- umi_tisn_kanri
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セシリオ
@ord_cecilio
視線は手元の銃へ落としていた。その状況でも得られる情報、一足ごとに重く、大きくなるその足音で、変わっていく『壊尽』の姿を大まかに思い描き。 「その台詞、そっくりお返しします」 言って顔を上げた時には、金の髪がその背を覆う、青年の後ろ姿が見えるのみだった。
2014-03-08 22:49:55
セシリオ
@ord_cecilio
彼が少年の姿であるのはあくまで彼の意思の元であって、その姿形と内面は必ずしも一致しない。子供扱いなど最初からすべきでない。……それを自分に思い知らせたようにも、見えた。 銃をホルスターへ収めて腰へ吊り、仕込んだ投げナイフの本数と状態を確かめて。 「まったく」
2014-03-08 22:50:23
セシリオ
@ord_cecilio
そもそも子供と言うなら、『無学』の方が内面はよほどそれらしいのだ。そもそもそんなことに拘る方が阿呆だったか。 そんな思いを抱きつつ船長室を後にして。歩きながら、懐から出した包みを解いていく。
2014-03-08 22:51:13
セシリオ
@ord_cecilio
その中から現れるのは紐のついた円環、そしてその中にある小さな砂時計。 これを出すのも久方ぶりだとひとしきり金環に、革紐に目を走らせて。それから紐を首にかけそれを提げる。 そうした頃には、もう足は自分を桟橋へ運んでいる。一つきり残された船へ乗り込んで、大海へと進み出す。
2014-03-08 22:52:51
セシリオ
@ord_cecilio
吹き付ける潮風の中で、すいと一文字に結んだ唇を、指で撫でる。 真を話す時間は、話せる時間は終わりだ。ここから放たれる言葉は、今をもってすべてが相手を欺く計略の道具となる。
2014-03-08 22:53:21