お玉さんのほぼ日刊御手洗潔レビュー(7)

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お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその41『ハリウッド・サーティフィケイト』でございますよ( ´ ▽ ` )ノ 2001年8月刊行。 舞台はハリウッド、主人公に松崎レオナを配置したら、ハードボイルド長編。 文庫本あらすじに書かれてる、長編本格ミステリ、って、うん、ウソだね!

2014-03-21 00:48:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

最初にネタバレ。 『ハリウッド・サーティフィケイト』に御手洗潔は出て来るんだけど、ホンマにちょっぴりの出番だし、彼の知識から物語がトンデモない方向Σ(゚д゚lll) へスウィングしてしまうので、ちょっと迷惑だ。 御手洗潔と話するレオナは相当カワイイんだけどネ♫

2014-03-21 00:49:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さらにネタバレ。 『島田荘司読本』の『レオナからの三通の手紙』で綴られていた予告ですが……、 「ちょっと尋ねて廻った」というのは大嘘だし(どんだけ事件に介入しとるネン!)、「キャシィ・ジェイミという女性とやり合う格好になってしまいました」も、それほど女刑事と絡んでないヤン!

2014-03-21 00:49:41
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ハードボイルドとしてツライのは、レオナのパーソナリティ。お金持っていてハリウッドスターでドラマとかのプロデュースとかしているのに、自ら率先して事件に介入しているということ。 セレブな探偵役って別にキライじゃないんだけど、コレは、やり口が何か違うんよね。被害者との友人関係も怪しいし

2014-03-21 00:50:00
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

また女探偵ものにありがちな、性との向き合いが、あまり掘り下げられてないの。 特に中盤からの女性性と最新科学(これがトンデモで、ハリウッドで陰謀を巡らすのには不適なような……)がフューチャーされるのだが、それに対しての一人の女性としてのレオナの感情が、抜け落ちてる気さえするのよね

2014-03-21 00:50:25
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ハリウッドスターとしての虚飾をまとった女性、というパーソナリティでゴリゴリにレオナのキャラクターが固めてしまってるが故に、あのトンデモ陰謀に対して、一女性性のそれではなく、道徳的な観点からしかアプローチがかけられないのは、女性探偵ハードボイルドとしては片手落ちなんじゃないかしら?

2014-03-21 00:51:11
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

更に脇役が弱いわけで……。 レオナというキャラクターが強烈すぎて、あの陰謀に対して肯定的な意見を述べたりなどして、レオナと議論をやり取りできる味方サイドの脇役が、存在してないのよね。 あの刑事は終始レオナに振り回されっぱなし、弁護士もそれほどアクティブに意見を述べないし……

2014-03-21 00:52:05
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

殺された友人の無念のため、だけでは行動理由としては弱過ぎるくらいのトンデモスケールの背景が物語の進行の中に見えて来るわけだが、事件の性質の変化を目の当たりにしてもなお、それに挑むというレオナの動機づけが、かなり不明確なの。 躊躇すらないんだよね。

2014-03-21 00:52:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

松崎レオナがクローズアップされる作品という枠で考えると、『アトポス』は御手洗潔が助けに来る物語だ。対して『ハリウッド・サーティフィケイト』は御手洗潔が助けにやって来ないお話なわけで……。 事件に能動的でないとお話が進まないのは理解できるが、ちょっとレオナは物語的に働きすぎである

2014-03-21 00:53:08
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

この働きすぎというのが問題で、三人称一元視点で進行される物語はレオナとジョアンという女優志望のコが視点主となるのだが、ジョアンのパートでは、レオナに疑惑がかかる構成となっている。 けど、読んでる人間からすると、レオナが、麻薬まみれだけど、真っ当で疑いがないということは承知なんよね

2014-03-21 00:54:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ジョアンの疑惑と、読者の思惑の容疑者候補が、完全に不一致なんよ。 『アトポス』でも同じことをやってたけど、御手洗潔が砂漠に現れるまではレオナは読者の中で信頼できない人物の一人だったやん。 けど、人喰い木〜から『さらば遠い輝き』までを経た読者には、レオナはもうコチラ側の人物なんよね

2014-03-21 00:55:39
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ジョアンの疑惑が何らかの陰謀の存在を感じさせるわけだけど、……その何らかの陰謀が、再三語っているトンデモレベル、そして、何で情報統制が為されてないのかしらレベルなのよ。 あの計画を真剣に成就させたいのなら、そんなちょっかいをかけちゃダメだし、ヴィデオ流出とかもっての他じゃん

