いとけん先生から社会学の君へ
- contractio
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金曜の教授会で若い社会学の人が分野の紹介としてデュルケームを引いたあと、いきなりパーソンズ、ルーマン、サールと飛んでいて、時代なのだろうなと思った。つまりマックス・ヴェーバーが出てこない。ヴェーバーがアンチテーゼとして宗教社会学を打ち出す大本であるマルクスも出てこない。時代の推移
2014-05-25 11:47:32ちなみに社会学は全く素人ですがパーソンズ無くしては今日の社会調査とかは無いものと理解しているので、機能構造主義は大きな成果というか、いまもって現役の主流だと勝手に思っている野は、ルーマンのオートポイエーシスとか結局比喩で何も算出してこないと思っていて、能書きでは仕事は動かない気が
2014-05-25 11:52:06サールはスマートな知性と思うけれど基本は哲学者で社会学批判として鋭利であっても社会学自体に建設的貢献があるのかよく知らない。今日、言説としての社会学は色々(日本で博士の学位を出さない風潮はなんとか治癒せんのかね)としても、統計数理を併用する社会調査は固まってる観が僕はあって、
2014-05-25 11:54:41数理社会学ってもっと豊かな可能性があるだろうに、と常々思っています。数理社会学会的なところではきっと若い人が大いに気を吐いているのだと思うけれど,どうもうねりが大きくならないのは「難解」うんぬんで情報の壁が出来ているのかもしれません。公共選択論などともっと交流があればよいのに。
2014-05-25 11:56:07「専門家でもないのに」と言われるかと思うけど、僕は専門家ヅラは決してしませんが、大学院情報学環という組織のミッションとして、こうした内容に15年コミットしてきたし、元を正せば1996年に経産省で行った社会調査「我が国のクラシック音楽産業の研究」(病気だった私が主任研究員)以来で、
2014-05-25 11:57:52大学院生採用の看板としてはこうした内容とくに大学の業務や官庁とのコラボレーションなどでも鋭意進めて行くべきものと考えているもので、一過性の思いつきで話しているわけでは無いのはご了解頂ければ^^ 生硬な図式で物事をゆがめるつもりはありませんが、解析的な見取り図がないのは危なっかしい
2014-05-25 12:00:17若い人がなんちゃって評論家になってゆくのは残念。ここで実名など一切挙げないのは、詰まらぬコンフリクトを回避し、また若い人には伸びて貰いたいからだけれど、何が学位要件なのか判然としない 実質権威主義的な「さじ加減学位」がなんちゃって評論家を作る温床ではないかと考えている。
2014-05-25 12:21:12何をいっているかというとディシプリンがない。テキストを精密に読む→独創的な見地を見いだした(とする)→それをそこそこ厚い日本語にまとめた で学位にしてしまうと、要するに「おもいついた」「強弁した」「STAP」と変わらない事になるんじゃないの?なんて物騒な事は決して大学では言わない
2014-05-25 12:23:19僕が本当に強調したいのは『実証段階』の精密なディシプリン=手に職をつけてやることで、単に資料をあつめて作文するだけではまず100%その先の就職に困るドクターさんを量産しはしないかと心配。例えば作曲科ならオーケストレーションとかソルフェとか実技で素人にまね出来ない力をつけてやるべき
2014-05-25 12:25:28再生工学で考えるなら学卒では分子生物学の基礎一通り実験含め理解、修士段階で関連する分野の一通りの研究現状と課題、問題などを把握、追試等は十分できる力を養成、そのうえで博士で独自の仕事をし、独立した開業免許になるわけです。STAPの人がD論で盗作したのは修士の学力がないからでしょう
2014-05-25 13:06:45誤解の無いように「学士は理解・修士は模倣再現・博士は創造」は最低目安で、それであるべきと言っている訳ではない。学部ですでに創造的な事が十分出来る能力があれば取り組めばよい。また東大理物の素粒子理論研究室が修士にレビューしか書かせなかった(上記の通り)指導を僕は厳しく批判しています
