座礁艦隊　２　リンガ泊地第1661支部

RyoRi （VRVape屋さん） @ryorinovels

ケッコンは初雪が愛おしいからではなく、もっと強くなって鎮守府のために活躍して欲しいからでもなく、自分が初雪に抱いたその感情にけじめをつけるためにしたのかもしれない、と朝生中佐は思った。結婚とは契約だ。妖精さんが同じケッコンという名前を付けた、その裏の悪意を垣間見る。 #座礁艦隊

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「しれい、かん」 初雪が懇願するように提督を見上げる。 「つ、摘まんで……」 乳房を包んでいた手を少しずらし、提督は先っぽの蕾を、きゅっ、と捻った。 「ん、んんんっ」 初雪が目を閉じて感じている。たまらなく愛おしい。 #座礁艦隊

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想い人へのと、娘へのと、道具への感情がない交ぜになった、自分でもよくわからないが、いま抱いているこの愛おしさだけは間違いない。であるならば、これも信じよう。朝生中佐はそう思った。屈みこみ、もう片方の手を再び初雪の股間部へ伸ばす。ぐしょ濡れになったパンツの中へ差し込む。 #座礁艦隊

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薄く生えた陰毛の先、陰核の包皮に指を当て、ゆっくりと前後に動かす。 「ん、ああっ」 大きく初雪が喘ぐ。背筋がぴいん、と伸びる。唇を合わす。乳房を揉み、陰核への刺激もやめない。 「ふ、んっ、ふんんっ」 口を塞がれ、初雪は鼻から声を漏らす。もう自ら舌を動かす余裕もない。 #座礁艦隊

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提督はそんな初雪の舌を自らの舌で導く。初雪が体を起こし、振り返るような形で提督のキスを求める。提督はそれに答えて、より深く屈み、初雪の歯を、歯茎を、唇の裏を、満遍なく陵辱する。 #座礁艦隊

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初雪が口に気を取られている隙を突いて、股間部の包皮を剥き、十二分に分泌された愛液を掬い取ってまぶし、直接陰核を押しつぶす。 「んむううぅっ！？」 より鋭い刺激が初雪の脳天を貫いた。提督は手加減することなく、陰核を擦り上げる。 「っぷは、やっ、しれいか、それ、強っ…！」 #座礁艦隊

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構わず提督は刺激を続ける。 「や、やあ、もう、くる、また」 初雪の反応が小刻みになってゆく。指の動きを早める。水音が執務室に広がる。目をじっと見つめる。そうして何度目かの口付けを交わすと、初雪は虚空を見つめ、叫び、再び達した。 #座礁艦隊

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・・・・・・・・・ #座礁艦隊

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提督の居室に備えられた専用の浴室、その浴槽に湯が満たされ、提督と初雪が一緒に浸かっている。初雪は提督の膝の上に座り、胸に頭を預けていた。湯船の中なら80kgの体重も気にならない。浴室は湯気で満たされ、二人はただ黙って天井を見上げていた。 #座礁艦隊

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風呂は命の洗濯、と初雪はどこかで聞いたフレーズを思い出す。艦娘にも命はあるのだろうか。人間のような、人間でない、私たちにも。深海棲艦を倒すために生まれ、沈み、あるいは戦えなくなったら解体されるか近代化改修の素材に回される私たちにも。 #座礁艦隊

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まだ日本にいた頃、テレビで見た、艤装解体を施され女子アナとして活躍している鳥海タイプを思い出す。戦いを離れ市井で暮らしている艦娘はたくさんいる。私もいずれ、沈まずに戦えなくなったら、解体され、提督と一緒に暮らせなくなって、"ごほうび"も貰えなくなってしまうのだろうか。 #座礁艦隊

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それとも深海棲艦との戦争がなんらかの形で終わって、そうしたら私たちがいらなくなり、全部本解体されてしまうのだろうか。あるいは……。提督の本棚でたまたま呼んだ、戦後に艦娘がいらなくなり、提督と離れ離れになって凄惨な生活を送っている島風みたいなことになってしまうか。 #座礁艦隊

