【腐向け】黒髪の軍人と金髪の青年

なんか増えそうな気がしたので
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@kai3years

「それにしても、キミの方は、一向に褒めてくれないね」ぶーぶーと口を尖らすさまは、どう見ても歳には不相応だ。「上玉だと思うんだけどな」「馬鹿を吐かすにも言葉を選べ。だいたい俺の口から言わせて、得することもないだろう」「キミの口からこそ聞きたいのにー」そんな語彙は持ち合わせていない。

2014-05-30 10:57:16
@kai3years

ミュラオリ。言えば陳腐になるだけなので黙ってるミュラーさん

2014-05-30 10:58:02
@kai3years

【1/3】忙殺される日常の中、一時間、否、数分でもいい、触れ合う機会が持てたなら。その欲求が募りに募り、ついに自制が利かなくなっとき、オリビエは彼の腕を掴み、暗い宝物庫へ引いた。不意を突かれた男が部屋の中へとつんのめる隙を縫い、後ろ手に鍵を閉めるとそのまま、逞しい体に縋りつく。

2014-05-31 01:25:30
@kai3years

【2/3】「オリビエ」困惑を滲ませてなお、甘く、低く、優しい声。それを紡ぎ出す唇に、己のそれを押し当てた。「ミュラー…」戦慄いて喘ぐ声音と、切羽詰まって潤んだ目。それがミュラーの耳と目に僅かのブレもなく届いた瞬間、オリビエの腰は強く抱かれて、彼との距離を零にした。

2014-05-31 01:25:54
@kai3years

【3/3】名を呼ぼうと開けた唇に、舌を捻じ込まれ、声が潰れる。蹂躙されては解放され、俯き、絶え絶えの息を継ぐと、すぐに顎を持ち上げられて、再び、口づけに犯される。「ミュ、ラ…」ぞくぞくと愉悦に燃える。求めていた。自分と同じように。その事実を感じるだけで、正気が消し飛びそうだった。

2014-05-31 01:27:03
@kai3years

ミュラオリ。とにかく、ちゅーさせたかった

2014-05-31 01:27:29
@kai3years

【1/4】「吸うなら窓を閉めて吸え」鹿爪らしい顔をして、ミュラーは窓だけでなく、カーテンまでも閉めてしまう。「普通は逆のことを言うものだが」「お前の場合は話が違う」「侭ならないねえ」風が停まったせいで一気に篭もった紫煙を、うるさそうに払いながら、ミュラーも「まあな」と肯んずる。

2014-05-31 18:42:28
@kai3years

【2/4】高貴な人間が好むものの相場は既に決まっている。たとえば、真っ白な皿に少しずつ盛り付けられた料理やデザート、折り紙付きのワインやシャンパン、音楽、演劇、美男美女。そのいずれもをオリビエは好感をもって嗜むが、だからといって他の嗜好を排除するという気にはなれない。

2014-05-31 18:42:34
@kai3years

【3/4】士官学校で密かに覚え、外国に出て親しんだ味は、今でも時折、特に忙中のオリビエを慰めてくれている。「葉巻が嫌いな訳でもないだろう」「あれは時間が要るからね。忙しいときは、こっちの方がいい」安い紙巻はすぐに火が点き、あっという間に燃え尽きて、証拠の隠滅も容易にできる。

2014-05-31 18:42:41
@kai3years

【4/4】「まったく」溜め息は吐かれるものの、それ以上は咎められない。軍属であるミュラーは安価でやくざな嗜好に馴染んでいるし、得られる効果も知っている、それに。「一本、寄越せ」「お主も悪よのう」どことなく子供じみている、だが、大人の秘密の共有を、彼だって実は、楽しんでいるのだ。

2014-05-31 18:42:47
@kai3years

ミュラオリ。世界禁煙デーに対して無駄に反抗してみた

2014-05-31 18:43:20
@kai3years

【1/4】口腔から抜かれた舌が、まず持ち主の唇を濡らし、そして、ゆっくりと下っていくのを、オリビエはとろけた視線で追う。コートを椅子の背に掛け、スカーフを抜いた今となっては、オリビエの上体を包むものは、白いシャツが一枚だけだ。それをゆっくりとほどく様子は、徹底して、丁重だった。

