ツイッター小説 お気に入りセレクト 2010/11/03

明宏訊 @aliceizer

#twnovel 「さくらんぼうはどうしてあんな色をしているのかな」彼は甘酸っぱい息を吐きながら言った。「桜の色を奪ったからなんて言わないでしょうね」「オレがそんな在り来たりのことを吐くかよ！必死に怒りを抑えているのさ、喰われるのは果実もたまらんよな」そう言いながらさらに啄んだ。

黄金の米菓子 @OK_1111

#twnovel 「見て」私は夜空に浮かぶ名前も知らない星を指差した。「たぶん遥か昔、私はあの星だった。あなたはその隣の星だった。私は凍てつく寒さの中、一人彷徨いあなたを探してた。でも私達は出会って、今こんなに近くにいる」「そうか。君も昔は綺麗だったんだな」私の想いが空に流れた。

ミドリハだったもの @midoriha

貴方に言いたい言葉を打ったら、びっくりするぐらい恥ずかしい言葉しか出てこなくて、しばらくその文字を見つめていた。こんなことを言っても受け入れてもらえないだろう言葉。本来なら恋人同士が使う言葉だから。私はもうしばらくその文字を見つめて、結局四文字を消して送信した。 #twnovel

min @37a_

#twnovel 初めて逢ったとき彼女は26歳だった。ボスに咎められた私を庇い それが理由で私と同じ日に退職したかつての上司。退職してからも変わらずに庇ってくれる彼女に久々に癒される休日「いつでも遊びに来てね」と手料理を振る舞いながら柔らかく笑う、彼女も今や二児の母。来年40歳。