【第一部-拾壱】誰かを気遣う村雨の時雨元気づけ作戦 #見つめる時雨

時雨×夕立 村雨
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誰かを見つめる時雨 @rainshowers_bot

「…夕立…心配かけて、ごめんね」 僕は夕立を抱きしめた。夕立の温かさが伝わってくる。この温かさ、本当に安心する…。 「夕立…今日は夕立と一緒に寝たいんだけど、いいかな…?」 夕立がぴくんと震えた。 「…え?」 「もっと、夕立の体温を感じていたいんだ…」

2014-01-26 00:25:11
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「…いいの?時雨…」 夕立が肩から離れ、涙で濡れた目で僕を見る。 「いいのって…むしろ僕が聞きたいんだけど…ダメかな…?」 夕立は目をぱちぱちさせた後、再び僕の胸に顔を押し付けてきた。 「…ダメじゃ、ないっぽい…」 よかった…嬉しいよ、夕立。

2014-01-26 00:30:11
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「…今日はもうこんな時間だし、早く寝る準備をしよう」 僕たちは床に散らばったクッキーをお皿に戻し始めた。…床はいつも綺麗にしてあるし、少し拭けばまだ食べられるかな…? 「ごめんなさい、時雨…落としちゃった…」 「しょうがないよ。僕のせいでもあるし…また作ってよ、夕立」

2014-01-26 00:35:11
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就寝の準備を済ませ、部屋に戻る。すると布団の上で夕立が座って待っていた。そして僕の姿を見ると、正座になった。 「…時雨…寝るっぽい…?」 夕立の顔がほんのり赤くなっていた。…あれ?なんだろう、この雰囲気…。 「…うん…ね、寝よう…?」

2014-01-26 00:40:10
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「…じゃあ、夕立のこと…抱いていいよ?」 ……あれ?僕達は今から何をしようとしてるんだろう…?確か夕立と一緒に寝るっていう、ただそれだけのはず…。今までも何回かしたことあるし、変なことでもないはずなのに…何でこんな雰囲気になってるんだろう…。

2014-01-26 00:45:10
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「う、うん…」 僕は夕立を抱きしめた。何だか、どきどきする…なんでだろう…? 夕立が僕の背中に手を回してくる。身体が、より密着する。 「…時雨、温かいっぽい…」 「うん…夕立も、温かいよ…」 僕たちはそのまま横に倒れこんだ。

2014-01-26 00:50:11
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身体が少し離れ、夕立の表情が見える。夕立も、なんだか緊張しているようだった。 「…時雨…」 …夕立の吐息がかかる。…熱い。そして夕立の顔が、妙に艶っぽいような…夕立って、こんな顔してたっけ…こんな、綺麗な…。 「え、えっと……ゆ、夕立……」

2014-01-26 00:55:10
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「……ぽい!?」 僕は夕立を胸に抱きしめた。 「…うー…しぐれ…?」 夕立が不満そうな声をあげる。 ごめん、何だか夕立の顔が直視できなかったんだ…。あれ以上見てたら、なんだか変な気分になってしまいそうで…いや、もう十分変な感じになってたけれど…。

2014-01-26 01:00:20
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「お、おやすみ。夕立…」 「……ぽい……」 僕は包布を引っ張りだし、僕と夕立にかかるように被せた。 ……なんだか変な感じになっちゃったけど、そのまましばらく夕立を抱きしめていたら、段々と僕の心が落ち着いていくのがわかった。 「…ありがとう、夕立。きっと、大丈夫…」

2014-01-26 01:05:11
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僕の呟きを聞いていたのか、夕立が僕をぎゅっと引き寄せた。僕はそんな夕立の頭を優しく撫でた。 「…んっ…時雨…」 ふふ、夕立って可愛いなって、改めて思う。……ごめんね、心配かけて。…本当に、ありがとう。 僕は夕立の色んな温かさを感じながら、優しい眠りへと落ちていった……

2014-01-26 01:10:09