DCFでの設備投資の水準の考え方

DCFでの株式評価を行う場合の長期の業績予想における設備投資の扱いについて、ガルパンのアンチョビさんの画像を頂戴したので呟きました。そのまとめ。
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マッシナ @massina

で、営業利益率側にはその固定資産の償却が含まれてるわけで、そうするとある程度安定的な事業はEBITDAマージンもある程度収斂してくるとかなんとかいえるわけです。この辺考えてると償却の基準を頻繁に変える会社は糞企業と言って差し支えないと思う次第です。

2014-02-22 15:48:41
マッシナ @massina

この辺デュポン分析ライクにまとめると、(営業利益/固定資産)=(売上高/固定資産)x(営業利益率)=(売上高/固定資産)x(EBITDAマージン)×(営業利益/EBITDA)って感じになるわけです。

2014-02-22 15:56:15
マッシナ @massina

そうすると、サステイナブルな営業利益を生み出すのに必要な固定資産の水準が見えてくるので、そういう水準になるように設備投資を置いてやればいいということになります。これが高過ぎると償却が重くなってEBITDAマージン一定でもOPM落ちてくるとか、軽すぎると利益が出すぎるとか、

2014-02-22 15:59:53
マッシナ @massina

あとその営業利益の結果として出てくるROICがちゃんとWACC上回ってるかとかROEがエクイティコスト上回ってるかとか総合的にチェックして破綻してなければその固定資産と設備投資の水準はサステイナブルだと考えることが出来ます。

2014-02-22 16:01:36
マッシナ @massina

注:ソニーでこれ計算しちゃダメゼッタイ!!!!

2014-02-22 16:02:00
マッシナ @massina

あと半導体とか液晶の会社でこういう見方で見てるとマジ博打っすよ彼ら

2014-02-22 16:05:03
マッシナ @massina

そうすると同業の複数の企業について10年分くらい眺めてると、売上高/固定資産が安定しているような業界は大抵の場合、フリーキャッシュフローポジティブ、つまり営業キャッシュフロー>設備投資になってますかね。成長も安定してると償却≒設備投資、当期利益≒FCFみたいになってたりします。

2014-02-22 16:11:34
マッシナ @massina

決算説明会とかで「設備投資はキャッシュフローの範囲内で」という話をしている場合は経営が概ね巡航速度にあるというか粛々とやってます的な感じになります。あと労働集約型だと設備投資割とどうでもよかったりしますのでこういう説明がなされます。

2014-02-22 16:14:12
マッシナ @massina

少し別の見方をしてみます。

2014-02-22 16:15:09
マッシナ @massina

EBITDAは売上に対してキャッシュコストを支払って残ったキャッシュの実入り、という言い方が出来ます。でこれをどう分配するのかという視点で見ると経営思想が見えます。だから無闇にEBITDA使う奴は信用できないとかとdisるひとは基本的に真面目に見てないことがバレバレです。

2014-02-22 16:18:42
マッシナ @massina

キャッシュ収入=EBITDAは、債権者に対する金利の支払いと借金の返済、国に対する税金の支払い、株主に対する配当の支払い、次の成長への設備投資、あと万一の備えに現預金とっとこう、という使途に大別されます。

2014-02-22 16:24:00
マッシナ @massina

で、FCFEこそ株式価値とか書いたことありましたけど、それはEBITDAから税金払って金利払って借金返して設備投資(維持投資と成長投資ありますけど)して、残った株主のための分、だからです。配当されるか内部留保されるかという分配の問題を残しますが。

2014-02-22 16:27:49
マッシナ @massina

有報や短信の財務諸表から簡易にやりたいのであれば、営業キャッシュフローが設備投資と金融投資と配当と現預金とにどういう比率で分配されているか、という見方をして下さい。これも20年くらい見て、変遷を追うと楽しいと思います。

2014-02-22 16:31:15
マッシナ @massina

なので設備投資/営業キャッシュフローとか設備投資/EBITDAとかという指標を長期で見て、どういう事業なのか、どういう会社なのか、というのを理解でき、それを長期の設備投資の前提条件に置くことも可能です。サステナビリティから一歩踏み込んだ感を出しやすい発想です。

2014-02-22 16:36:04
マッシナ @massina

ところがですね。EBITDAや営業キャッシュフローに対する設備投資の比率、というのは、一時的な費用が発生してると弱いんですね。例えばドコモとKDDIとソフトバンクがキャッシュバックで純増獲得だヒャッハーとか、任天堂がWiiU売れねえ、値下げで投げ売りだ!とか言うような時。

2014-02-22 16:42:09
マッシナ @massina

なので体力相応の設備投資水準という、サステナビリティの議論にもなりますが、営業費は営業費で置いといて(特に営業部門が支配的な会社は注意すべき)、このくらいの商売やるならやはりこれくらいの設備投資必要だよね、という話になるので、設備投資/売上高を見ます。

2014-02-22 16:44:14
マッシナ @massina

まあ超長期の平準化の議論なので、そういう営業費も平準化して考えますから、(設備投資/EBITDA)=(設備投資/売上高)x(EBITDAマージン)、という話で、やはりこれの安定水準はどうかということを先ほどの営業利益/固定資産と整合性を意識しながら見ることになります。

2014-02-22 16:46:56
マッシナ @massina

一般論はこんなところですかね。

2014-02-22 16:48:15
マッシナ @massina

超長期といっても、超長期で投資計画が見えている場合はそれを使います。私の思いつく範囲で言えば、電力会社、電鉄会社、オリエンタルランド、ホテルあたりがそれに相当しますかね。許認可の理由などで数年~数十年単位で計画を立てている場合はその計画をそのまま入れます。

2014-02-22 16:51:07
マッシナ @massina

あとはハイテクでもかつてのDRAMとか液晶とか、それとゲーム機もまあそうかなという感じですが、世代によるサイクルが見えている場合。これも超長期というよりは数年程度の中長期サイクルですが、一様な数字を入れるのではなく世代によるサイクルを売上にも利益にも設備投資にも反映します。

2014-02-22 16:53:20
マッシナ @massina

あとはNTTなんかで悩むのは、グローバルで見てNTT固定網の設備投資/売上高の水準が異様に高いことなんですよね(グローバル平均15-18%に対してずっと22-24%だった)。結局ペイしなかったISDNがとかFTTH等の過剰な設備がとかPSTNの維持コストがとか様々な理由があり、

2014-02-22 16:57:37
マッシナ @massina

それはそもそも電話網が構築された時期と更新時期が各国で異なるからとかという話もないではないんですが、やはり経営努力で削減していくという方針な中で、コムシス等の工事費の抑制も含め、構造的にコスト下がる部分もあるので、この辺りをどういう速度でどう落としていくかという匙加減になりますね

2014-02-22 17:00:14
マッシナ @massina

まあぶっちゃけ設備投資削って償却減って利益が伸長する、なんて業績予想はどこかおかしいって思わないとダメですよってだけの話ですね

2014-02-22 17:10:55
マッシナ @massina

ああ、それで、EBITDAの倍率に株式の時価総額ではなくEV(企業価値=時価総額と有利子負債の合計から現預金引いたの)を用いてEV/EBITDAとする理由は、EBITDAの分配先が株主と債権者と両方だからですよ。

2014-02-22 18:32:30