中学生でも読めるフーコー『性の歴史Ⅰ』(第四章「性的欲望の装置」〈時代区分〉の部分)

フランスの哲学者ミシェル・フーコーの著作である『性の歴史Ⅰ知への意志』を中学生でも読めるように要約したもパート9です。
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zutabukuro @ClothSack

また、貧しい人々もそういったものはブルジョワジーたちのものだと考えていました。  さて、19世紀の末に性的欲望の装置が広まってくるにつれ一つの問題が発生しました。(続く)

2014-04-23 18:43:27
zutabukuro @ClothSack

それは、性的欲望の装置が広がってしまったので、性(健康)に気をつけているだけでは、ブルジョワジーの身体が特別なものではなくなってしまった、ということです。   そこで、彼らがとった戦略は、自分たちの性的欲望自体を特別なものにしてしまうことでした。(続く)

2014-04-23 18:44:04
zutabukuro @ClothSack

そのための手段が、性的欲望に対する分割線・防止線を引くこと、それはある種の否定でした。性に関する否定の理論に乗ると、性的欲望は法の支配を受けねばならず、性的欲望は法によってしか成立ないので、性的欲望を得るためには自分が法に従わなければなりません。(続く)

2014-04-23 18:44:34
zutabukuro @ClothSack

しかし、他方でこの理論は、否定の度合いによって人々を分割することが可能なのです。   つまるところ、ブルジョワジーたちは、自分たちの性的欲望は他の人より多く否定されている(強い否定の体制に従っている)から特別なのだと主張しだしたのです。(続く)

2014-04-23 18:45:02
zutabukuro @ClothSack

その上で、彼れはそれが原因で危険(精神疾患)が生まれると考えていたようです。   ここで、以前紹介した精神分析と思い出してみましょう。彼らの理論によると、法による否定が欲望の元であり、欲望の否定が精神疾患の原因なので、その否定を取り除ければ治療ができる、ということでした。(続く)

2014-04-23 18:45:35
zutabukuro @ClothSack

また、歴史を見てみると彼らの初期のお客様はブルジョワジーの家族だったのです。 こう言ってもいいでしょう。(続く)

2014-04-23 18:46:09
zutabukuro @ClothSack

性的欲望の装置の一般化のによって、自己の性的欲望という特権を失ったかに見えたブルジョワジーたちは、人より多くの性に関する否定を受けるのと同時に、それを精神分析によって取り除く方法も持つという、新たな特権を手に入れたのだと。 (続く)

2014-04-23 18:46:28
zutabukuro @ClothSack

このように見てくると、性的欲望の装置の歴史は精神分析の考古学としての価値も持ちうるでしょう。事実、精神分析は性的欲望の装置において様々な役割を持ってきました。この性的欲望の装置に精神分析が組み込まれていたということが、重要な戦略上の変化をもたらしたと言えます。(続く)

2014-04-23 18:46:43
zutabukuro @ClothSack

それは、性が否定されているという考え方を、性を考えるために導入したということです。これは精神分析の臨床に限った意味ではなく、17世紀以降の性を考える全ての場合にそれが導入されたということです。 (続く)

2014-04-23 18:47:00
zutabukuro @ClothSack

戦間期(第一次世界大戦と第二次世界大戦の間)に、ライヒという歴史学者を中心とした性の否定にもとづく歴史・社会観批判が展開されましたが、それこそまさにこのような戦略上の変化に乗ってしまった運動なのです。(続く)

2014-04-23 18:47:16
zutabukuro @ClothSack

なので、そのような見方で歴史を分析しても良い結果はでないでしょうし、性的欲望の装置を解体することもできないでしょう。(終わり)

2014-04-23 18:47:42
zutabukuro @ClothSack

だいぶ長くなってしまった。でも、ここらへんって、資本主義と性の歴史の接合に繋がる部分だしな~

2014-04-23 18:48:32