大阪大学助教授赤尾光春氏インタビュー第2部

ウクライナ政変の底流としてある反ユダヤ主義の実像に迫る
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IWJ 実況ch1 @IWJ_ch1

81.赤尾「ラヴィウを見世物裁判にしたり、神に裁判で死刑宣告を出したりして民衆を教化する。ユダヤ教の影響からユダヤ人を切り離し、世俗のソビエト的な体制に馴致させます。ここで完全に宗教とイディッシュの文化が分かたれる」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:28:13
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82.赤尾「ですから20年代、30年代のソ連ではイディッシュの学校や劇場、文学は奨励されます。それは世界的にも稀なことだったので、西側にいたイディッシュ作家たちも一部戻ってくる。でも、最後にはスターリンにやられますが」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:28:44
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83.赤尾「1928年、スターリンが独裁体制を敷こうと農業集団化の徹底化に乗り出す。そこで1932年から33年まで凶作があり、ほとんど人為的な形で大飢饉がウクライナとカザフに発生し、餓死者が400万人近く出た」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:30:40
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84.赤尾「犠牲者の多くがウクライナ人。その後のウクライナ・ナショナリズムのなかで、この穀物地帯での大飢饉がいわば、ユダヤ人にとってのホロコーストのような、民族の悲劇として記憶されます」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:31:07
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85.赤尾「それで30年代前から始まる大粛清。これでまた物凄い数のウクライナ人が殺されます。この37年の大粛清は、特定の民族をパージしたわけではないですが、スターリンは30年代を通じて、20年代のウクライナ化をした人たちをほぼ全員皆殺しにした」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:32:28
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86.岩上「このウクライナ化の中止。当初のソ連は西側より先進的であることが売りで、各民族の自治や言語など、多様な文化と民族を認めたことにした。実際には中央集権ですが。宗教だけは阿片だとマルクスが言った通り認めなかったですが」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:32:57
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87.岩上「ところが30年代からのスターリン時代には各民族化を中止していく」。赤尾「ロシア中心化していく」。岩上「だからウクライナが反ボルシェビキ、反共産主義、反ソ連、反ロシアになるのは分かりますが、一方、同時に反ユダヤも併せ持つのはなぜでしょう?」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:33:20
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88.赤尾「それはユダヤ・ボルシェビズムの神話。内戦期に広まったのと、後にナチスが広めるものがありますが、ロシア革命がウクライナ人にとって意味したことと、ユダヤ人にとって意味したことが相当違うわけですね」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:34:13
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89.赤尾「帝政時代にはウクライナ人もユダヤ人も等しく抑圧されましたが、ロシア革命により、30年代全般を通じて、少なくとも独ソ戦まで、ユダヤ人は色々な場に進出していけたし、ユダヤ人だからといじめられることはなくなりました」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:34:45
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90.赤尾「トロツキーの鉄の鉄則が30年代は受け継がれ、モスクワで反ユダヤ主義的なことを叫んだり落書きしてバレたら……」。岩上「シベリア送り」。赤尾「したがって反ユダヤ主義は沈静化する。他方、ウクライナ人の一部に鬱屈したものも出てくる」@iwakamiyasumim

