タックスペイヤーたる中産階級とワーキングプアの絶望的な怨嗟が合流する公務員バッシング

私が企画したインタビューを紹介
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国公一般 @kokkoippan

『タックスペイヤーたる中産階級とワーキングプアの絶望的な怨嗟が合流する公務員バッシング』 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 16:51:09
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熊沢誠氏:官民横断のユニオニズムは欧州では明瞭。日本の政財界のスローガンはそれは絶対に許してはいけない、西欧の轍を踏むな。その際、公共部門の労働運動は生産性や支払能力を顧慮しない運動なのだからとにかく叩かなければいけないというわけです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:11:11
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熊沢誠氏:民間労組は60年代末頃から企業ごとの支払能力による賃金格差を内心では容認。公務の労組はそうなっておらず特に職場規制において西欧的なユニオニズムの性格を残していたから「アキュージングフィンガー(指弾の指)」が向けられたのです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:17:25
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熊沢誠氏:公務の労組は、労働者の配置、作業量、要員、残業などの平等主義的な組合規制がなお息づいていました。それがバッシング対象になり広義の公務員の労使関係や労働組合活動を「民間並みにせよ」という圧力がつねにかけられることになったのです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:20:43
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熊沢誠氏:中曽根政権は初めて明瞭な新自由主義政策を推し進め行革を開始。財界は符帳を合わせたように春闘の賃金白書に「日本では、行政改革は治療ではなく予防として行われる」と明記。これは非常に象徴的な言葉で、私には忘れられません。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:25:01
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熊沢誠氏:西欧では福祉国家の一結果としての公共部門の「肥大」に「官民横断の強靱なユニオニズム」が重なりスタグフレーションに陥ったと政財界は認識。イギリスにはサッチャー政権が登場し「治癒」として新自由主義的な競争刺激の荒療治が始まった http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:28:10
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熊沢誠氏:日本は公共部門の肥大などなく、まぎれもなく公共部門が小さい。公務員数も少ない。その上、民間労組は支払能力主義で労働条件を生産性の程度に調整するというユニオニズムで、日本では資本主義経済が立ちゆかないとはいえない http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:32:23
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熊沢誠氏:日本では資本主義経済が立ちゆかないと言えないけれど、まだ残っている西欧的な部分を払拭しようということで、すなわちサッチャーは民営化などの行革を治療として行ったけれど、日本ではそれを予防として行うのだと政財界は主張したのです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:34:27
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熊沢誠氏:公務員バッシングの次の新しい幕が開くのは小泉政権下です。小泉政権は中曽根政権以上にきっぱりした新自由主義政策を取って、郵政民営化とともに再び行政改革が高唱されるということになります。現時点はそれを引き継いでいるように思います http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:36:51
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:「予防としての行政改革」は日本の強みを自覚しはじめた政財界の政策志向をあらわすものですが、国民全体としては経済と生活にそんなに危機感を感じてはいませんでしたから、心から迎えたというものではありません。行革は言葉としてプラスイメージだからいいじゃないかという程度でした

2014-02-18 20:39:51
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熊沢誠氏:2000年代以降の「構造改革」での公務員バッシングは強烈で、誤解を怖れずに言えば閉塞感に悩む国民にある種熱狂的に支持されているところがあります。公務員であることがいたたまれない感じにさせられています。とくに大阪ではそうです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:42:36
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熊沢誠氏:労働三権は先進国では公務員にも保障されています。外国に駐在している大使館職員さえスト権をもっているくらいです。新自由主義の祖国、アメリカにも公務員の団体交渉権があるのに、日本にないというのは本当におかしなことです http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:45:07
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熊沢誠氏:「公務員労働者からの労働基本権の剥奪こそが日本を日本たらしめる特質」と権力側は考えているのです。そのことは逆に、いかに公務の労使関係が資本主義体制にとって枢要の問題かということを意味しているのです。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:46:03
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熊沢誠氏:サッチャー「反動」があって、他国でもレーガンやコールが登場し、中曽根政権もその仲間というわけですが、欧州では、福祉国家政策と労働組合運動が大きく後退してしまうということはなかったのです。日本とは「後退の程度」の違いが大きい http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:51:36
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熊沢誠氏:日本では後退があまりに徹底的で、そしてその後退が戻らぬまま平成不況を迎えたのです。わが日本では、企業間競争と個人間競争を徹底的に刺激する新自由主義政策が、とくに中曽根、小泉両政権のもとで驀進しました。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:52:35
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熊沢誠氏:庶民の生活の明暗はひとえに企業や個人の努力の結果だとする自己責任論が国民の「常識」になりつつあります。これが「努力しないで楽をする」公務員とその擁立する公務員労組への、政財界のバッシングの包囲戦に加担させるのです。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:53:38
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:ユニオニズムとは「労働条件の規範的決定」と置き換えることができます。つまり雇用する経営体の支払能力や生産性のデコボコに関わらず労働条件を規範的に決定して標準化すること。それが労働組合が存在する証です http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:54:24
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:「労働条件の規範的決定」と福祉国家の原則というべき、「スティグマなき給付」。この二つの後退の程度が日本では非常に大きく、それらを復権させる明瞭な思想も頼りになる勢力もまだ形成されていないということができます http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 20:55:31
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:公務員バッシング、この恨みの主体には2つの層があります。ひとつは大企業サラリーマンなど「中産階級」といわれる人々。タックスペイヤーの意識が強く、その意識に照らすと、公務員はのんびり働いていて雇用も保障されており、なお賃金もそんなに下がらない。そういう不満をもっています。

2014-02-18 20:57:47
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:公務員バッシングのもうひとつの層は非正規のワーキングプアです。彼ら・彼女らは低賃金で年収200万円に満たず契約切れで頻繁に失業もする。ほとんどが労働組合もなく、生活を改善する方法が見つけられないでいます。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 21:00:02
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:彼ら・彼女らはこんな社会構造自体をガラガラポンにしてしまいたいといった鬱憤にさいなまれています。ここから、安定した労働環境にあるかのようにみえる公務員への理不尽な怨嗟が噴出するわけです。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 21:02:08
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:基本的人権である表現の自由の問題についても、国家公務員は酷い状況に置かれていますね。日本は中国を人権不在の国だと思っているかもしれませんが、課長補佐の国家公務員が休日に仕事とまったく関係のないところでビラをまくだけで違法になるという次第では、とても中国を嗤えませんね。

2014-02-18 21:03:47
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:大阪の話に入ると、まず橋下徹という人物の特異な性格があって、一般論ではつくせないところがひとつあると思います。彼の発想の基本はまず競争主義ですね。生活の明暗は能力と努力次第という、極端な自己責任論です。競争というものを至上の価値とする新自由主義者です。

2014-02-18 21:06:02
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:橋下においては、選挙で勝てば行政や教育の現場で働いている労働者の発言権を一切無視していいという、いわば産業民主主義の軽視が極まっています。そこが特異です。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 21:06:35
国公一般 @kokkoippan

熊沢誠氏:労働組合運動を論ずる場合、産業民主主義の擁護という考え方をかならず基礎にすえなければなりません。そして私が日本社会を批判する基本視点は、日本における近代国家建設以来の産業民主主義の草の根の浅さです。 http://t.co/lEjmriwUtQ

2014-02-18 21:07:18