海の大戦:第一交流フェイズ【強奪の陣営】

集いし加護は、三つ。 無学【@nigayuki_umi】 壊尽【@sinka_umi】 偽計【@Pitti_umi
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【強奪】『無学』 @nigayuki_umi

乗っている船を迎撃拠点の超大型船に連結させる。鎖を投げて、浮き橋に結べば完了する。 「"とっておき"は何人集まったかな。出し惜しみすれば私刑を受けるおそれがあるから、それなりにいると思うんだけど」 橋を歩くたびに、腿が引きつる。『殉教』の顔に捻れた槍を押しこみたい気分だ。

2014-03-02 00:37:28
【強奪】『無学』 @nigayuki_umi

甲板に出た。中央に一段高い位置、船長室が開け放され、その奥中に黒い鳥がおり何か異様であった。 「鳥が、『加護』って……だめだ敗戦しちまうー!」 脚を平手で二度叩き、なるべく軽快な音を発てて船長室に入ると、使いであると判った。 「……難読文字使ってないな、120点あげちゃう」

2014-03-02 00:46:57
【強奪】『無学』 @nigayuki_umi

「ポストは早いもん勝ちだろ?おやつ食ってぐーたらする幹部はどれだ?やっぱ船長かな  ……でも責任者は嫌だなあ、部下が死ぬのは辛いからオレには無理だと思うんだ」 黒い鳥に言葉を投げて 「よし、オレはご飯の見張り係幹部だゼ」 と決定し、角の積荷の一つひとつあらためはじめた。

2014-03-02 01:00:31
【強奪】壊尽 @sinka_umi

長い裾を引き摺って、少年は歩む。途中、廊下の壁に指を添わせ、撫でた。ぱら、ぱら。少年の爪から伸びるように、四方へ罅が入る白い壁。剥がれ落ちていく欠片が、前方から吹く風に吹かれ、宙を舞う。 「ふふっ、いっけない。壊しちゃダメだよねえ、此処」 愉しそうに目を細め、壁から手を離した。

2014-03-02 01:02:02
【強奪】壊尽 @sinka_umi

「我慢、って、良くないよねぇ」 笑みは深まる。くつり、くつり、と歪むその顔に、童特有の無邪気さはない。風にたなびく金糸が、透けるように淡さを増して。赤から青に瞳の色は変わる。変わる、青から紫へ。紫から灰色へ、一色が瞳に留まることはない。 少年の歩みはやがて廊下から、甲板へ。

2014-03-02 01:05:40
【強奪】壊尽 @sinka_umi

「わーぉ、真っ青」 真っ青な空と白い雲が目に映る。瞳の色が青く染まる、白を散らせる。太陽の眩しさから目を逸らすように、少年は目を伏せた。——そうして、ふらりと足を踏み出す。 「あー眩しいなあ、壊したいなあ」 なんてねぇ、ふふっ。冗談を言うように軽く、空に零して、また笑みを深めた。

2014-03-02 01:07:28
セシリオ @ord_cecilio

波の間を裂き、小舟が【強奪】本拠たる大型船へ一直線に向かってくる。それに乗るのは、およそ操船には似つかわしくない燕尾服の青年。しかしその容貌に似合わず、その操舵はーー舟の大きさ、そして本拠という巨大な障害物の存在の影響を除けば、だがーー割合しっかりとしたものだ。

2014-03-02 01:46:36
セシリオ @ord_cecilio

「ああ、いけない、いけない。遅れてしまった。」 そう一人ごちながらも、その顔に浮かぶのは笑みばかりだ。言葉と合致するような焦りの色、申し訳なさ、そういうものは一切過ぎ去った舟の後ろに忘れてきたような。やがて舟は桟橋へと辿り着き、それを繋ぐと彼は悠々と橋の上を歩んでいく。

2014-03-02 01:53:16
セシリオ @ord_cecilio

自らの存在を誇示するように、木床から硬い靴音を響かせながら。

2014-03-02 01:54:09
【強奪】壊尽 @sinka_umi

目を伏せて歩いていれば、背後から響く音。やけに硬いその音に、首を傾げ、振り返る。甲板、ではないなあ。何処だろうか。探るように周りを見回して。 「ああ、桟橋!」 ぽんっ、と手を叩き、それの方へ身を翻す。船の縁に手を掛け、身を乗り出した。 「んーと、あれは、『偽計』かなぁ?」

2014-03-02 02:44:07
【強奪】壊尽 @sinka_umi

確認するような響きを持った言葉は波の音に飲み込まれ、少年は縁から手を離した。ぱらり、ぱらり、と少年が握っていた縁が、彼が触れていたところだけ小さく薄い木片となり剥がれ落ちる。——そこだけ、風化したかのように。潮風が床に落ちた木片を攫っていった。

