DQ4「勇者の故郷」に見られるセブンスコードの取捨選択について
ファミコンBGMのコード感について書いてみたが、もう一つ特徴的な例を思い出したので紹介。ドラクエIVの5章フィールドBGM「勇者の故郷」。 http://t.co/BwlTv20lsP の19:59~の曲。
2014-02-03 23:00:52ループ直前(20:39)のメロディ「ファファファファー↓ラ↑ドファソッソー」の最後「ソッソー」に注目して欲しい。下から順に「ファ、シ、ソ」という構成になっているのだ。
2014-02-03 23:01:57ここの部分のコードはG7。G7のコードは下から順に「ソ、シ、レ、ファ」だ。そう、4音必要なのだ。ファミコンは音階を3音までしか出せないのに。
2014-02-03 23:03:07そういう場合、通常あまり重要ではないレの音を抜いて「ソ、シ、ファ」にする。なぜレの音があまり重要ではないのかと言うと、レとくらべて他の音の方がもっと重要だからだ。
2014-02-03 23:04:37「ソ」=ルート音。コードの基準となる音だから外せない。「シ」=メジャーコードかマイナーコードかを決定する音だから外せない。「ファ」=セブンスの音(G7の「7」部分)を表現する音だから外せない。セブンスの音が入ると俄然最初に戻りたくなるものなので、ループ部分にはどうしても使いたい。
2014-02-03 23:06:12じゃあ「ソ、シ、ファ」の3音で決まりだね!と思ったらそうは問屋がおろさない。ここのメロディが「ソ」だけなのだ。このような場合は普通、ベースはルート音を鳴らすものなので「ソ、シ、、ソ」もしくは「ソ、ファ、ソ」の3音を選択しなければならない。どちらも悪くはないが、何かが足りない。
2014-02-03 23:09:23しかし天下のすぎやまこういちは一味違った。ベースのルート音をすぱっと諦め、「ファ、シ、ソ」という3音で構成したのだ。G7のコードでベースが「ファ」というのは非常に不安定なのだが、もともと悲しげな曲なので問題ない。それどころか寂しさを倍増させてむしろ印象アップ!
2014-02-03 23:10:58つまり、3音でコードを表現する場合、ベースとメロディで同じ音程を奏でる必要がある場合は非常に難しい選択を迫られるが、「そこを何とかしちゃうのが一流の証」というお話でした。
2014-02-03 23:12:30