知られざる名作・岡本喜八監督「沖縄決戦」(評者・四式戦闘機弁務官丙型)
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togetter用資料 / “http://t.co/uVlTklt4Cd: 激動の昭和史 沖縄決戦: DVD: 小林桂樹,岡本喜八,丹波哲郎,仲代達矢,酒井和歌子,大空真弓,加山雄三,池部良,新藤兼人” http://t.co/NRM5laAaiX
2014-03-08 06:43:41ひたすら凄惨な戦闘が続く、爽快感も何も無い映画なのだが、群像劇として非常によくできている。一言で言うとキャラが立っている。立ちまくっている。
2014-03-07 10:42:04例えば32軍司令官牛島中将は、一番偉いのに大抵敬語調で喋る。床屋との「司令官を見ていると落ち着きます」「ははは、そうかね。私の役割はそんなものかも知れないねえ」という短いやりとりだけで、この人物の輪郭を的確に描いてみせる。
2014-03-07 10:44:30あるいは長参謀長と八原高級参謀。凡百の脚本では単に対立構造で描くのだろうが、ちょっとした仕草や台詞から、たとえ作戦構想上で対立していたとしても長が八原を信頼し、八原が長に敬意を抱いていたことが分かるようになっている。
2014-03-07 10:45:52これは脚本もいいんだろうけど丹波哲郎と仲代達矢の好演なんだと思う。作戦会議が紛糾した後で長が八原のところにやってきて、呻くように「頼む、快く賛成してくれ」と懇願し、理性と感情の狭間で八原が苦悶する表情とかもう絶品としか言いようが無い。
2014-03-07 10:47:55あと誰も一方的な悪役にも善玉にも仕立てていないのがいい。最近の脚本はこういうとこが全然できてないと思う。例えば良識派で理性派の八原も、いい人扱いにはなっていない。軍人として冷酷で非情な事も平気でやる。32軍司令部が沖縄県をぞんざいに扱う所もきちんと描いてある。
2014-03-07 10:50:01細かいとこだと、ちょっとした史実をさりげなく盛り込んでいるところとかも真面目に作ってある映画だと感じさせる。牛島司令官が島田知事に鰹節を振る舞うところとか、自決直前の長が八原に昔見た映画の話をするところとか。
2014-03-07 10:52:06長と八原の映画の話なんか、下手な脚本だと話の冒頭に持ってきて二人が昔からの知己であることをだらだら描いたりするんだろうけどな。
2014-03-07 10:52:57脇役もいいのよ。特にいいのが賀谷支隊を率いて模範的な遅滞戦を貫き通した賀谷興吉中佐。前線での指揮官に求められるのはこういう姿なんだなあ、と思ったり。率先垂範指揮官戦闘、豪放磊落にして冷静沈着、そして最後まで笑顔とユーモアを忘れない。
2014-03-07 10:56:24あと、牛島の命で沖縄を脱出し上京して航空支援を懇願する航空参謀を冷たくあしらう陸軍中枢の姿がもうね。薄汚れた軍服姿の航空参謀と、自宅で浴衣姿の高級将官。「沖縄は本土の為にある!」と臆面も無く言い放つ醜悪な姿。
2014-03-07 11:01:18まあとりあえず言えるのは、宮崎作戦部長は死ねということだ。あいつのうのうと生き延びてんだよな。息子さんは陸自で陸将になったらしい。
2014-03-07 11:06:22たぶん、戦争やってたころの新聞なら兵営の中で覚える軍隊用語がそのまま記事に出てきて通用してたんだろうけど。今は敗戦で用語が変わって、旧軍の用語、自衛隊の用語、新聞の用語、オタク趣味の用語と別々になってるからなぁ。
2014-03-07 16:44:51昨日見た「沖縄決戦」でも、「ドッコン44リョ」だの「24シと62シ」だの観客置いてけぼりの台詞が飛び交ってたんだよな。あれ、当時の観客は理解してたんだろうか。
2014-03-07 16:47:54togetter用資料 題名と監督で検索するとamazonよりこちらが上に出る。 / “『激動の昭和史 沖縄決戦(1971/東宝)』 岡本喜八監督 無名の人々のエピソードの緻密さが出来事の深さを感じさせる - 物語三昧〜できればよ…” http://t.co/AQunAUzPb9
2014-03-08 06:44:32