- kokada_jnet
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ふと。日本SF第一世代と、江戸川乱歩はどういう関係だったのか、気になっている。筒井さんと星さんを見出したのが乱歩でありながら、日本SF史で大きく取り上げられているのを見た覚えがない(ぼくが忘れただけかも)。何かその辺り、乱歩の文章か何かに残ってないかな。
2014-02-28 01:59:38@naoya_fujita 私もそれが気になってます。『探偵小説四十年』にはひとことも言及がなかったですし…。中原弓彦(小林信彦)の〈宝石〉時代の記録を当たるのが早いのかなぁなどと思っています。あとは『夢の砦』とかでしょうか。
2014-02-28 02:07:18戦前の「新青年」的な「変格」探偵小説としての海野十三や蘭郁二郎の科学(冒険)小説を、いかに戦後の空気の中で福島正実や宇宙塵、SF第一世代の作家たちが遠ざけたか/継承したかを見る必要があると思うよ“@naoya_fujita: 日本SF第一世代と、江戸川乱歩はどういう関係だったのか
2014-02-28 02:23:07@youchan_togoru ありがとうございます。ご教示いただいた資料に片っ端から当たってみるべきかもしれませんね。もしまだまとめられていない歴史なのでしたら、調べていく過程でそこをなんとか繋ぐ見解が出せるかもしれませんね。すぐにではないですが、調べてみたく思います。
2014-02-28 03:46:38@naoya_fujita だとすれば、加納一朗先生に聞いてみるのも、ひとつの手だと思います。
2014-02-28 08:13:39@naoya_fujita 小林信彦と横溝正史の対談をまとめた本『横溝正史読本』に、眉村卓がちらっと話題に上がっていました。当時、SF作家は注目の存在であったようです。が、文献としてまとめられているものが確かに少ないですね(星新一伝記くらい?)。俄然気になってまいりました。
2014-02-28 08:50:30乱歩には「科学小説の鬼」という文章がありますね。また、〈宇宙塵〉2周年に祝辞を寄せています。 RT @naoya_fujita 日本SF第一世代と、江戸川乱歩はどういう関係だったのか、//何かその辺り、乱歩の文章か何かに残ってないかな。
2014-02-28 08:56:29@naoya_fujita 江戸川乱歩が『宝石』1953年8月号の「S・Fの鬼」(のちに「科学小説の鬼」に改題、『続・幻影城』に収録)と、『宝石』1954年8月号の「海外近事」内の節「「科学小説」からの挑戦」(『子不語随筆』に収録)で矢野徹に言及しています。(続く)
2014-02-28 09:40:43@naoya_fujita 後者によれば、矢野徹は1953年に渡米した際にカート・シオドマクの『ドノヴァンの脳髄』の翻訳許可を作者本人からもらってきていて、実際に訳して原稿を乱歩に渡したそうです。ただ、乱歩は訳稿をまだ読んでいないと書いていますが……。(続く)
2014-02-28 09:41:29@naoya_fujita 後者は英国のSF作家と探偵作家の論争を紹介した文章ですが、乱歩は「私は昔から、探偵小説と科学小説は親類筋の興味だと考えている。日本では広義の探偵小説の中に科学小説が包含されてさえいる。両者は争うべきものでなく、手をたずさえて進むべきものだと思う。」と。
2014-02-28 09:42:07@naoya_fujita また、乱歩に星新一の「セキストラ」を強く薦めたのも矢野徹のようですし(未読ですが、最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』にそう書かれているそうです)、矢野徹の書いた文章を探れば、SF作家たちと乱歩の関係が見えてくるかもしれません。
2014-02-28 09:44:02@naoya_fujita 日本推理作家協会の1964年の会報を以前に読んだときにメモしたのですが、当時、小松左京、筒井康隆、眉村卓が日本推理作家協会関西支部の会合に顔を出していたようです。推理作家だと、関西支部には黒岩重吾、陳舜臣、山沢晴雄、香住春吾らがいました。(続く)
2014-02-28 09:56:22@naoya_fujita 矢野徹も関西支部の前身である関西探偵作家クラブの会報に英米SFについての文章を寄稿していたようですし、乱歩に直接つながるかは分かりませんが、SF作家たちと推理小説界のつながりは関西方面の人脈を探れば見えてくるかもしれない……と思います。
2014-02-28 09:57:17@Colorless_Ideas ありがとうございます。とても、参考になりました。やはり、『宝石』を次々と目を通していって、可能であれば会報などを参照したり、インタビューをさせていただくのがよさそうですね。中長期的な視野で、取り組んでみたく思います。
2014-02-28 16:46:20数日前に乱歩と日本SF第一世代の関わり http://t.co/2og3RWWV3G の話題が出たときに、日本推理作家協会の昔の会報にSF特集の号があったような……とぼんやりとした記憶が浮かんだので、図書館で確かめてきた。
2014-03-04 22:30:41まずは会報1957年12月号(125号)。「われらが隣人科学小説に就て」という特集タイトルのようなものが付されているが、実際は渡辺啓助の随筆「科学小説と私たち」があるだけ。自分がSFに目を向けたきっかけや、おめがクラブ及びその同人誌『科学小説』が生まれた経緯などについての随筆。
2014-03-04 22:31:26同号の「消息」欄には新入会員として星新一の名前がある。また、「土曜会十月例会記」は矢野徹の執筆。乱歩や矢野徹、今日泊亜蘭らが出席。ゲストは藤沢衛彦と、『宝石』に「セキストラ」が掲載されたばかりの星新一。ほかに渡辺啓助がおめがクラブについて挨拶し、『科学小説』を配布したとのこと。
2014-03-04 22:32:05で、日本探偵作家クラブ会報1959年9月号(144号)が「特集 科学小説」。随筆5編。 高木彬光「科学小説私見」 矢野徹「SFシュミチョロ説」 星新一「抱負と現実」 斎藤哲夫「SFへの要望」 柴野拓美「SFと『宇宙塵』」
2014-03-04 22:33:27矢野徹は「SFシュミチョロ説」で、「SFというと何だか固いお話のようにきこえるが、SFに出てくる科学は、シュミチョロのシュミーズに相当するもので、チラチラと見える小道具にしかすぎない。」と主張。「科学小説という命名自体がおかしいのかも知れない」「科学の登場しないSFもあるわけだ」
2014-03-04 22:34:23それから細かな情報だが、会報1954年4月号(83号)によれば、矢野徹は関西探偵作家クラブの12、1月例会にゲストとして出席。「科学小説に関する話題を提供した」。そして会報1954年11月号(90号)に掲載された「日本探偵作家クラブ関西支部会員名簿」には末尾に矢野徹の名前がある。
2014-03-04 22:35:33日本探偵作家クラブ会報1962年7月号(178号)には、渡辺啓助の還暦を祝って綴った星新一の随筆「渡辺先生の一面」。おめがクラブ誕生のころに『宇宙塵』の柴野拓美に連れられて初めて渡辺啓助宅を訪れ、それからしばらく、渡辺宅がSF愛好家のたまり場になったというエピソードなど。
2014-03-04 22:36:44渡辺啓助と初期SF作家たちの関係はよく知られていることのようだが、一応。乱歩とSF作家たちが直接つながるような情報は今回は見つけられなかった。
2014-03-04 22:37:41