2014-04-08 21:35:06
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91.赤尾「このユダヤ・ボルシェビズム論は戦前日本の軍部の間でも広まりましたが、それが今になってネットを通じてぶりかえしている。『シオン議定書』をそのまま載せたり、それに絡んでアンネの日記の捏造論が持ち出されたり。完全にナチのプロパガンダと同じです」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:36:02
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92.赤尾「革命運動でのユダヤ人の役割となると、ボルシェビキの中にいるにはいた。幹部ですね。でも、たとえば二月革命のとき、ボルシェビキは2万人以上いて、ユダヤ人は360人ぐらい。そんなに多くないですね」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:37:02
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93.赤尾「確かにボルシェビキ指導部の中にユダヤ人はいたことは確かで、レーニンも祖母がユダヤ系。統計では23年から30年のソ連政府の官僚の23人中の5人がユダヤ人。多いですが、ボルシェビキをユダヤ人が支配していたとまでは言えない」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:39:47
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94.赤尾「あとは、スターリンの側近で非常に悪名高いユダヤ人が二人います。ヤゴーダという人物は、スターリンの1937年の大粛清の一歩前、1934年から36年にかけての粛清を取り仕切っていた」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:43:58
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95.赤尾「それからカガノーヴィチという人物はウクライナ出身で、ウクライナのナショナリストを弾圧した張本人の一人。また大飢饉の責任はそれなりにある。しかし複数のうちの一人です。全てのユダヤ人がウクライナ人を嫌って皆殺しにしたのかは、確認しようがない」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:45:34
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96.赤尾「ソ連のユダヤ人がそれなりに恵まれ、相対的に反ユダヤ主義から守られていたとは言えると思います。また、教育の門戸が開かれ、ソ連初期にはユダヤ人が都市に大量流入し、大学に入学する。キエフ大学では20年代末ぐらいに学生の35%がユダヤ人でした」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:46:03
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97.赤尾「医学部などにはかなりユダヤ人がいた。ロシア帝政時代は自分より下にいたユダヤ人が、今では羽振りがいいので、ウクライナ人には嫉妬心が生まれ、憎悪に転じる」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:46:34
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98.赤尾「異民族同士の結婚という観点からみると、ロシアでユダヤ人とロシア人とが結婚する割合が40%ぐらい。ロシアとユダヤの近さのようなものがあった一方、ウクライナの場合は1936年で15%ですから少なかった」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:46:52
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99.赤尾「もう一つは言語の同化。言語的には元々ウクライナのユダヤ人はイディッシュ語でしたけども、1926年で25%がロシア語を母語にしていて、1939年の独ソ戦直前は50%を超えます。ウクライナ語は分かるけど、母語にするユダヤ人はほとんどいなかった」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:47:28
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100.岩上「もともと自分たちウクライナ人の足下にいたというイメージのユダヤ人。革命を経たロシアに自分たちが組み伏せられる一方、ユダヤ人の一部が豊かになり、学問をやれるようになり、ロシアびいきになっていく姿を横目で見ている」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:47:47
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101.赤尾「ウクライナ・ナショナリズムと独ソ戦ナチズムとの関係でいうと、1920年代に東ガリツィア、ポーランド領に自警団的なものが作られ、それが前身となり1929年にウクライナ・ナショナリスト組織という名称の非常にラディカルな組織が作られます」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:49:12
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102.赤尾「この組織が極右路線を突っ走る。ポーランドのポーランド化政策に非常に反発し、34年にはポーランド内務大臣を暗殺したり、かなり暴力的にプッチ、蜂起を起こそうという動きをみせる。加えて、当然反ソ的」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:49:50
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103.赤尾「これが38年、メルニク派とバンデラ派とに分裂。この両者がナチと協力していく。バンデラ派は、もうたとえ討ち死にしても絶対独立を果たすと」。岩上「ナチを利用するけれども、もしナチがウクライナの独立を認めないのなら、ナチとも戦うと」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:51:06
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104.岩上「同時に、身の内の敵のように、やっぱりユダヤ人のことをみなして、それが邪魔だったらば、それも排斥すると。そういうことなんですね」。赤尾「それから、ユダヤ人はソ連のお先棒担ぎだとみていた」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:54:14
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105.赤尾「41年は独ソ戦の開始の年。6月22日にドイツが電撃戦でソ連に侵攻しますが、このときバンデラ派を中心にナチスの支配下でウクライナ軍を作る。ナチが先遣隊としてナチがナハティガルとローランドの2つの部隊をソ連が後退した地域に派遣」@iwakamiyasumi

2014-04-08 21:56:34