戦車小話~T-50軽戦車の生産を中止して欲しくない幾つかの理由
T-50の装甲を60mmに強化しても重量は17.5~18t程度で、一方T-34の装甲を同程度に強化した場合は33~34tとなり、即ち前者より16tも重いものとなる
2014-05-09 23:39:03以上に示したように、T-50をT-34で置き換えることもまた理想的とは言えない。より適当なのは、むしろT-34のうち一定数を装甲強化型T-50で置き換えることである
2014-05-09 23:41:51小型戦車の車体は、戦闘および経済的要求、そして軽対空自走砲や火炎放射戦車、化学戦車、地雷処理車や弾薬運搬車等の補助車輛の製造のためにも不可欠である
2014-05-09 23:47:24個の必要性の例として、実際に対空自走砲の不足のために航空攻撃による損害が生じている。第174工場はレニングラード戦線向けに37mm対空砲をT-26戦車車台に搭載したものを2両製造した。部隊からの評価は極めて好意的である
2014-05-09 23:50:10などと、「T-50はこんなに良い戦車なんだから生産中止しないでお願い!」な文書でした。後にもまだまだ、工場の生産能力、金属消費量、V-4エンジンの(V-2に比べての)生産容易性、資源配分の不備、戦車人民委員への恨み言(?)等々、生産継続を求める理由とその為の提案が色々連なってます
2014-05-09 23:55:47ともあれ、(-50を最大限擁護しようとする立場から書かれた文書であろう事は割り引くとしても、T-50は実際なかなか良い戦車なんではないかなあと思わされてきちゃいます。この文書に対する反応(やっぱりT-50は生産中止しちゃうよ、的な)もどこかにあるはずで、それと比べてみたいところ
2014-05-10 00:00:43こうして見ると、なんで赤軍がレンドリースのヴァレンタインを貰ってあんなに喜んだのかも、なんとなくわかるような気がします。T-50ほど高速ではないにせよ、Mk.IVペリスコープのお蔭で視界良好、操縦性良し、装甲も十分と。結構T-50と共通する特徴もあるわけで
2014-05-10 00:03:52ひょっとすると、ヴァレンタインはT-50に求められていた用途をほぼこなす事が出来たからこそソ連で好まれたんじゃないかしらとか……もっとも、T-50は元々無くなると困るなんて程の数は無かった訳ですが
2014-05-10 00:08:39T-50戦車はT-34等の主力戦車に使われるV2エンジンの直6版であるV4を使ってる。製造に一番手間のかかるクランクシャフトがV2と略同じってことで、V4作れるならV2作れる。シリンダ数違うからその分は安いけど、半分性能で手間は半分以上。この時点で整理対象だね
2014-05-10 00:10:02. @sudo_simoigusa 実際T-50はT-34やKVとエンジン食い合っちゃいますからね……。件の文章じゃ「T-50用のV-4エンジンの方が2割くらい生産簡単なんだから、いっそV-4をもっと増やしてV-2は減らしてしまえ!」なんて恐ろしい提案がされてます……
2014-05-10 00:12:52その上での、「より適当なのは、むしろT-34のうち一定数を装甲強化型T-50で置き換えることである」なんて提案なんだろうなあ
2014-05-10 00:14:48@FHSWman 2割手間が減って、性能半分ですから・・・ なおT-70戦車に使われてるGAZのエンジンは、乗用車用6気筒でして GAZのトラック(GAZ-AA等)は4気筒なんですね 生産的に喰い合いが少ない、乗用車需要は少ないでしょうから、その点で圧勝です
2014-05-10 00:17:39. @sudo_simoigusa アメリカ戦車の軽戦車なんか結合エンジンで、一見するとどういうメリットがあるかわかりにくいですが、実際エンジンを食い合わないってのは重要なんですね
2014-05-10 00:26:24@FHSWman ジグの準備一つとっても今まで作ってないエンジンを作るのは立ち上げに手間取るわけだし、それで軽戦車向けと主力戦車向けやるなら、全部主力戦車にしてくれってなるでしょうね
2014-05-10 00:28:34「T-50向けの45mm砲が不足している。何門の方が製造されているか当方は把握していないが……(中略)代わりに、T-50の砲塔は76mm ZIS-5戦車砲または37mm対空砲を搭載するのに十分な大きさがある」
2014-05-10 00:24:05あとは、「T-50は生産が始まったばかりでまだ生産プロセスが合理化しきれていない。よって、いずれ徹底的な簡略化等が進めば、既知の生産上の問題は容易に取り除かれる」くらいの事も書いてある。 そこまでポジティブな言い方ができるか
2014-05-10 00:31:56生産プロセスの合理化が進んでいないという点に関しては、当時はT-34やKVも似たようなものであったろうなあとは想像するところ
2014-05-10 00:32:38T-50は余剰馬力が大きいんだから、逆に言えばもうちょっと弱いエンジンでも間に合ったんじゃないの? という考え方もできるけども、そうすっとT-50の前段階のT-126に戻っちゃうだけなんですよね
2014-05-10 00:40:14そもT-126のエンジンはV-3で、これはV-4の一つ前のバージョンだから、V-2と生産を食い合っちゃうのは変わらない。結局全然別系統のエンジンを選ばない限りどうしようもないし、そんな都合のいい300馬力級エンジンなんて無かったという訳なのかもだなあ
2014-05-10 00:43:51そういえば、ヴァレンタインも他の戦車と全然エンジン食い合わなかったような……や、というよりも、英軍戦車は大体どれもエンジンが違うような気もしますけど
2014-05-10 00:47:43英軍の戦車は巡航戦車Mk.Iからロンドンバスで使ってたAECのエンジンをそのままつかったり、マチルダシニアではそれを「回転方向の違う2種を用意して」右用左用で2基搭載してたはず ヴァレンタインは米GMの6-71のライセンスだったかな
2014-05-10 00:51:47