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ともかく演習はできるだろう。 それぞれ配置につこうとしたが、DAIとせろふぁんが動かなかった。 「どしたん? はやく配置に」 「「すいませんさっきの失禁で燃料が全部」」 ロリスキーの開いた口が塞がらなかった。
2014-02-23 00:06:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「赤髪さんが悪いんだよなあ…」 「えー」 結局、ロリスキー艦隊は赤髪とロリスキーだけである。なんなのだこれは。 4VS6だと思ってたら4VS2になったでござる。しかも丸裸の空母だ。
2014-02-23 00:08:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「もうこれ、事故で6隻沈んだってことにして演習中止しません?」 「いや一応やりましょうよ…」 ロリスキーの言葉にウッカリデスが答えた。その通りである。 気力がなくとも演習はやるのだ。 「それじゃ配置についたんで航空戦やります」 艦載機がロリスキーと赤髪から飛んでくる。
2014-02-23 00:11:49![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「対空防御!」 ウッカリデスの言葉ひとつで艦隊から機銃の雨が艦載機に向かう。艦載機は式神なので落とされてもボーキサイトさえあれば補充はできる。 遠慮はいらなかった。機銃を受けて艦載機がばたばたと落ちていく。
2014-02-23 00:13:32![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「いけるやん!」 艦載機が落ちていくのを見たくぬがガッツポする。しかし次の瞬間凍りついた。 落ちた艦載機が向かった場所はDAIとせろふぁんが浮かんでいる場所だからである。 「あっ」 やぬが声を出したときには遅かった。
2014-02-23 00:15:10![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
艦載機が激突しまくって、せろふぁんとDAIは大破した。 曳航不可能な状態になった。 「あの」 ロリスキーがウッカリデスを問い詰めようとする。 「雷撃処分しましょう」 「あのさあ」 「雷撃処分しましょう!!」
2014-02-23 00:16:56![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
明らかなゴリ押しだったがぶっちゃけそうするしかなかったので、雷撃処分することになった。 せろふぁんとDAIは覚悟を決めて「経験値にしてください」と語った。 仕方がなかった。不幸な事故だったのだ。
2014-02-23 00:20:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
結果、演習なのに6隻ほど沈むというかなり不幸な展開になったのだが、 深海棲艦と戦う艦娘にとっては日常茶飯事の出来事であるため名誉の戦死として処理された。
2014-02-23 00:22:19![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そして色々あって艦隊決戦に臨むことになった。 ウッカリデス、ロリスキー、赤髪、やぬ、くぬ、丸太で艦隊を組むことになった。 意外とバランスは良かった。
2014-02-23 00:24:59![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「まず前線のラバウルに行くらしい」 「もう戦ってるんですかね」 「一応」 「一応?」 「問題児ばかりで戦いというか暴走というか」 話すロリスキーの顔が曇る。ウッカリデスも顔が曇った。
2014-02-23 00:27:08![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ウッカリデスは不安になったが、行くほかあるまい。 さらに護衛艦をつけてもらえるらしいのでラバウルまでは安定だろう。 護衛艦として駆逐艦すがり、駆逐艦ルートゾーン、駆逐艦プロトオーガをつけてもらえることになった。
2014-02-23 00:30:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
駆逐艦の護衛艦3人は新米だった。 いや大丈夫なのかそれとは思いつつもまあ何とかなるだろうとウッカリデスは思った。
2014-02-23 00:33:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「あっ」 航行中、鎮守府から1000kmほど離れた海の真ん中でルートゾーンが何事かに気づいたように言った。 「どしたん?」 先輩にあたるくぬが話しかけると、ルートゾーンは青ざめた顔で言った。 「装備忘れた」
2014-02-23 00:35:07![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「は?」 スロットを確認してみたら、何もない。 「いや、あの」 くぬは困惑した。いくらなんでも初期装備の12cm砲くらいはあるだろう。 「実はその、建造されたときに装備引剥がされて」 「マジで」 くぬはウッカリデスに報告した。 「マジで」
2014-02-23 00:37:06![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「戻りましょうよ」 くぬが進言した。悲しい演習を経て、くぬは成長していた。 「いやでも、1隻だけならまだなんとか」 すがりとプロトオーガがおそるおそるといった調子で手を上げた。 「マジか」
2014-02-23 00:38:55![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「これは提督サイドの責任じゃないんですかね…」 ロリスキーが苦々しい顔で言う。その通りなのだが、海のどまんなかで提督を責めてもどうしようもない。
2014-02-23 00:39:57![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「あの」 丸太が手招きする。ウッカリデスは何事かと耳を貸した。まさかこいつもじゃないだろうな。 「もしかしてこれ、捨て艦なんじゃ…」 「いやいやいや…そんなこと…」 否定できなかった。何しろ護衛艦のあの3人、近代化改修も何もされてないのである。
2014-02-23 00:42:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
鎮守府での噂に、捨て艦戦法というものがある。 主力を守るためにわざと装備も何もない囮を護衛につかせ、敵の攻撃を集中させるという戦法らしい。 いやいやそんなことするわけないやろとウッカリデスは思っていたが…
2014-02-23 00:45:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「敵です!」 やぬの報告。最悪だった。よりにもよってこんなときに。 見れば敵の重巡と雷巡を中心にした艦隊がこちらに向かっている。 さらに後方には戦艦もいた。
2014-02-23 00:48:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
アカン。 逃げたくなった。しかし逃げれば新米の3人はついてこれず沈められるだろう。 しかし守りながら逃げるとなると確実にこちらの誰かが沈められるだろう。 提督の馬鹿野郎である。こんな決断現場にさせんじゃねーよ。
2014-02-23 00:50:18![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ウッカリデスの脳裏にあの演習の悲劇が蘇る。 ロリスキーもきっとそうなのだろう。味方を雷撃処分してまで経験値を得て、自分たちは強くなったのだ。 ここで沈められるわけにはいかないが、捨て艦戦法を現場が肯定してどうする。迷った。
2014-02-23 00:52:44![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「戦ってもいいんじゃないですかね」 やぬが言った。 「絶対沈むわけじゃないですし」 「そうだそうだ」 くぬが同調した。 「僕、撃墜した艦載機を艦にぶつけられる腕前あるんですからきっとだいじょうぶですよ!」 くぬの顔は内川コピペのように晴れやかだった。
2014-02-23 00:55:51![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ウッカリデスはロリスキーと赤髪を見た。 2人は頷いた。 ウッカリデスは号令を出した。 「敵艦に突っ込め! 新米を守るんだ!」
2014-02-23 00:57:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
翌日、海底で冷たくなっているくぬが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。 艦隊はなんとかラバウルに辿り着いた。
2014-02-23 00:58:20![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
護衛艦の3人は涙を流していた。 「強くなります…!」 「装備も忘れません…!」 「近代化改修もします…!」 自分たちの責任ではないのに、すがり、ルートゾーン、プロトオーガは悔しがっていた。 彼らとは別れることになったが、きっと彼らは強くなるだろう。
2014-02-23 01:01:47