国交省「水資源開発基本計画見直し」とは？

松永洋介／ならまち通信社 @narapress

@masanoatsuko 4/11の奈良新聞に「水資源開発基本計画見直し」という記事がありました。おそらく配信記事だと思うのですが、ネットで調べても全然でてきません。これ、どういう脈絡の話なのでしょう？ http://t.co/6JX2Unq4ac

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まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress お返事が大変遅くなりすみません。この水資源開発基本計画は水資源開発促進法に基づくものです。この法律は、昭和36年に「産業の開発又は発展及び都市人口の増加に伴い用水を必要とする地域に対する水の供給を確保するため」（第一条 ）に作られたものです。（続く

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress 水資源開発（＝ダム開発）とその計画期間を定め、ダム建設の根拠とされています。計画期間が終わるとまた新たな計画を定め、エンドレスにダム計画が立てられる仕掛けとも言える計画です。（続く）

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress ところが、この法律が想定した高度経済成長は終わり、記事にもあるように水需要の増加は見込めない時代となりました。本来、このような開発促進法は役割を終えたものとして廃止すべきところです。（続く）

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress ところが法律を廃止するかわりに、法律が想定した時代が終わっても、あたかも終わっていないかのように、開発計画を更新してきました。「ダム計画」ありきと批判される一因はこのようなところにあります。

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress 自治体の要請をもとにボトムアップで計画は積み上げられていきますが、さすがになくなってしまった需要を捏造するわけにいかない。たとえば、記事にあるような吉野川では新たな計画を立てること自体が実態と乖離しているので、計画年が終わっても計画を更新するニーズがない（続

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress そこで計画策定は常に遅れます。虫明功臣さんという学者はあるとき審議会で、もうこの計画を廃止すべきだと発言。すると後から担当課長が飛んで来て、議事録を削除してくださいと頼まれたことがあるそうです。審議会が非公開だった時代です。（続

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress そんなこんなで、詳しい人ほど、この計画もその根拠法もいらないことはわかっています。ちなみに八ッ場ダムもこの計画を一つの根拠としています。虫明氏は八ッ場ダムの推進者です。そこで昔は計画を廃止すべきとおっしゃったではないかと聞くと八ッ場はいると各論反対です（続

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress そしてやっとご質問の答えです。各論は別として総論として役割を終えたと考えられている水資源開発基本計画とその根拠法ですが、役割はまだあるとばかりに持ち出してきたのが、渇水や大規模災害対策です。計画ありきで、目的を変容させたいという大本営発表です。

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress 長くなりましたのでここまでにしますが、事業ありきで法律に書いていない役割を自己増殖するのはなぜか、河川ムラのカラクリを書いたのが『水資源開発促進法 立法と公共事業』です。カタイ学術書と間違われますが、実はエグい告発本です。是非お手にとってみて下さい。

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress ちなみに、実名は出さずにこの本で私が批判の対象とした元河川局長の一人はこれを読んで、私が把握している彼らの悪事はごく一部でしかないと語ったそうです。

松永洋介／ならまち通信社 @narapress

「立法以来50年、その政策的役割を終えた1本の法律が、待ったなしの財政再建に立ちはだかっている。政権交代でも変えることができなかった巨大公共事業の根拠法を徹底検証する」＞政野淳子『水資源開発促進法　立法と公共事業』http://t.co/J9mqkTsTHb 築地書館2012

まさのあつこ @masanoatsuko

@narapress まとめて下さって感謝です。ちなみに新たな水需要がないにもかかわらず、捏造ではないかと思えるほど、工場出荷額の増加など非現実的な課題な需要増加予測をもとに八ッ場ダム、霞ヶ浦導水事業、思川開発事業（南摩ダム）の3大愚行に乗り続ける茨城県のような自治体もあります

Kenji　KAJIWARA @kajiken76

@narapress @masanoatsuko ダム問題研究をしています、梶原といいます。６月に「戦後河川行政とダム開発」という学術専門書を出します。この話、ここで少し解説をしています。（１）～（４）。 blogs.yahoo.co.jp/kajiken76xyz/6…