2014-03-02 02:44:23
【強奪】壊尽 @sinka_umi

「んー、せっかくだから待とうかなあ」 着実に桟橋を渡り終えようとしている青年を眺め、呟く。先に行ってもいいけど、折角彼に気づいたのだし。うんうん、と自ら言い聞かせるように、数回首を縦に振って。 「壊したくなる前に来て欲しいなあ」 その場で仁王立ちをして、『偽計』を待つことにした。

2014-03-02 02:54:09
セシリオ @ord_cecilio

はらはらと目の前を行き過ぎたのは何がしかの塵であった。晴天、広がる白い雲。頭上に広がるそれからはそのようなものが降ってこようはずもない。ならば出所はと、眼前にして歩んでいく先、船の外周全体へぐるりと素早く視線を走らせ、その一所からこちらを見下ろす小さな影を見つける。

2014-03-02 03:16:52
セシリオ @ord_cecilio

「いやはや、やはり先客がーーこれは少々、仕損じたやもしれませんね。幸先の悪いこと」 その表情は先と変わらず。 呟くようなそれから、一挙に視線の先の『壊尽』へと声を張り上げる。 「すぐ参ります、お待ちください」

2014-03-02 03:25:04
セシリオ @ord_cecilio

それでも靴音の刻む間隔は変わることはない。メトロノームででも測ったように、同じリズムを刻みながら船内へと消えていく。

2014-03-02 03:25:19
【強奪】壊尽 @sinka_umi

張り上げられる声。それを目を伏せながら、聞く。仁王立ちの姿勢は崩さない。 「ふふっ、相変わらずだなあ。ふふっ」 笑みを伴って吐き出す声は弾んでいる。一度目を開き、船内に消えていく背を上から見下ろした。 一定のリズムを刻んで響く足音は、いつぶりだろう。久し振りだなあ、と目を伏せ。

2014-03-02 12:14:14
【強奪】壊尽 @sinka_umi

——壊したらどうなるだろう。疼くように湧く衝動に笑みを深め、うううん、と首を振る。 「ふふっ、我慢出来る子だから、我慢するのさ。我慢は嫌いだけどねっ」 誰に言うでもなく呟くと、眼を開き、空を仰ぐ。晴天。あおい、海とはちがう青色。ゆるり、と目を細め、閉じた。

2014-03-02 12:14:56
セシリオ @ord_cecilio

靴音は乱れなく船内を進んで行く。各所の部屋の配置、廊下や扉の様子などへ目を走らせつつも、どこかで立ち止まったり寄り道をするようなこともなく。靴音は廊下を反響しながら、真っ直ぐ甲板へと近づいて行き、やがては『壊尽』の待つそこへ、青年が姿を現す。 「いやはや、お待たせして申し訳ない」

2014-03-02 20:16:03
セシリオ @ord_cecilio

申し訳程度に、といった具合で頭を下げ、眼前の少年を見下ろす。

2014-03-02 20:16:11
【強奪】壊尽 @sinka_umi

一定のリズムを刻む足音が徐々に近づいてくる。それを聴覚が拾い、片目をぱちり、と開いた。 そうして現れる姿。それを片目で視認すると、仁王立ちを止め、両手をあげて、出迎える。 「ふふっ、謝らなくていいよ。好きで待ってたんだから」 くるりとその場で回り、微笑む。深まる笑みはただ、軽く。

2014-03-02 21:13:05
【強奪】壊尽 @sinka_umi

「さてさて、俺よりも『無学』がきっと待ってるさ。そっちへ行こう」 『偽計』の頭が上がるのを待って声をかける。それを言い終わるが早いか、ぱっと彼に背を向け、歩き出した。スキップをするような足取りで、目指すのは開け放された船長室。 ゆったりと目を伏せ、鼻歌を口ずさみ、進んでいく。

2014-03-02 21:13:41
セシリオ @ord_cecilio

頭を上げる頃に、その頭上から彼の声が降る。見やればその顔は既にこちらに向いておらず、その軽快な足取りが向かう先には扉が見える。廊下で見てきたそれよりもひときわ豪奢に見えるそこは、船長室か。

2014-03-02 22:37:17
セシリオ @ord_cecilio

「ああ、『無学』の着いていないはずがありませんものね。他に誰か見ては――というのも、彼女に聞いた方が早いですか」 来た時と同じ歩みで、『壊尽』の後へ付いていく。歩幅の違う歩みは、すぐにその隣へ追いつくだろう。

2014-03-02 22:38:08
セシリオ @ord_cecilio

それにしても、『無学』は大人しく船長室に収まっていられるような人物であったろうか? 記憶の限り、あまりそのような印象はなかったように思える。

2014-03-02 22:38:59
セシリオ @ord_cecilio

しかしそれも彼女自身に聞きただせばいいだけの話。たまたま目に付いた――しかも豪奢かつ目立つ――場所にいるだけかもしれないし、そもそもそこに彼女がいるかどうかも、今は定かでない。

2014-03-02 22:39:14
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