阿部さんは、金がなくなっていたのを見て、 一くんが女に走ったのだろうなんて言っているけど、 そんなことは有り得ないことだと言い切れる。
2013-11-29 17:38:32新選組にいた頃だって、本人は慎重に飲んでるつもりだった。 酔うと日頃に溜め込んだ鬱憤を説教してくるんだから、 土方さんとは違った意味で性質が悪い。
2013-11-29 17:39:23新選組にいるよりも、数が少ない衛士に付く方が、 その剣の腕を生かす……強いては自分を生かすことに繋がるのだと、言っていた。
2013-11-29 17:40:04姿が見えなくなったその日の夜は、 女のところにいるのだろうとみんなが思って、珍しいことだとは言いながらも、あまり気に留めていなかった。
2013-11-29 17:40:29馬鹿らしい話だけど、 新選組から離隊して、伊東さんはオレ達に、 寝る時でも油断をするなとか、刀を抱いて寝ろなんてことも言った。
2013-11-29 17:41:58近藤さんや土方さんとは、理解しあって分かれたはずなのに、 新選組に怯えるということは、 裏を返せば、新選組に対して疚しいこころがあるからじゃないのか。
2013-11-29 17:42:31❀˚˟.‧*✿˚˟.‧*❀˚˟.‧*✿˚˟.‧*❀˚˟.‧*✿˚˟.‧*❀˚˟.‧*
伊東さんの思想は素晴らしいと思う。 水戸の尊王攘夷の思想を色濃く持つ伊東さんらは、帝に対する思いも強い。 各地に出向いて、志士との交流を深めたり、意欲的に政治活動を行っている。
2013-11-30 18:35:32でも、それが時々絵空事っぽく感じることがあるのは、オレがまだまだ未熟だからだと思っていた。 オレのこころが、真っ直ぐ向いていないからだ、って。
2013-11-30 18:36:20オレの中では、市中見廻りとか、度胸や腕が物をいう感覚が染み付いていたから、 いきなり頭を使ったり、理論で相手を納得させたりするやり方には、すぐには慣れなくて、もやもやした気持ちは、場違いな庭園で素振りをすることで晴らしていた。
2013-11-30 18:37:26オレはもちろん、一くんが女といるなんて思ってもいないけど、 というか女にこころを許したりしないと思うから、 何か身の上に起こったんじゃないかと、心配になるんだ。
2013-11-30 18:38:39「斎藤くんは新選組に戻った」。 そう予想する伊東さんの言葉は、この時はまだ信じられなくて、 でも伊東さんは気にしていないように見せながら、新選組を警戒しているんだと思った。
2013-11-30 18:39:45