海外渡航移植と、日本の脳死移植の問題点

海外渡航移植の記事がきっかけとなった、tweetをまとめました。 日本人は、自分や家族が脳死移植のドナーになる可能性について、もっと考えるべきだと考えています。
13
田舎の元外科医 @inakashoge

辛辣な物言いになるが、この募金は病児を新たに一人救うのではなく、移植が受けられる病児を米国人から日本人に変えているだけである。日本で乳児の心移植を可能にすることが本来目標とすべきことではないか。 / “つなごう医療 中日メディカル…” http://t.co/JICnKHK0BN

2014-03-08 17:56:25
リンク つなごう医療 中日メディカルサイト 「澄花ちゃんに心臓移植を」 富山で募金活動 手術や渡航費用1億2千万円求め 生まれつき重い心臓病を抱え、米国での心臓移植手術を目指す長尾澄花(
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 脳死移植は人の死が前提の医療であることを、多くの日本人が意識していない。自分(の子供)には移植してほしいが、自分(の子供)が死んだときには臓器提供したくないという感情が、倫理的に許されるのかという問題がある。渡航移植ではこの問題がマスクされてしまう。

2014-03-08 22:22:49
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge 移植を希望する本人、家族だけでなく、渡航移植の募金をする人は、自分や自分の子供が脳死になった時にドナーになる可能性を考えてみるべきだと思う。日本でも法律上は可能になっているのだから。http://t.co/U4cY5IQsyp

2014-03-08 22:29:30
植田育也 Ikuya Ueta @Ikuya_Ueta

今日は大阪で小児の脳死と臓器提供の話をしてきました。テクニカルな臓器提供手順のことではなく、まずは小児の救命がしっかりできるような医療体制、それから脳死に限らず虐待された子どもの診療がしっかりできるような体制が必要と訴えました。

2014-03-09 17:52:32
小林 紀方 @n_kinfo

@kotarotamura 来年中学に進む息子でさえ自宅から通わせたいと願う私にとっては、4歳は考え難いです。ただそういう親の気持ちが可能性を縮めているとすると苦しくなります。

2014-03-08 23:50:51
植田育也 Ikuya Ueta @Ikuya_Ueta

@n_kinfo おいでいただきありがとうございました。小児救急医として、まずは救命治療から、まずは被虐待児の診療からはいって、その最後の所に家族への意思確認と提供があるのだと、いつも思っています。

2014-03-09 17:49:54
植田育也 Ikuya Ueta @Ikuya_Ueta

それから医療者も一般市民の方も、もし自分や最愛の家族(子どもも含め)が脳死になったらどうするか、普段から良く考え、話し合っておいて欲しいと思います。大概、「その時になってみないと・・」というお答えですが、その時になってみるともっとわかりません。そして「その時」は突然やってきます。

2014-03-09 18:02:49
小林 紀方 @n_kinfo

@Ikuya_Ueta 今日の会は仕事帰りで小汚い服で行くか迷ったのですが、参加して本当に良かったと思っています。先生の「子どもを診たら虐待と思え」は心に響きました。子どもを守るために私のなかの「強い心」が問われます。

2014-03-09 21:00:38
植田育也 Ikuya Ueta @Ikuya_Ueta

@n_kinfo 一方で個人の努力のみでなく、その疑いを持ち込める、まずは病院の虐待対策の委員会組織し、そしてそれを経験ある強い集団にしていくことも、大事だと思います。

2014-03-09 21:12:40
田舎の元外科医 @inakashoge

@inakashoge FBにて日米欧の脳死移植事情に詳しい循環器科の先生からコメントを頂きましたので、許可を得て転載します。(転載のため一部改変しています。)

2014-03-09 20:30:32
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用1)米国では、5%程度は、外国人レシピエントに臓器提供のルールがあります。 移植ユニットに日本人医師がいるところ(たとえば、コロンビア大学心臓移植ユニットのディレクターである阪大医学部卒で心臓外科医のDr.Naka)などが日本からのレシピエントを受け入れています。

