市川 大河氏『ごちそうさん』第廿四週感想まとめ

【チョッコレイトな開戦】
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市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 悠太郎の不在だけが、物語の中での唯一の喪失感を残すが、同時にめ以子の存在が「コミューン周囲全体の『ごちそうさん』」になっていく。悠太郎の不在が永遠に続くとしても、凛としていきていける力と信頼を、め以子が得るまでに辿った道のりが、どこにも破綻が無く、また哀しい。

2014-03-21 12:51:02
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 馬介と室井の決意。め以子は気兼ねのない返答をするが、馬介の真意はそこにはない。オンリミット。それは米国統治下の沖縄における「Aサイン」と同じ意味合いを持って、戦後米国統治下に於いて民間飲食店の復興に役立った。アメリカへの遺恨も乗り越え食事を作り続けるめ以子。

2014-03-21 12:54:24
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 悠太郎のいない世界で必死に生き続けるめ以子。様々な社会での出来事に思いを馳せるが、静かな菅野よう子の音楽と共に、静かに静かに、そして必死に「ごちそうさん」を求めて生き続けていくめ以子。悠太郎がいない、もう二度と戻らないかもしれない世界で、決して絶望と孤独に負けずに

2014-03-21 12:56:32
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「電力不足やったら、電力造らんと」ここでも明快な「森下筆」は、3.11以降の僕達に向けて70年越しの問題提起を持ち込む。原子力という存在がもう、人の手に負えない「戦争」のような存在である。私達の国はその戦争に負けたのだ。「新しい電力」のありかたを造らんと。

2014-03-21 12:58:54
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 活男の戦友がめ以子を尋ねる。自らを「生き残りの恥さらし」と呼ぶ青年の口から、活男の最期が語られようとしている。森下佳子の最期の踏ん張り時。私見だが今この現在のめ以子の描写を以てして『ごちそうさん』は全ての要素で師匠の『純と愛』を越えたように思える。女性は本当に強い

2014-03-21 13:01:31
市川大賀 @ArbUrtla

ちょうど一年前のこの日に僕は、#純と愛 の視聴を中止すると決意した。自分達の居場所の再建、愛した男性の安否の不安の中を生きるヒロイン。それは今現在進行形の、#ごちそうさん とほぼ一致するのだが、僕は一年前今現在と真逆の心境にあったのだ http://t.co/fXoULJOURv

2014-03-21 14:31:54
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 活男が死んだ。人の「食べる=生きる」を支える事を自らの喜びと思い、自分の生きていく目標に掲げ「そこ」が戦場であっても、喜びたれと頑張った活男は死んだ。『白夜行(06年)』を思わせる強烈な陽光の中「西門君はいつも笑ってて」国家が殺した。戦争が活男を殺した。殺された。

2014-03-22 12:47:05
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 森下佳子の特筆すべきスキルとして「悠太郎とめ以子の遺伝子を引き継いだ三人の子どもを描き分ける」が挙げられる。男性作家だとどうしても属性の足し算と割り算で造形しがちになる「キャラの子ども」だが、森下女史は徹底的に「生まれるだろう二人の血を継いだ子」を個として描いた。

2014-03-22 12:47:23
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 活男も泰介もふ久も、それぞれにめ以子の部分と悠太郎の部分を合わせ持つ。その中でも活男は特に、め以子のイノセンス性・素直さ・等しい「人への優しさ」を、一際色濃く受け継いだ子どもであった。その活男が戦争で命を奪われたと知る時、め以子の生き様が国家に殺されたのだと知る。

2014-03-22 12:47:46
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 光りの中で項垂れるめ以子。影の中から現れる源太。逆光で写されるめ以子と源太。「源ちゃん手伝うてくれる?源ちゃんの助けがいるんやわ……」苺を奪い合った原体験から遠く40年。め以子にとって源太は「たった一人の」存在なのだ。

2014-03-22 12:50:19
たけ @takehi1009

@ArbUrtla あそこは名場面でしたね。源ちゃんの寅さん哀愁が漂う切ない場面でもありました。

2014-03-22 12:53:34
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 活男の手紙に書かれた原風景。ハレーションと眩い光の中で描写される活男の夢「どうしても『ごちそうさん』が言えんかった」何もかもが悔いの中で、「生きて戻れたら」儚い希望の中で、活男の人生は断たれた。それを皆で分かち合う。生きる事は食べる事であって殺しあう事ではない!

2014-03-22 12:53:00
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 最後の「活男を交えた晩餐」人の生理現象でもあり、全て「生きている事への感謝」を噛み締めながら、泣きながら箸が交錯する。その食卓を見下ろすように食事に参加した活男という描写は、確かに、#あまちゃん の若春子の像の影響かもしれないが、その源流は『異人たちとの夏』にある

2014-03-22 12:56:45
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 日常へ戻るめ以子達。息子を殺したアメリカ兵への憎悪と苦しみは払拭しきれないめ以子。「頭では分かってるんや。せやけど私はお母ちゃんやから」そう語るめ以子は決して逆光のコントラストでは写されていない。め以子は必ず再生する。それは映像が証明してくれている。

2014-03-22 12:59:18
市川大賀 @ArbUrtla

.@takehi1009 #ごちそうさん が #純と愛 と一番違っていて、でも同じ流れを汲んでいながら決定的に勝っている部分こそが「源太の存在」で、だから仮に悠太郎が戻ってこれないままでも、源太が物語の全てをレスキューするというオチに辿り着いてもしっかり骨太なドラマは完結できる

2014-03-22 13:02:08
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん モリス大尉の意味ありげな写真を見つめるカット。め以子の中で払拭しきれない「戦争で息子を殺した敵国への恨み」。しかしそれを乗り越えないと物語のテーマが整合性を欠く。悠太郎の不在。これらに全てを解決する着地点を一つ用意するのなら、悠太郎帰還にモリス大尉が絡む?

2014-03-22 13:46:13
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん と #美味しんぼ って、メインテーマもサブテーマも抱いてるイデーもほぼ同一なのに、なんで朝ドラはちゃんと大絶賛されるのに、『美味しんぼ』は目の敵にされるんだろうなぁ。日本人って不思議アルヨ!

2014-03-22 23:52:19
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 少し卑怯な「プロの目」で見れば、あのタイミングで悠太郎を退場させたまま完結させる理がない事は察せる(なので逆のパターンで逆の理由で『純と愛』での愛君退場のタイミングを見た時に「遊川やりやがったな!」と激怒したのだ)最終コーナーはもう回った。和枝に関しても把握できた

2014-03-23 22:27:18