お風呂に入って冷え切った体を温めるようにすすめると下着とタオルを持ってお風呂に向かおうとするんだけど、廊下から顔だけ出して「のぞいても良いからね(はぁと」と言い残して行く羽根っ娘(・ω・ )そして「煩悩退散!煩悩退散!」と柱に頭を打ち付ける少年
2014-02-08 16:08:05@FakeFalcon 「でもちょっとだけなら…」と忍び足で階段下りて浴室に向かったら「お風呂ありがと」とさっさと出てきた羽根っ娘と出くわして、『カラスの行水』という言葉思い出しながら「俺の優柔不断!優柔不断!」とまた柱に頭ぶつける少年w
2014-02-08 16:11:58「ぐあーつかれたぁー死ぬぅ~」 雪かきを終え、ベッドの上に倒れこむ。 もはや一回では無理と判断して戦術的撤退を決めたのは正解だった。 「おごごご、腰が……」 中腰で慣れないスコップを振り回したせいで既に俺の腰が悲鳴をあげていた。
2014-02-08 22:47:07枕元の時計は夕方五時を指しているのに、外は雪のせいで妙に明るく感じる。 「――え?」 ふと目を向けた窓の外で、何かが動いた気がした。 「まさかな」 いくらアイツとはいえ、こんな天気の中俺の部屋にくるはずがない。
2014-02-08 22:50:04「えへへ、きちゃった」 ベランダの窓を開けると、真っ白なコート……の上に2センチほど雪を乗せた彼女が立っていた。 「ばっかじゃねぇの!?」 「雪ってすごいね。なんかだんだん暖かくなってきたよ」 青ざめた顔で彼女は力なく微笑む。 「とにかく入れって!」 「お邪魔します」
2014-02-08 22:56:15彼女は窓から羽根だけを出してぶるぶると体を震わせて雪を払ってから部屋に入ってきた。 「とりあえず風呂入れ! お湯張ってあるから!」 「うん……ありがと」 長いことベランダで待っていたのだろう。手袋をつけていたのに彼女の手は痛いくらいに冷えきっていた。
2014-02-08 23:01:19「あ」 脱衣所のドアを閉めようとした彼女がふいに手を止めた。 「なんだよ。タオルの場所とかは知ってるだろ」 自分の寝間着まで俺の家に常備している彼女だ。必要なものがどこにあるかはたぶん俺よりもよく知っているだろう。 「覗いても良いからねっ」 「見ねぇよ!」
2014-02-08 23:07:05誠に勝手ながら 雪の日の羽根っ娘 を描かせていただきましたぁぁっっっm(°Д°)m http://t.co/syRwtBCKiS
2014-02-08 23:47:56彼女の服をストーブの前に吊るし、リビングのソファーに座って彼女が風呂からあがってくるのを待つ。 「あぁもう!」 覗いたら覗いたで絶対にネタにされるのはわかっている。 それでもあんなふうに言われてしまうと妙に生々しいイメージが浮かんでしまう。
2014-02-08 23:10:32「のぼせたりしてないか、確認しよう。うん」 強引に自分を納得させ、音を立てないようにそっと風呂場に向かう。 一歩足を動かすごとに毎日のように押し付けられる彼女の胸の感覚が思い出される。 「俺はニンジャ……俺はニンジャ……」 脱衣所まであと一歩まで迫り、ドアノブに手を伸ばす
2014-02-08 23:15:41俺の手がドアノブにふれる直前、ドアが勢い良く開いて俺の右手首を強打した。 「ぎゃっ!?」 「えっ、なに!?」 Tシャツにパンツだけの彼女も何が起こったのかわからないのか、右手を抑えて悶絶する俺を見て大きな目をぱちくりとさせる。 「中二病?」 「違うっ!」
2014-02-08 23:22:03「あー、イテテ……」 「もしかして本当に覗こうとしてた……とか?」 彼女は威圧するように背中の翼を広げて意地の悪い笑みを浮かべる。 「違うって」 どうにもきまりが悪いので彼女から目をそらす。 「うっそ、図星?」 こいつはそういうカンだけは滅茶苦茶鋭いことを忘れていた。
