HiroAAAさんの「おおすみ」40周年記念シンポジウムレポート
さて、28日の「おおすみ」40周年シンポジウムのレポ出来ました。所々抜けてたり誤表記があるかもしれません。また、話し言葉ベースで纏めたのでクドい所もありますがご容赦を。
2010-11-01 20:29:00「おおすみ」40周年記念シンポジウム 2010年10月28日 基調講演1 「「おおすみ」の頃」 松尾弘毅 JAXA宇宙科学研究所名誉教授 司会進行・阪本成一
2010-11-01 20:30:22阪本「今年2月の11日で日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられてから丁度40周年。40年と言えば長い年月ですがその間日本の宇宙開発は大きな飛躍をし、様々な展開をしてきました。
2010-11-01 20:30:53今日は40周年を祝い振り返って、さらに将来について勉強して行きたいと思います」 立川敬二JAXA理事長挨拶→文科省官房審議官挨拶→宇宙開発戦略本部事務局長挨拶と続く。
2010-11-01 20:31:08松尾弘毅JAXA名誉教授 講演開始 松尾でございます。最初は宇宙科学の黎明期というお題で話を頂きましたが「おおすみ」が上がったときは私30そこそこでしたから自分の周りしか見えておらず、とても黎明期を語る立場にはございません。そこで「おおすみの頃」とお題を変えさせていただきました。
2010-11-01 20:31:43そして、「おおすみ」から最近までの印象に残った話を、「はやぶさ」までとは行かないでもそこら辺までを恣意的に選んで話してゆきたいと思います。
2010-11-01 20:32:16ただ、会場には「おおすみ」に実際に関わった方々も沢山おられ、私としては大変にやりにくい状況でして、まあ秋葉先生と林先生がいらっしゃらないのでかなり気が楽になりますが(会場笑)。
2010-11-01 20:32:37私は東大の航空学科出身で、まだ「宇宙」が付かないころです。私が出て3年後ぐらいに宇宙コースができたんですけれど。
2010-11-01 20:32:57出たはいいがどこも行きたいところが無くてまごまごしていたら糸川先生が就職説明会においでになられまして。それが糸川研に入るきっかけでした。
2010-11-01 20:33:13当時、糸川先生は「システムエンジニアリング」というのを広く宣伝されておりまして、私もシステムエンジニアリングをやることになりましたけれど、結局あまりやる人がいなかったロケットの軌道とか飛翔計画などをやることになりました。
2010-11-01 20:33:30当時、IGYで1958年に観測を成功しました時期です。私は入るのが62年ですからしばらく間がありますが当時、理学の長田先生とかロケットは糸川先生がやってたりとか独特な学問を形成されていて文部省の方がそれを一つに纏めてIGYに参加し成功して一段落したころに私が入ったことになります。
2010-11-01 20:34:06入ってすぐ人工衛星を打ち上げたいという話になりまして、ところが入ってすぐ連れて行かれた秋田県道川海岸で二段式のロケットが爆発しまして(カッパ8号機)二段目が海の中に入って火が付いてまた戻ってきたという、大変恐ろしい話でして。
2010-11-01 20:34:42個体の推進薬に火が付いてパラパラ落ちてくるんですね。秋葉先生と一緒に逃げ回りまして、物陰に隠れて「ここなら大丈夫ですかね」と聞いたら「そんなの俺に分かるわけないだろう!」と言われまして(会場笑)。とにかくこれが印象に強い。
2010-11-01 20:35:14そして研究室に入ってしばらくして出た「人工衛星計画試案」この時の計画は30kgの衛星を5年後に打ち上げると。その目的に対して何が必要かと検討しようという話でした。
2010-11-01 20:35:41(冊子の表紙を映して)これは秋葉研究室の物ですが下の方にゴチャゴチャとペンで何か書いてあります。「含む 長友信人」と書いてあります(会場笑)。
2010-11-01 20:36:01長友先生は私の兄弟子でして、長友さんが「我々は秋葉研ではない。長友研である!」と。で、後から追加で書かれたという物でございます(会場笑)。
2010-11-01 20:36:25これが62年の話ですね。実際この計画が審議会の決定を受けてモノになったのが66年だったと思います。で、この時に出てきたのが1.4メートル(Mロケットの直径)という案です。
2010-11-01 20:36:51観測ロケットはそこそこやってはいましたが、人工衛星となるとどうしてもクリアしなければいけない最たるモノが姿勢制御だったんですね。
2010-11-01 20:37:06そのための打ち上げの方法も検討いたしまして、いわゆる「重力ターン」と言う物になったのですが、その方式が成り立つかどうかラムダで実験することになった。後でラムダで衛星を打ち上げることになるのですが。
2010-11-01 20:37:26ラムダ4-Sは直径73センチしかない4段式の個体ロケットです。最終的にはこのラムダでMロケットの検証をやろうと開始されたわけです。で、極力姿勢制御をしたくない(笑)。それがラムダの形になってます。
2010-11-01 20:37:52一段目は空気中だから尾翼で安定させ、二段目も半分は空気中だから小さい尾翼がついています。その後スピンをかけて姿勢を固定すると言うことです。それだけじゃダメでどっかで水平方向に向けて加速してやらなければいけない。
2010-11-01 20:38:213段目と4段目の間にかなり長い時間をとりまして、そこの間で姿勢を水平にしてやる。それ一回で人工衛星を上げようという案でした。
2010-11-01 20:38:553段目が終わったとたんにスピンを止めて、姿勢制御できる状態にするんですね。水平になったらまたスピンかけて第四段点火です。1~3段目の制御は風の影響はありますが、まぁ、議論の的にはなりました。
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