2014-05-25 13:08:53最低限のハードルとして、その目安をもうけ、それを著しく下回るもの、或いは研究者の倫理にもとるようなものには、学位は発給するべきではない そうでないと海外大学で「日本ではこんなレベルで修士だしてるのか・・・」と以後の信頼をすべて失うことにすぐになってしまう。というか実際になっている
2014-05-25 13:10:25医師で考えると判りやすいと思う 医師免許は医療の手に職だけあればよいというものではなく、医師として絶対にやってはいけない倫理的な基準をまもらないようなやつは(永久)追放もありえるでしょう。研究倫理は生命倫理の側面が在りますから同根、倫理犯罪を犯した研究者にはペナルティがあります。
2014-05-25 13:15:08僕が物理の修士に入って最初にやらせて貰ったのは自分のテーマの測定器をゼロから作る事。具体的には電子スペクトロスコピーのスウィープ回路とアンプ設計/実装でした。原理を知り、回路を設計し、プリント基板ではなくエッチングで基板からすべて自作、3-4ヶ月掛かりましたが3,4ヶ月で済みます
2014-05-25 13:18:58一つゼロから作ると大概の問題に直面します。アナログ回路は設計図通りにくんっでもまず動かないとか、グラウンドループや発振はどうやってアナログ・デバッギングしてゆくか、とか。まったくこういう事に疎かった私が、少なくとも仕様の相談程度はこれら普通に使えるのはディシプリンの賜でありまして
2014-05-25 13:20:40技術系の方も見ておられると思うから、そのまま通じると思いますが、企業の新人研修なんかと同様で、目的が明確かつやりたいと思っているモノに向かって,基礎の基礎からきちっとくみ上げる、そういう特訓を最初の最初にクセにしておくか、しないか、で 一流とそ例外がハッキリ分かれると思うわけ。
2014-05-25 13:22:17普段僕がここに書く話は、自分の本来の仕事のことや時事の話題で、オペアンプ組み合わせてアナログの積分器を設計、なんて話は出てこないわけですが、実はオペラハウスで声を十二分に響かせるテクニックやその指揮には、こうした経験とノウハウがダイレクトに役立っています。方法が有り結果に差が出る
2014-05-25 13:24:46で、肩書き上は修士や博士を持っているようにみえて、専門の内容に対してシステマティックな取り組みを自分自身できない、さらにはそういう教育や指導を全くできないというのは あってはいけないことだし、そんなまま「学歴」だけが人事で先行して、教授とか助教とかリーダとかの職位につくのも間違い
2014-05-25 13:27:08理系出身の音楽家の僕がどうして社会学にもの申すかというと、10代の頃は死んだ親父と同様経済学部に進もうと思ってて、関連の岩波文庫とかは訳も分からぬまま300冊くらい読んでみていたので 1970-80年代初頭時点、まだ冷戦たけなわの時期の当該分野はガキなりに把握しようと思っていて、
2014-05-25 13:29:24僕が高校1年のときサルトルが死に、アルチュセールは例の事件を起こし、いよいよもってマルクス主義は微妙になり、レーガン政権はSDI構想とか凄まじい話をし中曽根首相は日本列島は浮沈空母と発言し、僕は西ドイツに留学して東側をかいま見てこれはもうダメだとすぐに解り・・・そういう経験からで
2014-05-25 13:34:31本人降臨!
北田先生のことかな? 時代の推移というよりも、個人の社会学観の提示でしょう。イギリスやフランスでそういう風に社会学を紹介する人はいないだろうし。
2014-05-25 13:53:42@modi_operandi 教授会の合間の10分でちょっと話題提供みたいな時間なんです。うちの部局は理系の先生もいるので、社会(科)学が独自の学問として成り立つには「規範性」を扱わねばならないが、そのやり方にとりあえずいくつかあって…という話をしました。
2014-05-25 15:14:41@modi_operandi でまあ、オチは最初から決めてあってですね、今度サールの訳書を出すから出たらよろしくおねがいしますね!というあれです。サールは社会学に対する挑戦であり、だから受けて立ってちゃんと検討する必要がありますね、そのためには訳書を買わないと!的なw
2014-05-25 15:23:45