東京にて-明治7年-
綺羅(@kiraboshi219)さんによる薄桜鬼の創作小説第8弾です。
~内容~
会津戦争でまたしても離れてしまった斎藤と千鶴が斗南で再会した後、上京して初めて迎えるお正月。
斎藤の実家に招待されて喜ぶ千鶴、
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🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「ありがとう。 これからもよろしく頼む、愛しい女房殿」 一さんは立ち止まり、私の頬に触れてから、きょろきょろと辺りを見回した。
2014-03-18 23:51:59
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
人通りを気にしてか、夕日の映えた頬のまま、 「口づけをしたいのだが、続きは帰ってからにしよう」 とはにかんだ。 「ふふ」 感情を隠さない一さんが、以前よりずっとずっと愛しい。
2014-03-18 23:52:22
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「なにゆえ笑う。我慢したのだから、口づけだけではすまぬぞ」 うっとりしていた私の耳元に、一さんは顔を近づけた。 「!!」 思わず目をつぶってしまう。
2014-03-18 23:52:37
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
「子供のことも考えねばならぬだろう?」 どきんと心の臓が跳ね上がると同時に、口づけを期待してがっかりした自分が恥ずかしくなる。
2014-03-18 23:52:54
🐿 綺 羅 🦭
@thrianta_satin
沈む夕日を憂うことも、 星の下で淋しい想いをすることも、 ただ明日が来ることを願うことも、 一さんがいる限り、必要ない。
2014-03-18 23:53:31