『知のミクロコスモス』 赤江雄一「語的一致と葛藤する説教理論家」をめぐって」

『知のミクロコスモス』収録の赤江雄一「語的一致と葛藤する説教理論家 後期中世の説教における聖書の引用」をめぐって興味深いやりとりがなされましたのでまとめました。 赤江論文についてはさらに以下も参考にしてください。 動画:中世説教世界への招待 続きを読む
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Cassie @dennou_cassie

『知のミクロコスモス』を読み始めた。「語的一致と葛藤する説教理論家」を読んで、「分割」という手法が出てきたところで脱落。なんで分割するの???意味わからん…。「語的一致」という用語も初めて見たけど、これは文字通りの意味だからわかった。あっちとこっちに同じ単語があったら、

2014-03-19 22:47:53
Cassie @dennou_cassie

利用して説教の材料にしていいということね。そして『コンコルダンス』が出てきたところで、急に元気になった。聖書全部の索引ですね。手作業でやったわけだ。コンピューターができる前は、辞書も索引も手作業だったんだよね、私も紙に書きながら索引作ったことあるよ、前世紀から生きてるからね。

2014-03-19 22:52:56
Cassie @dennou_cassie

なんで「コンコルダンス」で元気が出たかというと、シェイクスピアなどの有名作家には、全作品のコンコルダンスがあるのだ。もちろん手作業の時代に作られた。「シェイクスピア・コンコーダンス」がなかったら、論文書けねーよ。で、英単語としてのconcordance(索引的な本という意味の)の

2014-03-19 22:56:13
Cassie @dennou_cassie

初出は1387年である。もっと前から『コンコルダンス』は存在したが、OEDが拾っているのは、英語文献に現れた英単語としてのconcordanceだから。語義の説明は'An alphabetical arrangement of the principal words

2014-03-19 23:01:42
Cassie @dennou_cassie

contained in a book, with citations of the passages in which they occur. These were first made for the Bible;...' 「最初は聖書の」だったと明記されている。

2014-03-19 23:03:55
Cassie @dennou_cassie

そうか、ただの索引と違うのは、「その語が使われている一節も書かれている」という点だ。それはもう、見るだけで説教というお話を組み立てる役に立っただろう。

2014-03-19 23:06:43
Cassie @dennou_cassie

「語的一致」の問題は、悩ましいだろうと思う。恣意的な引用や勝手な解釈を抑止するために、同じ語という誰が見ても明白な「形」を基準にするのは大事なことだろうけれど、形は「形骸」に陥りやすいから、こだわりすぎるのも良くないかもしれない。しかし、語学力その他の知的能力が

2014-03-19 23:14:11
Cassie @dennou_cassie

最高とはいえない人たちのためには「マニュアル」が必要なのも事実。悩ましいですね。そういう私も理解力低くて嫌になってきたよ。せっかく読んだのに何を理解したんだろう。「分割」は結局なぜするのか、どこから分割するかをどうやって決めるのか、全然わからないし。

2014-03-19 23:19:39
Cassie @dennou_cassie

あと気になったのは、ロジャー・ベイコンに始まって、ウェールズのジョンとかトーマス・ガスコインはイギリスの人だ。ベイズヴォーンとウォールドビーも、便宜的に英語読みしてるんじゃなくてイギリスの人なのかな?なんでイギリス人ばっかりなの?

2014-03-19 23:23:27
Cassie @dennou_cassie

そんなことを考えたわけで。同じ本をリアルタイムで読んでる人がたくさんいることがわかっているのに、全然皆さんの考察にも寄与せず、ましてや意見交換できるようなことを考えてなくてすいません。。。でもこの本はすばらしいと思います。読破します。 #知のミクロコスモス

2014-03-19 23:26:40
Cassie @dennou_cassie

今日はもう眠いから寝るけど、次の章は…「記憶術と叡智の家」。ぴゃー!私が鳥頭だと知ってのことかー!!(知らんがな。)

2014-03-19 23:48:51
赤江雄一 @tricycler

@dennou_cassie 丁寧によんでくださり、ありがとうございます。いまから外出しなけばならないので「分割」については後ほどお返事します。とりいそぎ御礼まで。

2014-03-19 23:54:04
赤江雄一 @tricycler

あ、時間間違えていた。もう少し時間あるか。

2014-03-19 23:54:42
Cassie @dennou_cassie

@tricycler うわー、恐れ入ります!!頭悪い読み方してすみません><

2014-03-19 23:59:47
赤江雄一 @tricycler

「分割」というテクニックは当時の初歩的な記憶術と深い関連があると考えられています。原文を暗記しやすくするために細切れにして各部分に順番をつけ、順に一部ずつ処理しやすくすると。カラザース『記憶術と書物』(分割に関しては第3章)がすばらしい本です。 @dennou_cassie

2014-03-20 00:00:15
赤江雄一 @tricycler

@dennou_cassie 論文中で十分な説明をほどこせておらずもうしわけなかったです。

2014-03-20 00:02:22
赤江雄一 @tricycler

『記憶術と書物』については http://t.co/7cTX7IWnzU という工作舎のサイトが。「分割」=記憶術とくると、『知のミクロコスモス』で私の論文に続く桑木野さんの論文「「記憶術と叡智の家」に直結することになりますね。 @dennou_cassie

2014-03-20 00:05:41
Cassie @dennou_cassie

@tricycler なるほど、「記憶術」なのですね。現在、パソコンやケータイを持ち歩いていれば外部記憶として使えるから、ますます記憶力がなくなる、という個人的なことは置いといても、記憶するということの重要性が、現代とは違ったのでしょうね。と、また勝手な方向に理解してしまいますが

2014-03-20 00:10:35
Cassie @dennou_cassie

@tricycler いえ、とんでもないです。お忙しいのにお答えくださって、本当にありがとうございます!

2014-03-20 00:11:13
赤江雄一 @tricycler

@dennou_cassie 「勝手な方向」どころか、イェイツやカラザースの研究を通じて重視されるようになっている論点です。あと、私の論文の登場人物にやたらにイングランド人が多い(ベイスヴォーンがイングランド人かどうかはわからないのですが)ことも重要なご指摘だとも思います。

2014-03-20 00:15:36