地獄鎮守府の日常＃２１～３１※＃２６が欠けてるのは仕様です！

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

「起きなさい！」眠く、目元に疲労感を覚えながら、耳を引き裂くような声で私は目が覚める。聞きなれた声、叢雲の声だ。「あとちょっと……」と、私がタオルケットに抱き着きながら言うが、叢雲はタオルケットを私から奪い、そして手を引っ張りベッドから起こす。 #地獄鎮守府の日常

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ぼんやりとした視界の中、エプロン姿の叢雲が見え、私は立ち上がり寝不足の中、ダイニングにある椅子に座る。椅子には既に白米と目玉焼き、そして味噌汁の何時ものセットと、コップに注がれた冷えた麦茶が置いてあった。 #地獄鎮守府の日常

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目玉焼き、と言っても鶏でなく、よくわからない鳥の卵の一種だ、近くの区画で製造してるのを叢雲が見つけ、買い取ってる。「いただきます」と先に叢雲が言ったので、私も「いただきます」と言い、目玉焼きに醤油をかけ、食事にかかる。 #地獄鎮守府の日常

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「ラジオ、付けようか」と叢雲が言うので「ああ」と私が返し、手に取る距離にあったラジオに手を伸ばし、起動させる。ラジオはニュースを流しており、香港周辺で珍獣が出たとか、海賊が捕まったとか、そんな他愛もない情報を流し、私のような人々に朝の娯楽を与える。 #地獄鎮守府の日常

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「３－２への輸送機、空輸になったらしいわね」「アクアジェットの運送業者は廃業か」「エアラインが開通したから仕方がないわ、運送コストもこっちの方が安いって話よ」「景気のいい話だ」そんな、とりとめのない日常会話を交わす。 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

こういう一時を認識し、彼女のての指輪を目にすると、彼女とケッコンしたのだな、と私は認識する。叢雲に手料理を振る舞われる事は多く、一緒の部屋で寝る事も多くなる。不知火や陽炎と二人っきりになる日もあるが、彼女らをどちらか呼んで、三人で寝る日の方が多い。 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

そうして食事を終え、顔を洗面台で洗い寝間着から仕事着のスーツに着替える。この鎮守府では特に服飾の指定はされてないため、第二種軍装がしっくりこなかった私はスーツを着込むことにしている。 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

叢雲も着替える、エプロンを脱ぐと、その細く、美しい裸体が見え、艦娘としての制服を下着から着込んでいく。「裸だったのか」私はここで彼女が裸にエプロンという新妻を題材にした話の、定番の恰好をしてた事に気づく。「……気づくのが遅かったわよ」彼女は顔を紅潮させる。 #地獄鎮守府の日常

白金桜花 C103土曜東ヨ18b @YamanekoOuka

彼女なりのサービス、だと思うと申し訳なさを、私は感じ「悪い、気づかなかったよ」と言うと「うー……とりあえず、仕事に行くわよ、いい？」と、彼女は恥ずかしさが消えないまま、私に手を向ける。私は彼女の手を握り、手を繋ぎながら執務室へ共に向かうのだった。 #地獄鎮守府の日常