ESHITA Masayuki先生に学ぶ"研究ノート(はあと)"にしないためのノート術
話題の「研究ノート(はあと)」を見るに、やはり学部生のうちに「大人のノートづくり」をキッチリ学んでおいたほうがいいように思う。ルーズリーフに板書を書き写すことはノートづくりの入口にすぎないわけで、そこからいかに早く卒業して自分なりのスタイルを作るかが重要なわけだから。
2014-05-08 21:06:32ノートづくりを強く意識するようになったのは、フランスの人文科学系大学院で「ノートを読み上げるだけ」の講義を受けたときだった。「ほんとにこういう講義形式があるんだ」と驚いたのと同時に、ノートづくりへの執着心にちょっと感動した。
2014-05-08 21:12:19「業界騒然! この作品は実験ノートを凌駕した……」とか? RT @MORI_Natsuko: RT)小保方さんの実験ノート……「ものすごい破壊力」って、小説だったら、褒め言葉なのになー。惜しい。私も小保方さんの実験ノートのような破壊力を目指したいものよ……。
2014-05-08 21:15:16「ノートづくり」というのは、情報をつくる立場にいる人には多かれ少なかれ必要なスキルなわけですよ。研究者や学生はもちろん、一般のサラリーマンだって。実際,オレがノートをきちんと作ななくちゃいかんなと思ったのはサラリーマン時代だった。まあ、リサーチ屋という特殊要因はあったけど。
2014-05-08 22:28:27理学・工学・社会科学・人文科学などの領域によってノートの作り方は違うと思うのだけど、「事実を記録する/整理する」「アイデアを記録する/整理する」という目的は共通しているはず。
2014-05-08 22:30:44あくまでもオレの実践例だけど、整然さと記録速度は相反する状況にあると思うので、整然と記述するノートとスピード優先で記述するノートとは別々に持っている。整然と記述するノートの方も、下書き的なノートとまとめ的なノートの2種類あるので、ノートは3種類あることになる。
2014-05-08 22:32:17まとめ用「整然」ノートにはモレスキンの罫線入りを、下書き的「整然」ノートには安売りしてるコクヨノートを、スピード優先のは白地のモレスキンノートとモレスキン手帳を使っている。モレスキンた高いけど必要な投資と割り切っている。
2014-05-08 22:34:36あと、記述はかならず万年筆でやっている。鉛筆やシャーペンだと数年で掠れてしまうからね。何年も前のノートをチェックすることを前提にすると、万年筆で書くのがいちば確実だから。書き間違えもホワイトでは消さずに線で引っ張る。間違えの記録もひとつの情報だから。
2014-05-08 22:36:11文献とか論文を読み込むときはコクヨノートを使う。左ページに引用できそうなところを転記し、右ページにその要約を書いたり、キーワードを抜き出したり、思いついた批判をメモしたり、他の文献から参照できそうな内容を転記したり。左右を別々に使うのが一つのコツかも。
2014-05-08 22:38:14たとえはこれは『アメリカ映画の文化史』を読んだときのノートだけど、左ページが本文の抜き書きで、右ページが要約とか他の書籍からの抜き書きなど。 http://t.co/EDGUPuEi1X
2014-05-08 22:41:38なので文献のノートを作るときは、最初は左ページだけが埋まる。右はほぼ真っ白。次に左ページを見ながら要約して右ページに記入する。で、あとは何かの資料読みの機会に「あ、これは」と思う部分とか、思いついたアイデアなどを右ページに書き足していく。
2014-05-08 22:43:471,2年もするとそれなりの情報量がコクヨノートに貯まってくるので、それを別のネタに使えるように整理する。で、整理した内容を「まとめ」用のモレスキンノートに記述する。このときは箇条書きを使ったり、自分で図表を作ることもある。
2014-05-08 22:45:02たとえば今田絵里香『「少女」の文化史』のノート(これには渡部周子『〈少女〉像の誕生』の内容をかなり引っ張った)を整理してモレスキンに記述したのがこれ。 http://t.co/6SstNWnjYD
2014-05-08 22:49:10下書き的な用途のコクヨノートは調査対象ごとに、まとめ用のモレスキンは研究テーマごとに1冊単位で設定しているけど、講演記録とかアイデアメモなどはまとめて1冊使っている。なので白無地モレスキンノートやモレスキン手帳の内容はカオスの状態になっている。
2014-05-08 22:55:55たとえば安田さんと常岡さんのシリアの講演を記録したページのあとには、神戸ファッション美術館でのセミナーよ記録があったとか。 http://t.co/6JOmv7LrUE
2014-05-08 22:58:39現在は La presse feminine という本を読んでるのだけど、丁寧に読む必要があるのでやはりノートを作っている。左ページに下訳を書き、右ページは後で確認したい雑誌タイトルをメモしたり。 http://t.co/F56XjcnOwP
2014-05-08 23:03:57まあ、メモ的なノートはカオスの方がいいと思っている。取材をするときとか、アイデアをひねるだすときというのは、まったく関係のない事柄を結びつけることがしばしば重要になるので、カオスの方が応用がきくんだよね。
2014-05-08 23:00:15要チェック雑誌をまとめてモレスキン手帳にリスト化し、古書店に行ったとき参照するわけです。小さな手帳はいつも持ち歩き、思いついたアイデアを記録するのにも使えますね。
2014-05-08 23:07:10たとえばこのあいだクリニャンクールの古書店に行ったときも、手帳のこのリストを参照しながら雑誌を漁ったのでした。 http://t.co/KK9IhyxgoI
2014-05-08 23:09:03もちろんこうして集めた資料も少しずつ整理してノートに記録する。要するに研究という作業は「ノートを賢くする」という側面が非常に強い。だから「実験ノート(はあと)」に多くの研究者がびっくりしたわけじゃないかね。研究者によっていろいろなスタイルがあるとはいえ。
2014-05-08 23:14:55ノートの作り方には人によっていろいろなスタイルがあるはず。自分に適したスタイルを見つけるのも「勉強」のひとつだと思う。もちろんパソコンやスマホを使うのも「あり」だね。オレは手書きノートがメインだけど、evernoteもDropBoxも当然使っているから。
2014-05-08 23:16:28第二に、最初から整然とさせようとは思わないこと。1冊の本のエッセンスを見開き1ページにすっきりとまとめるなんてことは、本を読んですぐにできることじゃないと思う。何段階かの作業を経ないと。だからノートは何種類かに分けて使った方が効率的だと思われる。
2014-05-08 23:19:16第三に、カオスをある程度保てるノートを絶対に1冊キープしたほうがいい。あたらしい情報はカオスのなかから生まれるものなので、混沌とした状況はけっこう重要になるはず。そういう意味でもやはりノートは何種類も併存させて使うことになるね。
2014-05-08 23:21:16いろいろなスタイルはあるだろうけど、それでもけっこう共通していえる要素はあるように思う。とりあえず思いつく原則的なことは、第一に、キーワードを矢印でつなげるだけの形式ではなく、「文にして書く」ことを基本にしたほうがあとあと苦労しないですむ、ということ。
2014-05-08 23:17:43