2014-03-21 00:56:29
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ハードボイルドのスタイルをとっているが故、働きもののヒロインの行動から、何らかの情報が開示される展開を用意しなきゃいけないのだけど、……そこから見えてくる光景の一つ一つがマヌケそのものなんだよね。 あまりに長すぎる話なので途中で麻痺するが、全体像を再構築すると……、これは無茶だ

2014-03-21 00:56:57
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

またハードボイルドなレオナを書きすぎているので、女性としてのレオナが書かれなさすぎているのも……。 レオナの三人称視点を無くし、ジョアンの描写を増やし、警官やあのヴィデオ屋、組織の青二才、御手洗潔、と多視点で構成しレオナの内面を知らせないようにしたほうが、面白くなるよなうな……

2014-03-21 00:57:42
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あと本格としては、かなり卑怯なところを落としどころとしているんだよね。 あのラストに合点がいくような事前情報や手がかりがほぼ皆無なのじゃないかしら? ハードボイルド作品としては、その落としどころだけはアリなのだけども……、それまでに至る過程が中途半端なんだよなぁ……

2014-03-21 00:58:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

ジョアンとレオナの引き合わせ方、ジョアンが事件に関連してた、というそんないつもなら気にならない力技も、この作品に限っては、もっとハードボイルドを意識して、より自然に処理して欲しかった。 ジョアンのヴィデオのあの映像からお話をスタートさせて、女優殺しとの関連性をマッチさせる、とか

2014-03-21 00:58:43
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

私立探偵を30人くらい用意して事件を追っかけたほうがセレブなレオナのパーソナリティには相応しいよね。 また事件のあの要素から御手洗潔のことを考え直すシーンとか、死の間際から家族のことを思い返したりとか、人間味を感じさせる挿話があれば、などと思うのよね。

2014-03-21 00:59:25
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『ハリウッド・サーティフィケイト』はハードボイルド風味なんだよなぁ。風味なんだよなぁ。西海岸の雰囲気だけなんだよなぁ。消化できてないんよねぇ。ひたすら長いんよねぇ。事件の構造がザルなんよねぇ\(´Д` ) そして、コレも続編が予定されていた、言わば種蒔き部分にあたる話なんよね。

2014-03-21 01:00:14
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『ハリウッド・サーティフィケイト』はレオナ誘拐事件の導入部となるはずだったのよね。 そりゃあ〜、モヤモヤするよなぁ\(´Д` ) たぶん、いろいろ考えて語ってないところもあるんだろうなぁ〜。 む〜

2014-03-21 01:00:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

というわけで『ハリウッド・サーティフィケイト』はおしまいです。リーダビリティは高いのでスイスイ読ませてくれるんだけど……ね(>人<;)

2014-03-21 01:02:37
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて、ほぼ日刊御手洗潔レビューその42『御手洗パロディサイト事件2 パロサイ・ホテル』です。 2001年9月発売。 同人小説を集め、そこに石岡クンと里美ちゃんを絡ませるパロサイシリーズの第二弾です。 読みましたよ……、読みましたよ……、ひどい、こんなのってあるか(>人<;)

2014-03-22 01:07:04
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

えーと、『SIVAD SELIM』からの作品を御手洗作品における第四シーズンと仮定しましたが、ファンとの交流がポイントとなったこの区切りも『パロサイホテル』でラストとなります。 『パロサイホテル』はその白眉となり得たか? えーと……、ただただ疲れたわ。ひどい、こんなのって……

2014-03-22 01:07:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

前作のパロサイが、まだパスティーシュ小説を読ませることにそれなりの自然な理由を設定してたのだが……、『パロサイホテル』はそこらのルール付けがあまりに酷過ぎるΣ(゚д゚lll) いくら御手洗作品が好きでも、あんなことを考える人間などいないわ! ヒドイよ。母さん、助けて(ネタバレ)

2014-03-22 01:08:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あの謎ホテルの大掛かりな仕掛けが、本当に仕掛けのための仕掛けでしかなく、何であ〜んなめんどくさいことをしてアレを隠すわけー(>人<;) しかも、意外と簡単に解けちゃう謎で……。パロディ小説を熟読しなくても、あのハングルの小話だけからでも解答が出せるという謎の仕様。ヒドイよ……、

2014-03-22 01:10:00
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

また、パロディ小説に対しての石岡クンの総評が、前作と比較してあまりにテキトーすぎるんだよ。 前作では小説の内容から派生したちょっとした小話なども交えたりして、投稿してくれた作者への感謝が伺えたのだが、『パロサイホテル』では「面白かった」「すごかった」でのスルーがあまりに多いのよ

2014-03-22 01:10:23
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