『ローマの休日』で学ぶ英文法
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『ローマの休日』に、記者さんがちょっと照れながら王女さまに「ワインでも少しいかがかな」とすすめるところでmightがでてきます。 I thought a little wine might be good. 相手を気遣うニュアンス。 @oatleyGRC
2014-01-28 01:43:11thinkではなくthoughtなところを味わってほしい。現在形だと直球すぎる。記者さんは照れてるから、スローボールのつもりで過去形を使っている。そしてmightの気配りニュアンスが生きてくる。「~なんてのも悪くないんじゃない?世間じゃ普通だし」ぐらいの感じ。
2014-01-28 01:47:28I thought a little wine would be good. これだと気配りが薄れてしまう。「ワインを少し飲むのも悪くないと思うんだが」ぐらいの感じ。
2014-01-28 01:50:46Shall I cook something? 王女さまが「何か作りますわ」と返す。これはShall I give you a ride?(車で送ろうか)と同じ表現です。
2014-01-28 01:54:53ああ、一度『ローマの休日』の台詞の完全分析やってみたいなTwitterで。一気にやるとフォロワーが減りそう。
2014-01-28 01:55:58Did you know that there are people who sleep with absolutely nothing on at all? 寝巻きではなくパジャマを着て寝てみたいとごねる姫様、侍女でもある伯爵夫人をからかってこんな台詞を口走る。
2014-01-28 02:04:45「世の中には何も着ないで寝るひとだっているってご存知かしら」 ここ、do you knowでなくdid you knowなのに気が付くでしょうか。前者だと「これは本当よ」で、後者だと「ねえねえあなた知ってる?」ニュアンス。で相手は「ええっそうなの?」「ああ、その話ね!」と返す。
2014-01-28 02:08:46が、お堅い侍女さまはすげなくこう返す。 I rejoice to say I did not.(幸いにも存じませんわ) rejoiceは自動詞だと「喜ぶ」で他動詞だと「喜ばせる」。この場合は前者。自動詞だからto不定詞で強引に文を続ける。「知らないと言えるのは喜ばしいことなり」
2014-01-28 02:13:18何も着ないで寝るなどという野蛮人の生活のことなぞ何も聞き知らずに済むような文明人としての日々を生きていける幸運を神に感謝したい気分ですわ、と切り返しているのです。
2014-01-28 02:17:30なぜかというとdo you knowと聞いても「知ってるわよ。だってたった今あなたから教わったから」と非常に論理的に返されるにきまっているから。つまりdo you knowは「あなた知ってる?」ではなく「いいこと教えてあげる」の意になるのです。@kumi_kaoru
2014-01-28 02:32:17thoughtなら「ちらっと思ったんだ。今はともかく」のニュアンス。過去形ですからね。過去形は現在については曖昧にする。まさに「今はともかく」なのです。@kumi_kaoru
2014-01-28 02:41:05『ローマの休日』にはmightが使われる台詞が九つあります。検索は便利ですね、すぐつきとめられるから。
2014-01-28 14:31:57記者さんが姫様を姫様と知らずアパートに泊めて、翌朝遅刻してしまう。見知らぬ女を泊めたからと上司にはとても言えず、それでむにゃむにゃアン王女の取材でどうのこうのといいかげんな理由を述べる。しばらく耳を傾けた後、上司がイヤミたっぷりに切り返す。
2014-01-28 14:48:27"If you ever get up early enough to read a newspaper, you might discover little news events--little items of general interest."
2014-01-28 14:50:42「君がもう少し早く起きて新聞に目を通す余裕があれば、このささやかな事件が目に入ったんじゃないかなあ。世間が大騒ぎのちょっとしたニュースがねえ」 mightは相手の事情をおもんぱかって言うときの助動詞。ここでは「~じゃないかなあ」と訳しました。
2014-01-28 14:54:43つまり、姫様の取材がどうのこうのという弁明は見え透いてるよこの月給泥棒!と上司から嫌味を言われているのです。mightが効いています。
2014-01-28 14:56:02朝刊には「アン王女、病に伏す」と出ている。姫様の取材?どうやったらできるんだこのうすらトンカチ!
2014-01-28 14:57:26that might prevent you in the future from getting immersed in such lies as you have just told me!
2014-01-28 15:02:59「そうすれば今後はそういう見え透いた作り話に夢中になってとうとうと上司に述べ立てるような愚行も避けられると思うんだが、どうだろう」 mightがここでも活きている。「さしでがましいかもしれんが私はこう思うんだ」なニュアンス。
2014-01-28 15:04:03"You might be interviewing her again someday!" (いつかまた王女さまに取材できる日も来るんじゃないだろうかねっ) mightで思いっきり嫌味言ってます。
2014-01-28 15:06:56「もし本当に取材が叶ったら、報酬はいくらぐらいはずんでくれますか」と記者が聞く。と、上司は Well, it might be worth two hundred and fifty. (250ってところではないかなあ) と再びmightで嫌味攻撃。
2014-01-28 15:10:27「ローマの休日」でアン王女のベッドシーンが想定されている箇所について: 極東ブログ http://t.co/JjbEpdUVq4 ピーターセンの有名な分析ですね。
2014-01-28 15:16:16姫様、お父上の職業を記者に尋ねられて Mostly you might call it public relations. と、嘘ではない返事をします。「世間では広報と呼ぶところではないでしょうか」 ここでもmight。「あくまで私個人の見解なんですけど」のニュアンス。
2014-01-28 15:21:36記者さんが相棒のカメラマンに電話して「例の写真機もって今すぐ来い。こいつはとくダネだぞ。ただし他に漏らすな」と念を押す。 It might be political or it might be a scandal sensation. (いろいろ微妙だし大騒ぎになりかねない)
2014-01-28 15:25:22"I can't talk over the telephone. One word in the wrong quarter, and the whole thing might blow sky-high." (電話では話せん。もし漏れたらすべてが台無しになりかねん)
2014-01-28 15:27:49