2014-03-09 20:32:11
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用2)現在、日本でも小児優先提供(小児のドナーが出たら、小児に提供)の制度はあります。 もちろん、日本の心臓移植ユニットは、資金面は協力しませんが(募金等は黙認)、コーディネートはしています。

2014-03-09 20:34:15
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用3)移植の時も、入院中の心臓移植ユニットの心臓外科医、循環器内科医、レシピエント・コーディネーターのナース、臨床工学士(VADをつけて渡航するので)が日本から、飛行機で米国までついていきます。

2014-03-09 20:35:10
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用4)心臓移植の検討会議が、日本の各心臓移植ユニットで月1回開催されています。そのユニット所属の循環器内科医、心臓外科医、移植コーディネーターのナース、臨床工学士、それにICUの医師、病理の医師、呼吸器内科、呼吸器外科、小児循環器、放射線科の医師がメンバー。

2014-03-09 20:35:51
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用5)他の施設からの検討依頼もあり、その施設の担当医が説明に来ます。 それで承認されると、次に日本循環器学会で検討会議があり、移植レシピエントに登録されます。だいたい1か月以内に登録されます。

2014-03-09 20:36:36
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用6)小児の場合は、成人も含めた通常のwaiting list順位と、小児だけの順位と二通りあります。 想像はつくと思いますが、成人のドナーも少ないのですが、子どものドナーはもっと少ないのです。

2014-03-09 20:37:27
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用7)子供のレシピエント候補の場合、現在は、ドイツのメーカーの体外式VAD(成人用では大きすぎるため、子ども用のVADが開発されました)を装着して移植を待つケース、カテコラミンを持続点滴しているケース、

2014-03-09 20:38:06
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用8)日本あるいは米国のメーカーのVAD(年齢や体格に応じて、体外式VADか体内植込み型VADを選択)を装着しているケースなど、日本で移植を待ちます。 なかには、待ちきれずに海外渡航移植を目指すファミリーもいます。

2014-03-09 20:38:39
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用9)オーストラリアに渡航後、心臓移植を待っていて亡くなった患者さんがいて、家族がドナー臓器提供を拒否したために、日本からの移植患者受け入れが以降、拒否された事例があります。

2014-03-09 20:39:20
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用10)(今後日本での脳死移植を増加させるためには以下のことが必要。) 1.ドナーが増えること、2.ドナー提供病院に負担がかからないこと、3.心臓移植ユニット側の負担を減らすこと、4.マンパワーを増やすこと、などがあげられるでしょう。

2014-03-09 20:39:53
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用11)1はドナー候補家族の考え方や、ドナー候補になることを医師側が躊躇することもあって、なかなか進みません。 海外先進国の場合、国によっては重篤な患者の担当医師が”必ず”ドナー候補になることを患者家族に告げなければならない決まりがあるケースもあります。

2014-03-09 20:40:21
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用12)また海外先進国と比し移植コーディネーターの数が少ないことも、ドナーがふえない理由の一つで、少ないコーディネーターに大きな負担がかかります。 また、ドナー候補になる患者が、ドナー提供医療施設ではない、近くの病院に収容されることも、ドナーがふえない理由のひとつです。

2014-03-09 20:40:54
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用13)2.はドナー候補の脳死判定に労力がかかり、少ないマンパワーでかなりの負担がかかります。 3.と4.はかかわる専門家の数を増やしていかないと、移植が増えてもマンパワーがついていけない。 連日の心臓移植があると、チームがヘロヘロになってしまうのです。

2014-03-09 20:41:31
田舎の元外科医 @inakashoge

(引用14)移植システム構築は改正臓器移植法の成立以降、以前と比して改善しつつありますが、ドナー候補になりえる家族の考え方の変化、ドナー候補を持つ病院の医師の考え方、そしてドナー側病院にとってもレシピエント側病院にあっても、人、お金などが十分にそろわないと難しいのです。

2014-03-09 20:42:03