日常系百合アニメと、進撃っぽい作品群を支える共通の精神性とは?

昨今の百合アニメの異国情緒についての分析から飛躍して、現在のアニメ漫画の二大巨頭である『日常系』と、進撃系(世界に抗う系の作品群)を分析し、その二つが共通の若者意識で繋がっていることまでを考察しました。皆さまのご考察の参考までに〜
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もかみちゃん @karoshininja

作者が女性の百合マンガである、ごちうさや金モザを見ると、異国情緒への無邪気な憧れがある。それ自体はキャンディ•キャンディから続く女性マンガのある種の伝統なのだが、これは当時国の性質そのものが求められているというよりは、単に現実的な異邦性のために呼ばれているだけのような気がする

2014-05-29 13:18:14
もかみちゃん @karoshininja

つまるところ「ここでないどこか」という異国情緒に依拠した少女マンガの舞台は、ロンドンやパリに限りなく近似していてもそれそのものであってはいけないのだ。何故か。これは少女が自分の私的空間を好きなものでデコラティブする行為であり、それはしばしば煩雑だし内向的だが、だからこそ自由である

2014-05-29 13:50:02
もかみちゃん @karoshininja

作者は異国の自分の好きな部分のみを作品世界に取り込むことができる。人間関係についても、うるさいことを言う両親や教師は(いるんだろうけど)出てこない。このゆる〜い『自意識のフィルタリング』の居心地の良さこそ、日常百合マンガの人気の下地を支えてると思う。

2014-05-29 13:50:21
もかみちゃん @karoshininja

いわゆる日常系マンガは昔流行ったセカイ系の逆をやってると思う。つまりセカイ系が、厳しい父親や社会から制約を受けた悲劇的な恋愛を描くなら、日常系の肝は極端にそういう世界から距離を置き、自分の好きな世界や人々以外受容しないことにある。

2014-05-29 13:54:03
もかみちゃん @karoshininja

面白いのがそういう想像上のユートピア化したロンドンに訪れてその失望まで描ききったのが、まさに日常系アニメの機鋒だったけいおん!の映画版だということ。映画という非日常的枠で少女達が戯れに居心地の良い空間=部室を飛び出してみたら、あまりにも手合いが違って愕然とする様が描かれている

2014-05-29 14:02:39
もかみちゃん @karoshininja

視聴者が期待する、部室の中の居心地の良さがロンドンの地に拡大されていくヴィジョンは裏切られ、言葉は通じず、ホテルは間違え、見知らぬ店で演奏を強要される。自分が経験したから言うんですけど、これ辛い。外国は自分の土地ではないが、それを言えば部室の外は、どこも自分の居場所ではないのだ…

2014-05-29 14:10:26
もかみちゃん @karoshininja

この外側の社会との摩擦を忌避する傾向はそのまま恋愛観にも影響し、あのゆるーい同性同士の恋愛の模倣的関係を導く。内的関係の完璧さを追求するためには閉じていなければならないので、仲間内で裏切って男を作り、輪を崩すような人間が出れば激しく攻撃を受けるか排斥されるだろう…

2014-05-29 14:19:56
もかみちゃん @karoshininja

つまり日常系はそのまま現実の、極端に排外的で内向化したオタクの世界をそのまま映した作品だったわけです。でもこれは社会がどんどん個人の外向化を推奨する、それこそ進撃とかシドニアのようなもう一つの極に対するバランサとしても取れる。こっちの作品は『対セカイ系』『意識高い系』とでも呼ぼう

2014-05-29 14:29:15
もかみちゃん @karoshininja

『対セカイ系』な人々はオタクと同じぐらいには日本の精神性になりつつある、やたら国際派でやたらボランティアな人々に当て込んでいる。彼らのポリシーは『考える前に行動!』であり、危険や困難に盲目的に飛び込むことでしか何か得られないというマゾヒズムめいた行動原理を持っている。

2014-05-29 14:34:01
もかみちゃん @karoshininja

でも何が悲しいって、それは彼らも『日常系』の下地を持っている=居心地の良い場所がある。そこはそりゃ「いつか失われるかも」知れないが、それは今ではない。彼らが恐れているのはそのいつかに至るまでの退屈と退化であり、自分の尻を叩くように克己して辛い場所に赴くしか仕方がない

2014-05-29 14:39:46
もかみちゃん @karoshininja

今の時代は、ほとんどの人々が頑張らなくてもまぁなんとかなってしまうのだが、『それでいいんだよ』と言ってくれるのが日常系であり、『それじゃいかん投資だ留学だ』と尻を叩くのが対セカイ系だろう。

2014-05-29 14:44:32
もかみちゃん @karoshininja

結論を言えばどちらが高尚ということもなく、どちらも日本の現状況から必然的に生まれた作品群で『幸福な若者達』の憂鬱とでも言うべきかな〜長文スマソ〜

2014-05-29 14:50:26