■「あれは……誰だ?」説明してくれる人は居ない。勿論筆者も風のうわさでしか聞き覚えがない名前の脱衣拳という男性。彼が何者なのか、なんの目的でここにいるのか、それはおそらく事件には関係がない。
2014-02-19 02:20:25■そのときであった、突如照明が落ち、視覚を失った世界に悲鳴がこだまする。全員の背筋に怖気が走るほどの絶叫。恐怖でけまるの隣にいた5dが吐いた。けまるの靴は汚れた。
2014-02-19 02:21:55■ぱっと、あかりがついてまずけまるは靴の汚れに気づいてマジギレする。急性アルコール中毒をショックで引き起こした男、5dを罵りながら人混みの方へ走りだした。
2014-02-19 02:23:44■「死んでる……」当然のことを、今更口にする。目の前の死体は、先程までワインを傾けていたトモカであった。「トモカさん……」緊張と、悲哀が一同を包む。
2014-02-19 02:25:32■「早速、おこってしまいましたか……」ででどんは悲しげに、遺体の搬送を部下に命じた。「何嘆いてんだよもう、お前の親父が死ねばいいじゃん、おまえのおやじどこにいんの」けまるは一番早い解決策を提示した。
2014-02-19 02:27:16■「この吐血……毒殺ですね」イクは遺体の解析をする。次いでワインを調べ、苦い顔をした。「どうやら、ワインに毒が混入していたようです」「でも、私も飲んでいたわよ?」さかしろが涙ながらに言う。彼女は確かトモカと同じテーブルで飲んでいたはずだ。
2014-02-19 02:29:38■「んじゃあさかしろさんが毒を盛ったとか?」「どうでしょう、とりあえず身体検査を、みなさまご協力お願いします」人混みをかき分けて出てきたのは警官のすないぷ。彼女はヤズと同じくボスを養う女性である。
2014-02-19 02:31:32■持ち物検査を行ったが、全員何も危険物は出なかった。「いやいや、これ危険物でしょう」けまるが指さしたのはスペツナズナイフ。みんな大好き、刺した後にびょいーんと刃が伸びて内蔵をズタズタにして絶対殺すナイフだ。
2014-02-19 03:41:58■「それは私のものですが、危険ではないですよ」ボス養いを本職にするヤズは言う。「ボスに留守を任せている間にボスが触ると危ないから持ってきただけですよ」「なら危険ではありませんね」すないぷの判断にけまるは憤慨するが聞き入れられない。
2014-02-19 03:43:43■その他にもラーメンやポケモン、冷凍マグロ……怪しいといえば怪しい物が現れたが、毒物は見つからなかった。「と、とりあえず自室に戻りませんか?」フルウは、パッチールを抱え不安そうに提案した。
2014-02-19 03:45:52■「私、部屋にパッチールを数匹残してるんで、見に行きたいんですよ」「俺も人狼がやりたいしモバマスやりたい、部屋のPCが心配だ」フルウ、くぬをはじめにみんな次々と自分がやりたいことを口にしだした。殺人が起きているのに協調性がない奴らである。
2014-02-19 03:50:17■「俺はプロトオーガとかいうやつをしばきたいんだけど」けまるが眉間にしわを寄せる。絶賛不機嫌である。「確かに父のことは気になります、今朝から具合が良くなくて……」
2014-02-19 03:52:06■現在の時刻は昼の二時過ぎ、この船が港を出てから、約二時間が経っていた。「解散するのはいいけど、二人一組になってほしいわ。お互いの監視にもなるし、妙な疑いあいを避けられる」さかしろのまともな意見に全員納得した。
2014-02-19 03:55:10■「私は赤髪さんと行動しますね」フルウは赤髪とともにその場を去った。「ボクはじゃあ、ヤズさんと」「モンハンわからないけどね」ルートゾーンとヤズもハンティングに出かけた。
2014-02-19 03:57:38■残ったのはけまると、ささみおうむと、ででどんであった。彼らはプロトオーガ氏の部屋を目指す。氏の部屋は、ホテルになっている船室の最上階であった。
2014-02-19 04:00:33■「あれ……VIP階への暗証番号が変わってる」エラー音に首をかしげるででどん。「大丈夫かよ」「ちょっと、マスターキーを取ってきますね」「やれやれだ」
2014-02-19 04:03:17■しかし、五分経とうと、十分経とうと、ででどんは帰ってこない。三十分程待った辺りでけまるはしびれを切らして控えていたででどんの部下にマスターキーのある部屋への道を尋ねた。
2014-02-19 04:04:41■「嫌な予感がするわ」おうむは歩く速度を上げる。「そういやさあ、おうむりゃんってなんなの?」なんとなく一番会話していた相手の素性を今更尋ねる。
2014-02-19 04:06:10■「秘密ー」「そうか、お前が犯人だな」「ちがうよー」そうこうしているうちに、ででどん氏の自室の前にたどり着く。早歩きで十分、先ほどのででどん氏の速度なら往復でも十分切るだろうし、歩いていてもどこかで鉢合わせたはずだ。
2014-02-19 04:08:44■「ででどんさぁーん?十勝ごっこはいいからはやくしてくださいよお、それともマスターキーまでなくしましたかあ?」部屋をどかどか殴り蹴るも返事はない。
2014-02-19 04:11:11■「トカチックリム!!」掛け声とともにけまるはドアをヤクザのように蹴り破った。火と、煙がドアから吹き抜ける。おもいっきり火事である。今更警報機が鳴り響き、スプリンクラーが水をまきだした。
2014-02-19 04:15:00