表象08共同討議 『ポストメディウム理論と映像の現在』→批評家の影響力は本当になくなってきているのか?

表象08共同討議 『ポストメディウム理論と映像の現在加治屋健司、北野圭介、堀潤之、前川修、門林岳史 http://repre.org/publications/journal/08/ 続きを読む
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焼鳥山 @yakitori_yamada

↓美術界でも批評は影響力を失いつつあるらしい。「美術界に影響力のある100人ランキング」みたいのに、数年前までは批評家が入っていた。今は批評家は1人も入っていなくて、キュレーターや美術館長、コレクターばかりになっている、と『表象08』の共同討議で言われていた。

2014-04-26 13:08:42
Takuma Ishikawa @ishitakuma

表象08の座談会で、批評家の影響力がなくなってきているという言及があり、ツイッターでも話題になってるから少しだけ書くと、根拠となっているのが、(もちろんそれだけじゃないだろうけれど)Art Reviewの「Power 100」で、2012年まではジジェクやグロイスが入ってたけど

2014-04-27 14:59:07
Takuma Ishikawa @ishitakuma

2013年は入っていないと。美術館やコレクターが美術を牽引しているという話が出ている。これに関しては頭をひねる部分がある。まずは、それを言及している加治屋さんはどのくらいのスパンでこの状況論を語っているのかなというのが一点。また、Art Reviewのランキングが島貫さんが指摘

2014-04-27 15:03:39
Takuma Ishikawa @ishitakuma

しているように美術界のどの部分での話なのかということ。僕の実感からすれば、少なくとも日本において現代美術は以前よりも批評(活動)の重きは大きくなっているし、美術館もそれを認めていると思う。また、アートバブル崩壊後、コレクターによる状況の牽引力が目を見張るものではない。

2014-04-27 15:06:58
Takuma Ishikawa @ishitakuma

もちろん、日本の美術のなかでも複数性があるように、海外でもそうである。ここで、現代美術の研究者である加治屋さんが想定している現代美術のフレームというのがなんであるのかということが逆照射されているのではないか。

2014-04-27 15:09:17
Takuma Ishikawa @ishitakuma

また、そういう認識の上で 日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴをやっているということは、どういうことなのか。ポスト・メディウムの問題もメディウムの延長であり、現在を語ることはできないと繰り返している加治屋さんにとって、さまざまな批評家たちにインタビューを行なっているのは

2014-04-27 15:14:09
Takuma Ishikawa @ishitakuma

例えば、藤枝さんや峯村さんとかにインタビューをしているのは、彼らの発言には何の興味もないけれど、歴史的に価値づけるために記録とっておきましょうということなのかな?と思ってしまう。

2014-04-27 15:16:40
Takuma Ishikawa @ishitakuma

あとグローバルというイメージが、あまりにも西洋中心的すぎるのではないか(それは歴史ではなく、現在のなかにあるヘゲモニー的なものへのすり寄り)。それが文化多元主義の反省で、そういうことに対する開き直りだとするならば、それこそ美術の外の世界状況との落差が激しくなるように思う。

2014-04-27 15:34:04
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma はじめまして。『表象08』の共同討議をお読みいただき、ありがとうございました。私が言いたかったのは、個々の作家や作品に対する批評が読まれなくなっているということではなくて、例えば戦後日本美術に対する北米での関心の高まりというような大きな現象の推移において、

2014-04-28 11:57:12
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma 理論家や批評家の言説が役割を果たすことが少なくなっているということです。『美術の日本近現代史』が論じたような、90年代以降の狭義の美術批評の低迷ということを考えていたわけではありません。おっしゃるとおり、複数の文脈があるので、

2014-04-28 11:57:38
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma それをきちんと提示した方がよかったとは思いますが、他の隣接分野との状況比較のために出した議論だったので、論点を絞った言い方になりました。 オーラル・ヒストリーは、過去の記録を残す役割もありますが、私自身は、日本の美術言説の環境を変えていくことに関心があって

2014-04-28 11:58:42
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma 関わっています。今では少し考えが変わっているところもありますが、 http://t.co/YLqBrb5osj に書きましたので、よろしければお読みください。