2014-02-08 23:26:34「なんだぁ、そういうことだったら言ってくれればいつでもOKなのに」 彼女は脱ぐつもりなのか、シャツの裾に手をかける。 「脱ぐなって!」 「いいのいいの、減るもんじゃないし」 彼女の胸があらわになる直前、居間の電話が鳴った。 「チッ」 「舌打ちするなって……」
2014-02-08 23:31:55「もしもし」 『お母さんだけど。そっちは大丈夫?』 電話からくぐもった母さんの声が聞こえた。 「あぁ、大丈夫。みらんが来てるけど」 横目で彼女の方を見ると既に脱ぐのは諦めたのかパジャマに着替えている。 『なぁんだ。みらんちゃんがいるなら安心ね』 どこがだ。
2014-02-08 23:34:47「さっき風呂入って今めっちゃ元気だけど」 『あ、そうそう。電車が止まったからお母さん今日はこっちから動けそうにないの』 「え、母さん帰ってこないの?」 彼女の背中で白い翼がぴくっと動いた。 『お肉とか冷凍食品で食いつないで。じゃあね』 母さんは一方的に電話を切った。
2014-02-08 23:42:33「へぇ、今日おばさんいないんだ」 にやにやしながら彼女が俺の方に近づいてくる。 「飯作ってやるから帰れ!」 「こんなか弱い羽根つきの女の子をこの吹雪の中に放り出すの?」 「めっちゃ元気じゃねーか!」 風呂に入って体温が上がったせいか、彼女はいつものペースに戻っていた。
2014-02-08 23:48:11「ふふふ、よいではないかよいではないか」 「それ男のセリフだよねっ!?」 彼女は広げた翼で俺を威圧しながらじりじりと距離を詰めてくる。 そして、世界は真っ暗になった。 「あれ? 停電?」 彼女の戸惑った声。 「ブレーカー飛んだかな……ちょっと見てくる」
2014-02-08 23:55:40手探りで配電盤のある脱衣所に辿り着き、何度かスイッチを動かすが電気はつかない。 「停電みたいだ。まずいなぁ」 明かりは携帯や懐中電灯でなんとかなるが、暖房が使えないのは困る。 「あのさ、手離してくれない?」 彼女はさっきから怯えたように俺の手を握っている。
2014-02-09 00:01:33「だめ、わたし鳥目だから」 俺の手を握る彼女の右手の力が強くなる。 「まったく見えないってことはないでしょ」 「ほんとに見えないよ……?」 いつもの自信満々な彼女からは想像もできないような弱音が出てきた。 「とりあえず、懐中電灯を探さないと……」
2014-02-09 00:07:28「このまま電気が戻らなかったら、あんた凍死しちゃうから」 「何するんだよ」 「温め合い?」 少し間を置いて彼女は答えた。たしかに、このまま暖房が復旧しなかったらまずい。 「布団かぶって。温めてあげるから」 「おい、それじゃいつもと同じじゃないか」
2014-02-09 00:17:51「違うのっ!」 彼女の声の大きさに少し驚いた。 「わかったよ、布団はいるよ」 「うん」 俺が布団をかぶると彼女もその中に潜り込んでくる。 「ん、しょっと」 何度か彼女が身動ぎすると、なにかふわふわして温かいものが俺と布団の間に割り込んできた。
2014-02-09 00:26:59「羽根?」 「こうすれば、あったかいでしょ?」 彼女の体温は俺より四度くらい高いから、当然とても暖かい。 「寒くない?」 「キスしてくれたら、寒くなくなるかも」 「結局それかよ」 それでもさっきのやりとりだけで彼女なりに俺のことを気遣ってくれているのはわかる。
2014-02-09 00:33:35「んっ」 唇はちょっと恥ずかしいので、彼女の頬に軽くキスしてやる。 「えへへ、ありがと」 もぞもぞと彼女が動き、距離を詰めてくる。 「ひっつくなって!」 「この方が暖かくていいでしょ?」 「そりゃまぁ……」 そう言われてしまうと言葉に詰まる。実際、とても心地いい。
2014-02-09 00:37:19