岡映里『境界の町で』感想まとめ
岡映里「境界の町で」を読んだ。読後には、すでに別の場所へ連れていかれた感覚が残る。筆者が執筆に至るまで福島に注いだ時間は、読者の俺が福島に向かい合うのに必要とした時間だと思う。告発ではない伴走。忘れさせないことへの強い意志は、おれにとっての故郷被爆地長崎、母への思いと共通する。
2015-05-26 16:53:12とてもとても久しぶりに読書した「境界の町で」。最近0と1で物事を考えようとしすぎてたな。その狭間で生々しい生き様を見せられたようだったな。さらけ出さなくても、にじみ出るものってのがあるんだな。気持ちの良い人たちなんだろうな。
2015-03-13 19:02:51『人の人生の稲妻のような一瞬に触れて、私の言葉も瓦礫になった。福島でそんな経験を何度もした。共感も、心配も、同意も、言葉にした瞬間すべて嘘になった。すべての言葉を奪われてしまった。共感したい、同意したい、同化したい。でも言葉という道具は頼りにならなかった』(岡映里『境界の町で』)
2015-03-18 22:48:27「境界の町で」(岡映里)を読み終える。震災後、福島に取り憑かれたように通っう岡さんがすくいあげた現地の人たちの生き様や言葉は、人間讃歌というような意味合いから最も遠いところで人間的であり、魅力的だ。
2015-04-03 08:21:00岡さんの筆致に、問題提起や批判はない。そんなことが不可能な“境界”で、このルポのような私小説のような一冊は書かれている。「人の人生の稲妻のような一瞬に触れて、私の言葉も瓦礫になった」地点から、岡さんはスタートしているのだ。
2015-04-03 08:29:20震災前から、誰からも必要とされないし誰も必要としていない自分、という大きな穴が、岡さんの心には開いていた。福島に向かうことは、その穴を時に埋め、時に広げる。岡さん個人の穴が、いつの間にか自分の穴にシンクロしてゆく。この本に一番魅かれた理由はたぶんこの「穴」へのシンパシーだろう。
2015-04-03 08:37:31「境界の町で」読了。脱帽。著者の次回作が非常に楽しみ。ノンフィクションにこだわらず書いて欲しい。人間的な魅力あふれる生粋のジャーナリストが身を削る。取材相手が心を開くのも納得。
2015-04-01 22:37:50「境界の町で」(岡映里) 72ページまで読んだ。72ページ目の8行で何かがシンクロして涙が出そうになった。本を閉じた。いま通勤電車の中。
2015-03-31 07:04:56「境界の町で」(岡映里)は、その一部をブログで読んでいて、目が合ったらもう離れられないような、静かに締め付けてくる文章の力の感触をいまも覚えている。単行本で改めて読もうと思う。
2015-03-27 12:50:06ノンフィクションなのに小説のような。その土地で生きる一人一人の生活を聞く事で、大枠で語ることや分かりやすさに陥らないようにしないとと思った。「境界の町で」を本棚に登録しました。/ booklog.jp/item/1/4898153… #booklog
2015-03-22 15:03:56ヤン・ヨンヒ「兄〜家族の国」、岡映里「境界の町で」、松本麗華「止まった時計」。何か感情を揺さぶられる本て家族の話が多い。
2015-03-23 00:27:26『人の人生の稲妻のような一瞬に触れて、私の言葉も瓦礫になった。福島でそんな経験を何度もした。共感も、心配も、同意も、言葉にした瞬間すべて嘘になった。すべての言葉を奪われてしまった。共感したい、同意したい、同化したい。でも言葉という道具は頼りにならなかった』(岡映里『境界の町で』)
2015-03-18 22:48:27(ジョニが『逃避行』を録音したのは、33歳頃だったかな。更に勝手な連想をひろげる。茨木のり子が詩集『見えない配達夫』を発表したのは32歳。アメリア・イアハートが米大陸単独横断無着陸飛行に挑んだのが35歳。いずれも、岡映里が楢葉町に通い、想いを発酵させていったのと、同じ頃の年齢だ)
2015-03-18 22:49:044回目の3/11を過ぎて、いま読み直したい本がある。 岡映里@okaimhome 著書の「境界の町で」だ。じんわりと平熱で福島のことを感じられる貴重な一冊だ。そして読み終わった後、ほんのりと心の体温が熱くなれる。
2015-03-12 11:37:57岡映里「境界の町で」こないだ読んだ。東京から福島へ通ううちに、東京にも福島にも、自分がどこにいるのか、立ち位置がわからなくなったというのがリアル。その風景や状況の中で「言葉が瓦礫になった」というのは、最近個人的にテーマな感じで、やっぱなーと思ったり。
2015-01-21 05:22:52「境界の町で」続き。その街の棄てられた感覚は、炭鉱街で育って、国策で閉山して、街が死んでいったのを見続けてきた自分の風景と重なる。楢葉町ももともと炭鉱街だったから、その後に原発が来たというのは、状況が揃えば自分の街(三笠市)も同様だったろうなとか。
2015-01-21 05:23:11「境界の町で」続き2.「言葉が瓦礫に」、この間のNHK「満月の夕」の番組で、HEATWAVE山口の歌詞「言葉にいったい何の意味がある」、と同様。いろいろな状況で言葉と言うのが本当に無力になるということ。だから音楽や絵などの表現と言うものが必要となるのだなーと
2015-01-21 05:24:15朝ごはんを食べながら、岡映里の「境界の町で」手に取ったら、最初のページからすぐに夢中になってしまった。好きなタイプの雰囲気と文章。先にやるべき事があるから仕方なく読むのを止めて、夜まで取っておこうと思う。夜が待ち遠しい。
2015-01-10 05:41:43友達に去年おもしろかった本きかれたからパッと思い浮かんだ吉村萬壱『ボラード病』と岡映里『境界の町で』と金井美恵子『お勝手太平記』と伊藤彰彦『映画の奈落』オススメした
2015-01-10 00:28:14今年いちばんの本は(といっても、もう前半にどんなのを読んでいたかも思い出せないんだけど)「境界の町で」(岡映里、リトルモア)◎。震災後に福島県の楢葉町に通い出し、現地の人に心を寄せるほどに「よそもの」の自分との距離を感じて心を病んでいく筆者の心情が綴られています。重い本でした。
2014-12-30 21:59:11