丹生谷貴志ツイートまとめ(2014年3月)

丹生谷貴志氏の2014年3月分のツイートをまとめました。
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nibuya @cbfn

前も書きましたか、貸したまま消えてたフーコー『臨床医学の誕生』邦訳を古本入手。医学用語の正確さの為に欲しかった。渡部直巳がどっかで書いてたように神谷美恵子さんの訳には微妙だけど小さくない解釈間違いがあるけれど、しかし自分の勉強の為に訳すという感じの真面目な人だなあという端正な訳。

2014-03-18 08:54:35
nibuya @cbfn

大西巨人さんについて「妙な俗っぽさ・・・」と言ったのは誤解されるでしょうね。短歌歌人でもあった語感の美麗の突出とそれと裏腹の恐ろしいほど微細に論争的であろうとする野暮ったいまでの散文の変なバランスが、時々古い日本映画の惹句のような感じを思い出させるという意味です。

2014-03-18 09:03:45
nibuya @cbfn

ともかく、大西さんの「俗情との結託」という有名な(?)批評語はその一言だけでどんな場合でもリトマス試験紙のように反応する便利で破壊力の未だ衰えない携帯用必須思考道具でしょう。

2014-03-18 09:18:49
nibuya @cbfn

和田誠『倫敦巴里』を久しぶりにぱらぱら見ていて、もうこの「パロディー」感はさほど面白くないが、しかし書かれた当時の固有名やらで、どこか古い風俗ポスター集を見ているような懐かしさがある。有名な『雪国』冒頭パロディー集、特に大藪春彦風には未だ笑ってしまう・・・

2014-03-18 09:26:39
nibuya @cbfn

金井さんの文章にヘンリー・ミラーの啖呵が引用されていて「世の中には自宅のトイレどころかはるばる遠出して水洗のない溜便所を探して投げ込んでしまいたい本がある!」って凄い啖呵で・・・その対象が例えばアンデルセンだったりすることに爆笑。

2014-03-18 13:01:37
nibuya @cbfn

今このときにもムハンマドは砂漠を行きキリストは歩きホメロスも歩きエジプト行きのフローベールとすれ違い、セルバンテスは海戦の合間に本を書き紫式部は紙を手に入れて部屋に隠り等々・・・以下リストは無限、これがアインシュタインの発見であるわけです。

2014-03-18 13:20:57
nibuya @cbfn

ヴェネチア独立! 法的効力はないみたいだけれどいい光景だ。今年秋にはスコットランド独立? これは法的効力がある。こういう楽しみはいい。

2014-03-18 13:27:55
nibuya @cbfn

これはwiki知識に近いもんに過ぎませんが、ウェールズ地方独特のLongbow−長弓の威力を取り入れることによって英国王軍は例えば仏王軍を圧倒した訳ですが、比べると和弓の方が僅かながら貫通力が高いのだそうです・・・だから何だ?

2014-03-20 06:05:48
nibuya @cbfn

クロソフスキの『バフォメット』を読み返そうとして相変わらず知ってる筈の単語まで分からなくなるこの作家の文章に苦しむ。彼は語を語源に近く使う。日本語で言えば「気違い」は「天気が悪い」「元気」と同根の気孔思想の意味で使われ、従って「気が大風大雨の様である」といった意味になるという具合

2014-03-20 17:42:46
nibuya @cbfn

イギリスのウサギの種類の違い、お教え下さった方がいるようで、感謝。ノルマン人が持ち込んだのはヘールの方なんでしょうかしらね。どっちにしろあれくらい活発なら「ウサギをペットで飼う」というのも理解出来るんですが・・・近所のペット屋さんのイギリスウサギは見ていて飽きなかった

2014-03-20 21:00:01
nibuya @cbfn

『バフォメット』は異様な煉獄の生の物語、十四世紀フィリップ美麗王による聖堂騎士団殲滅を巡る神学的冒険小説・・・昔読んだ筈がどこまで分かっていたのか、読み返しながら忸怩たる思いです。ペヨトルから昔出てましたね。編集長の今野さんのお父様である神学研究者今野さんが解説してた記憶がある

2014-03-20 21:05:14
nibuya @cbfn

『バフォメット』は1965年出版、今更の確認ですがミシェル・フーコーに捧げられています。確か『ガリバー』はドゥルーズに捧げられていた。彼の著作は一見風狂ですがゆっくりと読むと意外なくらい鋭利にフーコーやらの仕事を、独特の回路で理解掌握していたように見えます。

