bitノイズを用いるのは、最小レベルで、効率的にディザの役目を果たすため。 レベル測定の方法は、ノイズのみの部分を範囲指定し、エフェクト⇒増幅、で、窓に表れた数値から。

2013-11-10 23:35:18
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F82h それぞれのディザを単独で取り出し、スペクトルを眺めてみよう。 http://t.co/lmq9VjsjMh

2013-11-10 23:36:35
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F83h 矩形と三角を比較すると、いずれも1bitノイズではあるが、三角の方がやや高域にウェイトされ、ノイズシェーパのニュアンスがあることがわかる。 決定的な違いは、矩形では音があるところでしか添加されない。

2013-11-10 23:39:37
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

1F84h シェイプドは、まさにノイズシェーパーそのもの。もっともしなやかで伸びのある品位になりそうだ。しかし、ノイズの増える量としては最も大きい。

2013-11-10 23:41:21