リプした人で探偵物by電気おばけ

電気おばけ @ZrIaEY7fA

「実はですねえ、プロトーガ氏のとあるものと、命を狙うという予告が有りまして」「聞いてないんだけど」「言ってませんから」フルウもチケットを取り出し、ついでに書類も取り出した。

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■書類の中身をまとめるとこうだ。「貴様の生命より大事なものと生命をいただく。この世のどこにいようと殺す。人を雇えば人も全て殺す」「はああ？？？」けまるはキレそうになった。

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■「これ俺も殺されるやつじゃん、嫌だよ」「不思議ねえ、ここにいる連中はみんなそれを承諾してきているんだけど」「大体霧島20隻で招待って、意味不明パッチですわ」「お前のその語尾ムカつく」

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■「フルウさん何してんですかあ、はやくいきましょうよ～」「赤髪さん、実はパッチですねえ」「フルウさん雑なキャラ変やめて」「はい」カクカクシカジカ。

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■赤髪はホモであり、仮面ライダーであった。ホモというかホモの動画についてやたら詳しいだけだがここは割愛しておく。彼もまた、プロトオーガ氏を守るために正義の心でこの船に乗り込んだものであった。

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■「降りるにしてももう出港しちゃったからなあ、死なないように頑張ってよ」「無責任なライダーだなあ、真っ先に死ねばいいのに」けまるは毒づくも、不安になった。自分ももしかしたら殺害対象になりうるのだから。

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「しかし、この殺人予告差出人が不明なのですよ」「トモカさん」話に割り込んできた女性。割り込んできているが、耳には上等なイヤホンが嵌っており、あまり会話に臨む態度には思えなかった。

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■「不明って、そりゃあ殺すのに名乗るわけ無いだろ、特定されたくないし」「でも呼びづらいでしょ？名前がないって。だからわたしはジョーカーって呼んでるの」「ジョーカーとは皮肉がきいてますねえ」おうむはくすりと笑った。

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■「けまるさんは知らないかもだけどね、プロトオーガ氏はロワ書き手なのよ」「ロワ？ああ、あれね、適当に聞いてるわ」パロロワ、詳しい説明は読者の皆様には不要であろう。そういうことである。

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■「というかここにいる人大体がそれよ。みんな書き手を兼業でやってるの、そのよしみもあるからきたのよ」「俺書き手じゃないしSSも書いたこと無いし帰りたい」もっともである。

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■「で、ジョーカーというのはロワにおける主催に頼まれて殺しを行う参加者のことを言っているのですよ」「なんだそれ、まるでこの船の中に殺人予告を出した奴がいるみたいに……」

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■「僕は、そう思って……いや、みんなそうかもしれない、恐ろしいね、疑わしきはすぐに吊りたい」狼の毛皮をかぶった少年、くぬは低い唸るような声で会話を横切った。

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■「リアル人狼のくぬ……彼も来ていたのね」「俺も人狼はすきだよ」「彼の人狼は過激よ？やってみる？」トモカはけまるに問うた。「リアルってつくのはだいたいクソ映画だからな、俺は関わりたくネーわ」けまるは一刀両断した。

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■「もうはじまってる！」赤髪が慌てて走りだした。「私も行かなきゃ！」便乗するようにフルウも走りだす。その右ポケットから、キーホルダーらしきものが落ちた。「フルウさん、落ちパッチですよ！」おうむが慌てて拾い渡す。

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■パッチールのキーホルダーである。「ああ～おうむさんありがとう、これ限定品でさあ」「いえいえ、さあけまにきもホール行こう、残ってるとフラグが立って死ぬよ？」「やめてね」

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■ホールは、ここが船内とは思えないほどに圧迫感がなく、高級ホテル並の内装を誇っていた。天井にはちょっと弄れば落ちてきて惨劇を起こしそうな豪奢なシャンデリアがぶらさがっている。

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■「ええ～お集まりの皆様、本日はお日柄も良く絶好の航海日和で……」「あれがプロトオーガ氏？」「ううん、息子のででどんさんよ」のんべんだらりと、スピーチを聞き流し食事を取るけまる。おうむも山ほど皿に食事を盛る。

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■「ででどんさんはすごいのよ、養子なんだけどね、彼の書くロワの話は最高に全開なの。北の大地からエネルギーを吸収しているらしいわ」「十勝かあ」

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■「探偵としては、事件が起こって欲しいわねえ」「そうですね」トモカと、知らない女性がワイン片手に話し込んでいる。物騒なことだ。「だって何も起きないか、力が強い連中が収めたらつまらないじゃない」

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■白ワインを傾けるのは女性探偵さかしろ、正確な名前は定かではない。格闘ゲームと特撮に明るく、仮面ライダーである赤髪のことが気になっているらしい。

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■「自分も、けが人が出ないと出番はありませんがそんなふうには思っていませんよ？」マグロを担いだ白衣の男、イクは苦笑しながらトモカとさかしろの隣の席についた。

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■医者のイク、なぜか冷凍マグロをいつも担いでいる。彼いわく力の源だそうだ。「絶対ろくな医者じゃねーわ」けまるはもうビックリ人間ショーにはうんざりだと、ラーメンをすすった。

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■「つーかグダってきてるから誰か早く死ねよ、俺以外でね」先ほど遅刻してヘリコで甲板に降りてきた康一君であった。彼は専業ロワ書き手である。だから犯人逮捕も刺客撃退も事件解決も出来ない。それでもこんな海上密室に遅刻してでもきてくれたことを賞賛しよう。

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■「畜生かな？というかヘリコきてたのなら俺それで帰りたかったわ」ラーメンのおかわりをもらおうと席を立つけまる。するとそこには大量の野菜を盛り込んだラーメンをかきこむ男が一人。

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■「うわあ、あれ俗にいうジロリアンとかいうのか、近寄らんとこ」二郎のラーメンを属している時とポケモンバトルの時だけ人間性を取り戻す殺人鬼皆川である。だが今はラーメンを食べて幸福なのでけまるがそれを知ることはない。