2014-03-20 21:26:42
nibuya @cbfn

「ジッドの少年秘書」を勤め、リルケに愛され、神学校で司祭を目指しながらテルトゥリアヌスでの博論を準備し、パリ期のベンヤミンが最も信頼していた男、ドイツ語ラテン語を自語のように操りニーチェの最高の解釈者の一人にして「大画家」にして、文字通りの「畸人」、一筋縄では行かない人です

2014-03-20 21:31:46
nibuya @cbfn

言うまでもなくバルテュスの実の兄ですが、それはともかく、彼の佶屈な著作は根強い支持者がいるにしてもフランスでも多少手に入りづらくなっているのは残念です。プレイアード叢書には入らないのかな・・・さて。入ってくれると有り難いのですがね。

2014-03-20 21:35:28
nibuya @cbfn

・・・例えば第三章の「魂=気息」たちの異様に錯綜した「自己確認」の、ほとんどドタバタ劇のような複雑さと文字通り息を詰めるような「探り運動」は、フーコーの息を詰めたような「歴史文書潜航」の運動を正確になぞっているように見える。

2014-03-20 22:06:40
nibuya @cbfn

・・・実はこの異様な感じを最近書いた(!)バルテュスを巡る文章で書いてみたいと思っていたんですが、今回は諸般の事情でそれは出来なかった。無念ですね・・・と軽く自分をいなしておかないと自己嫌悪で崩壊してしまうので、せめてもの健康法(!)です・・・

2014-03-20 22:11:01
nibuya @cbfn

「聖母マリア」の臨終図に関して、ルネサンス以前にはそれは「dormitio」と呼ばれ要は「永眠」、それに対しルネサンス以降は「assomptio=昇天図」に変わる。言うまでもなく「inmaculada=無原罪」を巡る揺れ。

2014-03-20 23:15:46
nibuya @cbfn

つまりはマリアは「無原罪」と認定されない場合その死後「どこに属するか」が議論され、認定されない場合、カトリックであれば彼女は良くて「煉獄」の上層、或いは「地上楽園」に属する可能性がある。つまり最終審判を待つ者の一人となる。無原罪と認定されれば「第九天界」か・・・或いは・・・等々。

2014-03-20 23:21:13
nibuya @cbfn

フーコーの『主体性と真理』の予告、これで講義録が全部出終わるわけで、死後三十年で一応の完結が来るわけです。講義録は原文だと意外にくだけた調子があって面白いものです。彼の仕事は権力論やら何やら多様に受け継がれてよいわけですが僕にはクロソフスキの傍らの彼が一番しっくりするようです。

2014-03-22 03:18:56
nibuya @cbfn

クロソスフスキーなんざ全部読んでる、みたいな顔で話したりしますが実は肝心の『歓待の掟』は読んだことがない。まずは序文が、何度読んでもさっぱり意味が分からない。ついで、あのシチュエーション設定が好きになれない・・・とも言ってられないので、ともかく第二部の『ロベルトは今夜』から読む・

2014-03-26 08:29:22
nibuya @cbfn

ロベルトは今夜』はいかにも頓狂だし小説として傑作かどうか疑問ですが、しかしあまり類例のない頓狂な異様さとその喜劇めかした神学論の彼なりの深刻さは何ものかで・・・

2014-03-26 08:40:04
nibuya @cbfn

デボラ・ハリーはまだライブやってるんだ、と結構感動。ともかく・・・

2014-03-26 21:53:27
nibuya @cbfn

余談(?)ついでに、小道迷子さんは最近・・・と思ったら『龍丸散』(傑作でした)の後は漫画はあんまりやってないんですね。僕はバイク乗り(!)として『キリン』などではなく『風します?』の影響下にあるんですがね。

2014-03-26 22:58:05
nibuya @cbfn

今朝は新学期前の会議、相変わらず雨が降る。午前の会議なので早めに出たのに大渋滞、事故かとおもったが要因不明、何故か宝塚トンネルの辺りが原因で渋滞が発生するらしいが何故か分からない。地縛霊かなんかがどんちゃん騒ぎなんじゃないか、とかクダラナイことを考えながら走る。苛立ち鎮静法・・・

2014-03-26 23:02:33
nibuya @cbfn

「あの本を発禁にしてやったわという、多分その満足感でオシッコが出始める、しかし何故か満足感より苛立ちが来てオシッコが止まらなくなる」ってな文章を書いてしまうクロソフスキーって・・・間違いなく現代作家の中でそこらの大学の中世神学者より完璧な神学知識を収めたこの畸人は・・・

2014-03-26 23:11:33