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それならいっそ、戦いで沈んでしまった方が幸せではないのか。……いや、大好きな提督が悲しむのは、嫌だ。初雪は単純にそう思う。 頭を撫でられる。初雪は目を細めて、されるがままに任せる。 「初雪、あなた悩んでるでしょう」 提督に言われて、どきりと機関部が一瞬異常燃焼した。 #座礁艦隊

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「司令官、私がもし沈んだら、悲しい？」 「もちろん悲しいわ。そうね。この鎮守府の誰でも、沈んだら悲しい。でも、貴方は特に」 初雪はちょっぴり嬉しくなった。 「でも、沈まないで戦争が終わっても、私と司令官は離れ離れになっちゃうんでしょ。私はいらなくなっちゃうから」 #座礁艦隊

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「初雪、まだあの本のこと引きずってるの」 「うん……」 「大丈夫、あんなことにはならないわ。きっとね」 「どうして？」 「ああならないように、頑張っている人を、私は知ってるから」 「その人って、誰？」 「すぐ近くにいるわ。あなたもいずれ会えるかも」 #座礁艦隊

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「ふうん」 初雪はまた天井を見つめた。タイルの天板に水滴が付き、ぽたり、ぽたりと落ちて来ている。 「司令官、私、イベント、頑張る」 「ふふ、期待してるわ」 二人はしばらく湯船で一緒に過ごした。 #座礁艦隊

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<lingga 1661> #座礁艦隊

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他者の睦み事を盗み聞く趣味は無い。木曾は初雪と入れ違いに執務室を出た後、同じ従業員棟にある自室へは行かず、客室棟の吹き抜けロビーへ出た。自室では初雪のあられもない声が聞こえて来る可能性があるからだ。豪華なリゾートホテルでも従業員棟は外見だけで、中の防音はお粗末だった。 #座礁艦隊

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客室をそのまま利用した居住区を使わずわざわざ従業員用宿舎を使っている艦娘は木曾だけだったから、これで従業員棟は提督と初雪の貸し切りになった。 木曾はエレベーターを使い最上階へ上る。艦種問わず練度筆頭たちと提督が暮らす、スイートルームやペントハウスが並ぶ階層だ。 #座礁艦隊

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ケッコンした初雪はもちろん、大井北上"夫妻"や第二次改装を経た金剛、霧島などはこの七階に住んでいる。昼間一緒に出撃した赤城や、公定練度99の古鷹もここに住む権利はある。だが赤城をはじめ弓を使う空母は弓道場のようなあの発艦訓練場に近い、コテージ区画に住む事を好んでいた。 #座礁艦隊

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古鷹がこの階層に住まず一階下の普通一等客室にいる理由は、彼女が木曾と同じ鎮守府から移籍して来た「外様」だからである。もちろんこの鎮守府に出自云々を殊更気にする艦娘は多くないし、筆頭連中は誰も気にしない。実力あるものには相応の待遇。初雪の"ごほうび"と似たようなものだ。 #座礁艦隊

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古鷹は自ら遠慮したのだった。木曾と同じように従業員宿舎へ寝泊まりすることを希望していたが、木曾や提督がどうにか説得して、お互いの妥協点として六階、ということになった。 では木曾はといえば、雷巡筆頭ではないからここには住めないとしても古鷹の住む六階を使える練度である。 #座礁艦隊

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木曾が従業員棟に住むのは、質素で狭苦しいあの部屋の方が落ち着くからだった。オーシャンビューを堪能しながらパステルカラーの酒を飲むより、ひとり茶を立てて思いを馳せる方が性に合っている。何に？ 陸戦に、だ。 #座礁艦隊

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吹き抜けの周りにある通路を歩き、ガラス張りの海側に張り出した、この階にしか無い大きめのバルコニーへ出る。ここはもともと上客専用のレストランだったらしく、テーブルと椅子が並び、右客室棟にある調理室と直結している。今調理室は使われておらず、倉庫になっているが。 #座礁艦隊

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手すりまで出て、ポーチから煙管と携帯灰皿を取り出す。煙草の刻み葉を火皿に詰め、マッチで火を移し、手すりに寄りかかって、燻らした。紫煙がゆらゆらと中東の空へ立ち昇る。雲の無い綺麗な星空。月も出ていた。海も荒れてはおらず、波音だけが聞こえている。 #座礁艦隊