2014-06-01 00:53:05
@kai3years

【2/4】間もなく晒された生身の肌が、外気に触れて戦慄いたのを、目敏い男は見逃さず、掌の熱を分けてくれた。穏やかな熱に、はあ、と安堵の息を吐き出したその直後、もっと強烈な熱を与えられ、オリビエは思わず仰け反った。「ん…ッ」つい跳ねた四肢を押さえる力は相変わらず強い。

2014-06-01 00:54:28
@kai3years

【3/4】「…ッ、あ、」今はまだ撫でる指にも引っかからない突起に舌を這わされ、ちゅ、と水音を立てて吸われると、すぐに親指で押し潰される。じわりと滲んで広がるものは、まだ快楽ではなかったが、吐き出す息は切なくなって、不思議と、声まで交じらせた。「ミュ、ラー…」「動くな」

2014-06-01 00:54:35
@kai3years

【4/4】常より低い声で牽制されてしまうと、身をよじることも侭ならなくなる。今や直視をためらうほどに勃ち上がった小さなそれは、すっかり鮮やかな紅みに染まり、唾液に濡れて、震えていた。

2014-06-01 00:56:12
@kai3years

ミュラオリ。乳首の字が見えたので、理由なく置いておきますね

2014-06-01 00:56:58
@kai3years

【1/4】「結婚してください」「断る」真面目な顔をしたと思ったら、倍ほどふざけたことを言う。「ミュラー君のイケズ!早漏!即答しなくてもいいじゃない!」「答えに悩む時間が惜しい。あと二つめの言葉は取り消せ」「うん、二つめは撤回する。代わりに『はい』と答えてくれない?」

2014-06-01 23:59:10
@kai3years

【2/4】「やはり取り消さなくていい」「ボクの求婚に応えるよりも、早漏呼ばわりを選ぶのかい…」がっくりと項垂れる男を見下ろし、改めて、声に険を出す。「何の遊びだ、まったく」「いやいや、遊びじゃなく、予行演習さ。ボクにもいつか結婚を考える日が来るかもしれないのだし」

2014-06-01 23:59:18
@kai3years

【3/4】「相手に俺を選ぶ理由は」「この恰好で女官に愛を囁く訳にはいかないだろう?」紅いコートの裾をつまみ、金の肩章を指先で弄る、その姿は確かに「皇子」だ。理屈としては筋が通る。「それに、どうせなら本番に近い状況で練習したいしねー」ついでに余計な筋まで通す男を睨んで背を向けると、

2014-06-01 23:59:27
@kai3years

【4/4】あぁん、と女々しい泣き真似とともに、地に崩れ落ちる音がした。「可能性はゼロじゃないのにー」「そう思うなら段階を踏め」「え」「可能性を高くしてから、改めて口説けと言っている」ぽかんと開いた口は丸くて、少し、ミュラーの笑いを誘った。「そのときになれば、考えてやる」

2014-06-01 23:59:38
@kai3years

ミュラオリ。プロポーズの日に滑り込み

2014-06-01 23:59:54
@kai3years

この腕の中で目を覚ますたび、とろけていきそうな心地になる。ぴったりと合わさった肌は熱く、鼓動は音でなく震えで感じられ、寝息は余さず味わえそうなほど近くで穏やかに立てられて、すぐ目の前にはオリビエが好きでたまらない顔がある。幼い頃からこの場所はオリビエにとっての聖地だった。

2014-06-04 07:33:32
@kai3years

ミュラオリ。おはようございます

2014-06-04 07:33:40
@kai3years

ほとんど貼りつくようにして寄せられた体は痩せぎすで、抱え上げれば女のように軽いとミュラーは知っている。だからといって女の体が持つ柔らかさがある訳ではない。薄い肌越しに骨の硬さを明確に感じさせる体は、腕に捉えて心地よくはなく、…それでも、放してはいけないと、放したくないと強く思う。

2014-06-04 07:46:37
@kai3years

ミュラオリ。おはようございます、その二

2014-06-04 07:46:56
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