2014-04-28 11:59:21
せざにすむ @cezannisme

表象08のポストメディウム共同討議をようやく読んだ。様々な分野におけるポストメディウム論の位置づけが分かって勉強になりました。グロイスもこの流れのなかでやはり語ることができるんだろうなとも思いましたね。マノヴィッチも読まないと…

2014-04-28 12:05:15
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya はじめまして。リプライありがとうございます。オーラル・ヒストリーの目的や方法がどのようなものであるかは理解しているつもりですし、その意義は疑いようがないものだと思います。そのうえで、表象08での加治屋さんの立ち位置がジャーナリスティックな

2014-04-28 20:04:55
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya タイムスパンによっている印象を受けたからです。自分の活動と無関係ではない日本の戦後美術史と、グローバルなアートワールドの接続に関わる加治屋さんの仕事の大きさを感じていることもあって、確認も含めて、あえて書いたところがあります。

2014-04-28 20:05:11
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya 『美術の日本近現代史』は未読ですので申し訳ありませんが、90年代以降の批評の低迷というのは理解できます。また、もう一つ僕の実感としてあるのは、昨今のアートワールドにおいて、美術理論や批評というのは、実は影響力の低迷よりも、理論や批評の人たちが

2014-04-28 20:05:42
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya 離れていった。つまり空洞化の方が、大きな問題であると思います。たとえば、エッセー的な形式が力を持ちづらくなり、批評と研究の差というのがかつてよりも曖昧になってきているなど、美術以外の分野でもそういった変化は見られますが、

2014-04-28 20:06:16
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya 理論や批評が意義を持たなくなっているとは感じません。少なくともPower 100にあがってる人びとよりも、例えばジジェクの方が圧倒的に影響力があると感じます。日本においても優秀な人たちが、ジャーナリスティックな美術から離れている。

2014-04-28 20:06:35
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya つまり現代美術界が閉じて魅力を失っていることでもあると思います。これは作家たちの意識にも大きな影響力を与えていると思います。この空洞化は僕にとって切実な問題です。また、文化や芸術の歴史の輸出という部分において批評家や作家の役割が低減していることが、

2014-04-28 20:06:57
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya あるとすれば、記述されにくい現場で共有されている類いの歴史が欠如する可能性もあります。そういった認識や細かい判断を抜きにすると歴史は矮小化されかねないとも思います。これは繰り返しになりますが、加治屋さんの全体の仕事の大きさを感じているがゆえにです。

2014-04-28 20:07:13
Takuma Ishikawa @ishitakuma

@kenji_kajiya 長々と失礼しました。これは個人的な批判ではなく、議論として生産性を持つ部分だと思ったので書かせていただきました。表象は毎号読めているわけではありませんが、それこそ理論的に、批評的に刺激と知識を与えられる貴重な媒体だと思っています。

2014-04-28 20:14:07
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma お返事ありがとうございます。お考えは理解しました。見ている現場や立ち位置が違うからかもしれませんが、私は、現代美術の空洞化を感じたことはありませんでした。日本に限って言うと、20年前だったら研究に専念していた人たちが、今は現代美術に大きな興味をもって

2014-04-29 00:57:13
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma 関わっていますし、作家の活動も、私にとっては魅力的であり続けています。ただ、現代美術界が閉じているというのは、言説に関してはそう思います。特に日本の外の美術言説との関わりが弱まっていると思います。もちろん海外の動向は情報としては入ってきますが、

2014-04-29 00:57:45
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma 彼我のロジックの違いを理解して、それとの交渉のなかで言説を構築したり、世界あるいはアジアの言説と接続することに携わろうという人は少なくなっています(少なくとも、御三家やその次の世代はしていました)。

2014-04-29 00:58:48
Kajiya Kenji 加治屋健司『絵画の解放 カラーフィールド絵画と20世紀アメリカ文化』発売中 @kenji_kajiya

@ishitakuma 言説の閉鎖的な状況は、英語による戦後日本美術の歴史研究が進むにつれて、変化せざるを得ないと私は考えています。歴史化のプロセスにおいては、作品だけでなく批評言説もまた歴史的に位置づけられてしまうからです。

2014-04-29 01:00:45