HiroAAAさんの「おおすみ」40周年記念シンポジウムレポート

「おおすみ」40周年記念シンポジウム 2010年10月28日基調講演1 「「おおすみ」の頃」
27
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

66年の9月が第一号。二段目と三段目の分離ができなくてスピンのスタートができなくて上向きになっちゃった。失敗です。で、二号機三号機はいずれも四段目が早期分離で不点火。後から分かったことだが一段目分離のショックで四段目の結合が外れたのが原因ではないかと言われています。

2010-11-01 20:39:54
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

で、ラムダは試験機なんですが(スクリーンを差して)「推薬充填率60%」と四段目に書いてありますが、人工衛星になるかもしれないという話に…そう言われちゃいましてね。かならず人工衛星が上がるという期待が掛けられて毎回失敗の度に大騒ぎになるわけです。

2010-11-01 20:40:25
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

もう少し慎重に準備するという意味で…どういう意味か分かりませんけれど、あえて四段目の推薬を抜きましてテストしたのがL-4T-1ですね。皮肉なことにちょっとした事件はありましたが、もし四段目に100%充填していれば人工衛星になっていたかもしれないヤツです。

2010-11-01 20:40:51
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

L-4T-1では切り離したのが追っかけてきてぶつかるという事件がありまして。そんなに派手にぶつかったわけでは無いが残留推薬の危険性が明るみになりました。対策はしたのですがL-4S-4でまたぶつかりました。

2010-11-01 20:41:35
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

。結局分離のタイミングを引き延ばしまして残留推薬がなるべく燃えるようにしたりと、対策を重ねました。この騒ぎの中では一番印象に残っている出来事です。

2010-11-01 20:41:59
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

で、やっと70年の2月11日に成功したと。「おおすみ」は、もともと打ち上げ方の検証のための機会でしたが本命のMの方も試験に入ってまして、終わったらすぐにやることになってました。

2010-11-01 20:42:28
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

後から考えると「風まかせ」とはずいぶん言われましたね。たしかに制御してないから「風まかせ」でも当たりですが、だからと言って衛星にならないと言うのは外れです。ラムダとおおすみは結局、姿勢とか地上系とか色々ある物の総合試験だった。

2010-11-01 20:42:51
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

そういう戦略の一環として重力ターンのような実験もやった。「風まかせ」と批判されましたが、そういう戦略的な所をもう少し聞いてから批判して欲しかったなと思います。

2010-11-01 20:43:15
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

(打ち上げ成功記者会見の写真を見て)当時の宇宙研の有り様がよく分かります。左側に工学の先生、右側に理学の先生。工学は「電気と非電気」という変な別れ方をしてまして(会場笑)

2010-11-01 20:43:36
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

非電気はうまい呼び名は無いかと思うのですが結局「電気と非電気」と言うのが一番分かりやすい(会場笑)。私は非電気ということになります。

2010-11-01 20:43:56
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

(スクリーンに内之浦宇宙空間観測所)これが当時の内之浦。下は絶壁で海ですから山を削って作った感じ。何だか海だか山だか分からないところですねここは。行くのも大変で。そういう所でした。大隅高山という駅が一番近くてそこから貸し切りのバスで行っていたように思います。

2010-11-01 20:44:23
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

180人ぐらいの人間が実験があるとドッと出かけていって泊まったと。20人ぐらいが現地要員であとは通いだったんですね。

2010-11-01 20:44:56
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

編成表を見ますと、ロケットのトップに秋葉先生あと植村先生、林先生…まぁ各チーフの元に班員がいて色々こなしていました。ロケット班、ランチャー班、レーダー班、テレメーター班、通信班。

2010-11-01 20:45:17
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

で、事が有りますとチーフ会議を招集いたしまして相談するわけですが、実際は誰も彼もが集まっていました。

2010-11-01 20:45:32
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

ラムダでは色々ありましたがそのおかげでMになってからはエラー無くてすんだとは言えます。これで飛ばす方式としてはいいだろうということになりましたので、Mロケットの初代、四段式ですね。

2010-11-01 20:45:53
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

その後がM-3C。三段式です。最初の頃は四段じゃないとなかなか衛星を上げることができなかったんですね。それが3段でできるようになった。一番大きな違いは二段目に制御装置を導入しました。

2010-11-01 20:46:17
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

一段目に頼るで無しに二段目で軌道制御できるようになった。これで軌道は本質的に問題が無くなったように思います。M-4SからM-3Cは搭載能力は変わらないけど質が上がったんです。

2010-11-01 20:46:44
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

次のM-3Hと言うのはM-3Cの一段目を1/4だけ長くしました。これによって量的向上を計ったのです。次にM-3Sがありますが一段目に方向制御装置を入れて一段と完成度を高めました。

2010-11-01 20:47:05
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

常に向上を計って来て次に来るのがM-3SIIです。これはですね、今までは有る物を変えていったんですがM-3SIIは一番ジヤンプが大きく搭載能力が2.5倍。上段の構造も全て新しくしてハレー彗星に挑んだわけです。

2010-11-01 20:47:28
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

当時個体ロケットは直径1.4メートルが守られていまして、あんまり外れることはしませんよという意味もこめてM-3SIIという変な名前になってますが、M-3SとM-3SIIは名前は近縁関係なんだけど実態としては一番ジャンプが大きかった。

2010-11-01 20:47:53
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

1986年の3月上旬ごろにハレー彗星と出会う軌道がいいだろうと言うことになって問題はハレーってのは地球の軌道と逆回りに公転してるんですね。打ち上げて出会う時にはもの凄い相対速度になるんです。探査機も地球を出る時地球の公転速度を背負って出て行くわけですから毎秒70kmくらいになる。

2010-11-01 20:48:35
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

それで、ランデブーするのは全く諦めておりまして、「遭遇する」のがせいぜいの話だったわけであります。それでも何とかしようと、アイデアが無かったわけではなく今イカロスが上がっていますが、

2010-11-01 20:49:04
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

燃料いらずのソーラーセイルを搭載して時間を掛けて軌道面までひっくり返してランデブーしようという案が検討されたことはありました。電気推進を使う方法も検討されました。いずれも、NASAも同じような検討しましたが全てボツになりました。結局ごく普通の行き方をすることになりました。

2010-11-01 20:49:22
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

85年8月19日PLANET-A打ち上げで「すいせい」となり86年3月8日に遭遇すると言う筋書きでした。これを機会に各国の6つの探査機が3月上旬に探査機がハレー近傍に集まるという希有なことがおきました。

2010-11-01 20:49:50
魚介類クララおばさんのホッケシチュー @HiroAAA

この時一番やっかいだったのは超長距離の軌道決定と通信でした。打ちっ放しじゃ全然ダメなんです、途中で修正しないと。数億キロ先に通信しなきゃいけない。そのためのプログラムも作り臼田に64mアンテナも作り運用しました。

2010-11-01 20:50:13