-
0UUfE9LPAQ
- 1428
- 0
- 0
- 0
-
- いいね！0
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
チク、タク、チク、タク「……あれ？」チク、タク、チク、タク「君はどこかな？」チク、タク、チク、タク「君は、消えちゃったね」チク、タク、チク、タク
2014-02-26 01:43:44
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
その言葉と同時に、詠の周囲が融けだした。世界が液体となり、詠の体を包み込む。「ふむ、君の想い出のエキス……きっちり頂いたよ。これで地球破壊爆弾の完成にまた一歩近づいた……」 その液体をガラスケースに入れ込むウッカリデス。「ああ……」
2014-02-26 01:44:50
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「さて、まーた康一君は何も出来なかったけど、なにかあるかな」「そ、それでも……俺、諦めねえから」「ふむ、良い返事。ならば、もう少し不幸を振りまく。それが僕の幸せ」そう言うと、ウッカリデスは水晶へと変わった詠に触れる。 「いでよ、けしカス！君の抜け殻で世界を壊してしまえ！」
2014-02-26 01:46:30
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「なんてことだ……なんてことだ……」康一君は自分の行動を呪う。まさかカップルのハッピーを褒めただけでけしカスを産んでしまうとは想像もしなかった。現世怖すぎる、なにがカラオケだ、なにがいのっちだ、死ねばいいのに。
2014-02-26 01:49:34
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「地図氏の言ってた地球破壊爆弾が完成する前になんとか伝説の戦士を探さないと……！」「その前に自分が戦死しないといいですな」シルクハットをあげてウッカリデスはいやらしく笑う。手に持ったステッキを振りかざし、けしカスを指揮するように動かした。「さあ、貴方の不幸を撒き散らしなさい！」
2014-02-26 01:52:34
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「カッスー！」さながら巨大なカカシのようなけしカスへと変貌した詠が拳を振り上げる。狙いは……自身の母親だ！「ハッピーは消させないって！」康一君は薪を投げつける、無意味！
2014-02-26 01:53:57
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
振りかざした拳は勢いを止めることなく、トモカを襲――――「……む？」――――わなかった。腕が伸びきることなくトモカの直前で止まる。腰を抜かしたトモカになにかが出来たとは思わない。つまり、けしカスとなった詠の意思だ。
2014-02-26 01:56:55
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「あ、そうか！」その現象を康一君は知っていた。自身の育ての親、地図の言葉にあった。「幸せな気持ちを消すことに不幸を覚えない人間はめったに居ない！地図氏が言ってたぜ！」「オマヌケ！けしカスは私と同じ！他人の不幸が蜜の味！」ウッカリデスは対抗するようにステッキを再度振りかざす。
2014-02-26 01:57:32
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
詠は不思議な夢を見ていた。「やあ」いつか出会った髪の長い妖しい男が立っていた。「思い出したかな」「……」「なるほどねー」無言の意味を察した男は寂しそうに笑った。笑いに感情が現れる時は、常に寂しそうだったことを詠は思い出した。
2014-02-26 01:59:02
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「まあ、いいや」本当は良くないことは顔をみればわかった。それでも、上手く口が動かなかった。「君は、なんで母親を襲わなかったの？」「…………幸せそうだったから」やっと口が動いた。「私、お母さんのこと全然見てなかった」「なるほどねー」
2014-02-26 02:00:18
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「お母さん、ずっと淋しかったんだ。私と居て楽しくても、同じくらい淋しかったんだ」「そうだね」「そんなことにも気づかなかった」「うん」「……私、居ちゃいけないんだ」「そうでもないよー」
2014-02-26 02:01:31
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「君がお母さんのことをハッピーにしたいのなら、お父さんに頼んでごらん」「……お父さん？」「新しいお父さんが出来るかもしれなくても、君のお父さんはもう一人居るだろ？」「お父さん……鏡」「ミラクルマジミラー！」「カッコ悪い」「カッコイイよ」「カッコ悪い」「カッコイイってば」
2014-02-26 02:03:06
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「ミラクルマジミラー、君と、君のお父さんへの想いと、君のお母さんへの想い。三つの心が一つになれば百万パワーさ！」ケラケラと笑う男。「それと、約束を一つ。他人の幸せを妬んじゃいけないよ。きっと、それは君の幸せも邪魔しちゃうからね」 「忘れちゃ、いやだよ？」
2014-02-26 02:05:06
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「けしカス、やれって！」「頑張れけしカス！負けるなけしカス！ハッピーを奪っちゃ駄目なんだってば！」「だーかーらー！他人の不幸が幸せなんだって！」ウッカリデスと康一君は二人して必死にけしカスに声援を送り続ける。けしカスとなった詠は動かない。すでに母親は避難していた。
2014-02-26 02:06:55
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「魔法で奇跡……」「ん？」「お？」鳴き声とは違うはっきりとした言葉にウッカリデス、康一君がともに声をあげる。記憶の残り香であるけしカスは本来明瞭な言葉を発することが出来ないからだ。「マジック、ミラクル……うん、そうだ……合言葉は……」
2014-02-26 02:08:53
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「プリキュア、マジミラトランスフォーム！」激しい光が水晶の中から吹きすさぶ。「うぉ、まぶしっ！」「これは……なんだ、聞いてないぞ地球破壊爆弾……！」光が水晶を溶かしていき、詠の体が再構成される。 手首には魔法で奇跡の手鏡が。手鏡が想い出を蘇らせていく。時間が巻き戻る。
2014-02-26 02:13:38
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
次回予告 「エドちゃん！私、プリキュアになった」「ほーん、で？」「一緒にプリキュアやろう！」「言うと思った」 「あんたにプリキュアなんて無理だよ」「無理じゃない！」「……危ないから、やめとけって」 「先生、犬飼ってるんですか？」「ヒモ飼ってる」
2014-02-26 02:18:50
さすらいのヒモ🔞
@7WJp_Ebou
「傷つくのが怖いんじゃない、傷つけるのが怖いんだ。だから、近づいて欲しくなんてないんだ」「結局、怖がってるだけじゃん！自分のことしか見てないだけなんだよ、私も、どっちんも！」 「今、大事なお話中！」 「荒野に吹く魂の風！キュアドットーレ！」
2014-02-26 02:19:42